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NATOとグラディオ作戦、緊張戦略

2018-07-15 11:06:05 | アジア情勢複雑怪奇

13日の櫻井ジャーナルさんの記事はNATOの来し方についてだった。

米英がヨーロッパ支配とソ連/ロシア侵略を目的として創設したNATO

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807130000/

 NATO(北大西洋機構)は7月11日から12日にかけて首脳会議を開いた。国防費の負担を巡ってアメリカと他の国とで対立があったと伝えられているが、アメリカが1992年2月に作成した世界制覇プランを妨害しているロシアに対する敵対的な姿勢では一致したようである。

 

そう。基本的にウォルフォウィッツ・ドクトリンを放棄したという兆候はないですからね。基本的に、この世界制覇プランを妨害するロシアに我々は断固立ち向かう~というアホな姿勢は堅持されているとみるべきでしょう。

で、発祥からして既に病なのは、ソ連は軍民あわせて2700万も死んで、国土が戦場だからどこもかしこも重要都市は廃墟だらけだったにもかかわらず、ソ連は巨大なヨーロッパに攻めてくると設定したことでしょう。想像を絶する作戦といい、ほんとに非道な人たちだよなと思わずにはいられない。

 NATOは1949年、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクによって創設された。ソ連に対抗することが目的だとされたが、その当時のソ連には西ヨーロッパに攻め込む能力はない。何しろ、ドイツとの戦闘でソ連の国民は2000万人以上が殺され、工業地帯の3分の2を含む全国土の3分の1が破壊され、惨憺たる状態だったのである。

 

で、これはWW2が終わる前から作戦は開始されていたわけだけど、でも、1945年に米が原爆を投下して、これは使える!となったことでいよいよやる気になったというのもあると思う。その後国連でさんざんソ連と世界中の有識者たちに、原爆の国際管理を持ちかけられてもそれを拒否して、結果的にソ連が原爆を保有するに至った経緯もあわせて考えるべきだろうと思う。

また、そのためにこそノルマンジー作戦はあった。ノルマンジー作戦はナチスを倒したというより、欧州を抱きかかえるためのステルス帝国による侵略作戦のようなもの。(ナチ打倒だけなら、ソ連に呼応してもっと早くにフランス側にでも戦線を一本作ればよかっただけ)

 

で、そうやって西ヨーロッパを席巻したはいいけど、西ヨーロッパの一般人はソ連と戦争したいとも思ってないし、アメリカになりたいとも思ってないし、ましてステルス帝国に入ってるとも思ってない。

だもんでグラディオ作戦が登場する。これは、前から知る人ぞ知る話だけど、それを成し遂げたネットワークはもっと前から存在していて、それが顕在化してグラディオになるという成り行きだったらしいことが最近だんだん見えてきた。

 その秘密ネットワークはソ連軍が侵攻してきた際にレジスタンスを行うとされていたが、実際はソ連圏への工作や西ヨーロッパの支配が目的。NATOへ加盟するためには秘密の反共議定書にも署名する必要があると言われている。(Philip Willan, “Puppetmaster”, Constable, 1991)コミュニストと戦うために彼らは役に立つという理由からだという。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)

 こうしたネットワークの中で最も知られているのはイタリアのグラディオ。1960年代から80年代にかけて「極左」を装って爆弾テロを繰り返していた。活動はイタリアの情報機関がコントロール、その上には米英の情報機関が存在していた。(以上、櫻井さんのこの記事から引用)

 

櫻井さんが引用さている“NATO’s Secret Armies” はこの本。

NATOの秘密の軍事組織:西ヨーロッパにおけるグラディオ作戦とテロリズム とでもいうのか。

NATO's Secret Armies: Operation GLADIO and Terrorism in Western Europe (Contemporary Security Studies)
Daniele Ganser
Routledge

 

著者は、主流メディアではないところだけど登場していろいろ話してたりする。明快な話し方をする若い人で、このNATOの秘密の軍事組織についての本は、ご自身の博士論文だったそうだ。

 

グラディオ作戦については、英語版はかなり詳しい。

日本語版はイタリアのみたいなままですね。でも、欧州各国万遍なく手を入れているのが実情。

グラディオ作戦

 

で、Daniele Ganserの指摘は、単に偽旗作戦を散発的に行ったというのではなくて、これを断続的にやることで、社会の緊張を高める作戦としてやってる、というところまで入る。ここが今日にも通じることから、単なる過去の歴史ではなくて現在を解明するために再びグラディオ作戦(偽旗の連続作戦というべきか)に注目が集まっているものと思う。

というわけで、ここらへんはまた何かあれば書きたい。ほんとーに、世界を恐怖に陥れ、陥れ続けるこの危険な団体NATOは直ちに解散しろ、とか思う。

しかし、そうするとこの組織からやっぱり犯罪者を出さないわけにはいかなくなるでしょう。だからこそ、ロシアがロシアがと敵を作ることで、懸命に組織を守ってると思って毎日諜報作戦に従事している、とかいう人もいるでしょう。このへんは日本の軍も同じでしたね。彼らが1945年において最も怖しかったのは、赤でも黄色でもなく、日本人の成年男子が怒ったらどうしよう、だったと思う。

 

NATOに戻って、一応、今年3月のロシアの強制MAD宣言(プーチンの2018年一般教書演説:強制MAD)によって、世界制覇プランはかなり打撃を受けているんだが、それにしたって世界中に基地を置いている限り、その国々を支配下において、そこで混乱を作ることによって戦争の代わりになるような緊張状態を作る、ぐらいのことは理論的にもリソース的にも可能。(基地を置くということは、出入り口を当該国がコントロールできないということ)

そこからあちこちでレジーム・チェンジに向けて騒動が多発するとか、流血の惨事が起これば、それ自体からさらなる緊張状態を生み出され、このへんの人たちが最も欲しいもの、憎しみの連鎖が固定する。

するとNATOは生き延びられる! ってもう基地外ですわ(笑)。でも、これを本当にやってるとしか言えない。困ったもの。

現状、トランプ政権は見える限り、この手の策謀に反対のように見えるし、軍も最低限上の何人かは冷静派になっているように見える。が、流血の惨事はすべてを覆し得る。アメリカも動かないわけにはいかない事態はあり得る。ということは、そんなことを考える人たちがいても不思議じゃないと思うわけですよ。

こんなところと大多数の国民のあずかり知らぬ間に勝手に仲良しになられても困るんですよ、日本政府!

 

■ 参考記事

NATOに日本政府代表部って三国同盟みたいだと思う

 


 


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1 コメント

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反共シフトは西側ぐるみ (ローレライ)
2018-07-15 12:21:57
反共シフトは西側ぐるみ、だった訳。
赤軍派や赤い旅団のテロの御用テロ説の信憑を裏付ける!
イスラム国から、手口が世界にあきらかになった。
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