バルバロッサ作戦ファンのみなさまこんにちは。
今回はドイツ軍の背中には米軍さんがついてる仕様なので今度こそ、3度目の正直でドイツ勝利になるのかと思われたバルバロッサ作戦v2でございましたが、今回もまたドイツは苦境に陥ってる風ですね、いやほんと。
今回はアメリカを悪役に仕立ててなんとかドイツが頭を低くして知らん顔できるのかと思っていたわけですが、前回書いた通り、ダメっぽい。
バルバロッサ作戦 v2: ドイツ逃げ延びてない模様
でも今回はキエフを先に籠絡しているので200年間でここまで進んだとも言えるようには思います。とはいえ、今回はモスクワにも到着できてないし、前回同様クリミアも失ったし・・・。残るはクラスノダール地方からバクーの攻略かと言いたいところですが、そっち方面も、アブハジアをロシアが取っているのでグルジアも動けず、ダメっすかね。
と、アホなことを言ってますが、11月24日、ドイツの有名なシュピーゲル紙に、ある種の敗北宣言みたいな記事が出ていて結構な反響があるようです。
その名も、
Summit of Failure: How the EU Lost Russia over Ukraine
http://www.spiegel.de/international/europe/war-in-ukraine-a-result-of-misunderstandings-between-europe-and-russia-a-1004706.html
EUはこうやってロシアに負けた、というか、ロシアの信頼を失ったって感じ。タイトル通り、これは大失敗でした宣言みたいな、これまでの顛末のまとめを時系列でおっかけた長文の記事。時系列はヤヌコビッチ大統領が就任したところから去年11月にリトワニアのヴィリニュスで行われた東方パートナーシップ首脳会議まで。
春先に事件が起こった頃に何度も書いた通り、EU側はウクライナが連合協定に入って、モスクワとの関係を適当に切っちゃう、みたいな状況を本気で夢想していたらしいことが見て取れる。ウクライナを連合協定を通してEUに入れるというだけでなく、ロシアとの関係を最小化させ、切るということの意味の大きさ、実現の不可能さに全然気づいていないバローソとかメルケルとか、あり得るんだろうか、これ?という感じの経緯でした。
連合協定が問題となる直接の動機は、ロシアが中心になって作ってたユーラシア連合にウクライナを入れたらユーラシア連合が結構な大きさになる、これは許せないってこと。シュピーゲルは、EUはユーラシア連合をライバルと見ているため、という表現を使ってるけど、そういう感じではないでしょうと私は思う。もっと率直にロシアを中心とした旧ソ連、ロシア帝国の版図が復活しちゃうやんけ!っていうのが本旨でしょうね。
で、それを阻止するためにウクライナをEUに引っ張りたいというのは戦略としていいとして、しかし問題は、EUにはそのための対価を見積もって、負担に耐えられるかどうかを考える気が全然なかったらしいところ。
(皮肉なことだけど、ドイツに、ロシア圏を侵略しているという意識があれば、もっときちんとした対価の計算があり得たんじゃないかと思う。)
つまり、ウクライナは常に資金難だという点。ウクライナにとっては、だから自由だの民主主義だの法の支配どころじゃなくて明日の米をどうするかが先決だった。
で、EUとの連合協定を締結したらあななたち助けてくれるの?とウクライナ側が尋ねると、EUは、いや俺らIMFじゃないし、とか答える。ではそのIMFはどうかというと、現状じゃ貸せないね、となる。
そうなると現ナマ持ってるモスクワの提案の方に行く以外にウクライナが取れる道はあったの?という話なんですね。
だから、ウクライナの大統領がロシアに寝返ったからウクライナ市民が怒ってデモ隊が出たみたいなのって、嘘とは言わないけど相当のごまかしなわけですね。
そもそもヤヌコビッチを親ロシア派というレッテルも間違っている。プーチンはこのフラフラで目先の自分の利益を追っかけるヤヌコビッチを嫌ってたことは関係者はみんな知ってただろう(この記事にも書いてある)。
だから、もし世界のメディアがウクライナを混乱させないようにしようとするなら、問題はウクライナにはお金がないことであり、ウクライナのオリガーキ支配は異常が過ぎると適切に指摘して改善を促すことだったでしょう。
しかし事態はそうはならず、キエフのデモ隊を褒めちぎり、ウクライナ人はEUに入りたいのです、the Westに行きたいのです、という偽のキャンペーンで人々を惑わせた。横車を押したロシアが悪いと、オリンピック報道さえ政治化し、最後にはクーデターを誘発し、無益に100人程の人たちが死んだ。
そんなことは欧州情勢を見ている人は誰でも知っていたのに、3月からアメリカのオバマ政権はそこをすこーーーーーんと無視して、ロシアがある日突然クリミアを侵略したという話として描きだし、騒ぎを大きくしていって、戦争まで始めちゃったと。だから、この部分は本質的にまったく無意味なわけで、私はオバマ政権の犯罪だと思ってる。
■ 第一次・第二次世界大戦を思い出す
誰でも思うんだけど、結局EUというかドイツ第四帝国は一体何がしたかったんでしょう?
なんか第一次も第二次も世界大戦ってこういう感じだったんだよなぁと思わないでもない。どっちも、きっかけは欧州内の小さな紛争で終われるような程度のものなのに、火消しに失敗して、というより火消せず大国が直接乗り込んできて大戦になる、と。
そうなる一つの要素は、欧州の西部には、潜在的に常にスラブ地域への制服欲求が存在することだろうなぁ。で、ドイツが最西部で、100年間でポーランドを西側に取り込んだから西部が前進しているような気はするけど、度重なる侵略のおかげで、ロシア側はロシア帝国時代よりも「ロシアはロシアだ、ロシアは欧州でもありアジアでもある」モードが強まってもはや後戻りする気ないって感じになっているので、この制服欲求が満たされることはもうないんじゃないかという気もしてきた。
そうすると西欧というのは、広がりのないユーラシアの半島に落ちていくという未来もあるわけよ。
で、今回こうやって丁寧なレポートがシュピーゲルから出たということは、もうこの話は収束させたいという意図がドイツにあるって意味なんだろうなと思う。
なんでそうなるかといえば、(1) 目先の目標としてはロシア市場を失いたくないから。機械類、車といったところは確かにドイツは強いが、日本とかイタリア、中国も入り込んでいるので、EUが勝手に自分で制限かけている以上その他の国々には棚からボタモチが続く、と。
もう一つは、(2) 制裁を巡って、あるいはそういうEUの訳のわからない侵略性を巡って、中・東欧諸国がモスクワを見上げはじめたってことがあるでしょう。中・東欧諸国は基本的にドイツ世界とスラブ世界の混在地が多いけど、でも、東に行くにつれ物の考え方はスラブ優位だと思うのよね。ドイツは町を作って支配階級になるというモデルで東方に進出してきたので、実数、つまり足元のモラルはスラブ優位なんだと思うのよね。だから、ルーマニアやポーランドを代表例として実は潜在的にドイツが怖いし、不信感が見え隠れする。つまり、ドイツが暴れるとEUにヒビが入る、と。
そういうわけで、おそらくドイツはメルケルにおっかぶせる形で幕引きを考えているんじゃないか、など思う。
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