予定通りロシアのソチでバルダイ・クラブの会議が行われていた。
いろんな首脳が登場して会話しているのを見るのはそれだけで楽しい。CNNとかBBCとかに振り付けされないえ語れる場を提供した意味はそういうところにあるんでしょうね。
今年もプーチンは最後の全体会議に登場して、ここでまたいろんな発言をしていた。
Vladimir Putin Attends Plenary Session of Valdai Club - Video
その中で、やっぱり耳目を集めるのは、
ロシアは中国のミサイル早期警戒ネットワークの形成を支援してますよ、と言ったことでしょうか。
ロイター他西側メディアはプーチン動向、わけてもアジア諸国の首脳と会ってることなんか無視したいわけだが、これは書いていた。
Russia Helping China to Create Missile Early Warning Network
早期警戒体制は、そりゃ種類はいろいろ大幅に拡大できるだろうけど、基本的にがっちり出来上がってるものは米とソ/ロシアしか持ってない。
wikiにはこうある。
ロシアのは日本語版がないっぽいけど、一応こんなのか。でもこれも雑な記事のような気がする。
Main Centre for Missile Attack Warning
ロシアと中国は経済だけだ、ロシアは中国のジュニアパートナーだ~みたいなことをあちこちで書いてる人がいるわけですが、インテリジェンス、軍事の情報共有もしていってるし、その密度はだんだんと大掛かりになってる。
中国は自分ちのミサイルの類はもう十分に立派だけど、防衛するということは警戒ネットワークが充実していないとならないわけで、そこでロシアが協力するというのは実に大きいでしょう。
理由は2つ。まずロシアの位置的優位性。北半球の半分をカバーできるような高緯度に陣取ってる。その上で、なんといっても、どこの国も、対戦するとなったらそりゃ米の軍備なわけで、そことこの世で最も対戦したことがあるのはソ連/ロシア。対戦っつってもホットウォーばかりが戦争ではなくて、そこにいかないリアル・シミュレーションとでもいった対戦ってか、鉢合わせってか、にらみ合いってかというのが非常に重要なわけでしょ。
防衛ネットワークって、ある種AIみたいなものなんだろうと思うんですよね。アルゴリズムと過去のメモリ(履歴)をマッチングさせてある種のプラットフォームを作って現実に対応するって感じでやってんじゃないのかと思う。ハードウェアばっかり目がいくけど。ということは、過去データが大きい方が有利。
とかとか考えると、まぁその東アジアのチャイナの優位性は日を追うごとに増すばかりって感じ。
さらに、
米がアジアにミサイルを展開させたら、ロシアは同じように対応するかもしれないよ。
中国を抑えつけようとする人は自分を傷つけるだけだ。
Russia May Respond in Kind to US Missile Deployment to Asia
Impossible to Restrain China, Those Who Try Will Harm Themselves
といった発言もあったようだ。
これってさぁ、日本ちゃん、聞いてるかい?って感じではあるよね。
だって、つい何年か前まで、中国包囲網とか言ってた人がいましてですね。あれは一体なんだったんでしょうか?
どうしたんだよ、って誰か聞くべきじゃないの? そういえば中国の建国記念を祝って、安倍ちゃんのビデオレターが中国で流れたっていうんだけど、そんなことしつつイージスアショアで何をするつもりなのか。わかりません、もう。
■ 日本の記事
一応検索してみた。産経だけが書いている。
プーチン露大統領「ミサイル警告システム構築で中国支援」 蜜月ぶりアピール
https://www.sankei.com/world/news/191004/wor1910040006-n1.html
ロ、中国のミサイル探知に協力
警戒システム構築で
再び歴史的なモメントを迎えた中露 by 習
この体制が盤石になることで、朝鮮半島の、特に北の存在もソフトランディングしやすくなる、ってな恰好なんだと思いますよ。
それに気が付くそぶりさえなく、日本の態度は「100%アメリカ様と一緒です!!」のまま。どうなるものか。