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「国連は中立であるべきだ」菅官房長官が不快感

2015-08-31 19:01:16 | アジア情勢複雑怪奇

先週から気になっていた。

「国連は中立であるべきだ」菅官房長官が不快感
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150831-OYT1T50046.html

 菅官房長官は31日午前の記者会見で、潘基文国連事務総長が9月3日に北京で行われる「抗日戦争勝利70年」の式典に出席することについて、「国連は中立であるべきだ。加盟国に対して、いたずらに特定の過去に焦点を当てるのではなく、未来志向の姿勢を取るよう促すべきだ」と述べ、不快感を示した。

 日本の国連代表部は27日、国連事務局に「中立性を損なう行動」などとする懸念を伝えている。(太字私)

中立性を損なうというけど、もしここで日本の圧力に屈したら、大日本帝国による大東亜戦争は聖戦である派を背後に抱える安倍内閣に屈したことになる、という意味もあるからなぁとか思ってちょっと苦笑。

てか、これを表だって懸念として伝える日本政府の意図は何なんでしょうね。わかりません。

ちなみに、潘基文氏は5月のロシアの式典にも出てるし、そもそも国連って連合国のユニオンのことなんだから、連合国側の国がVJD(対日戦勝の日)をよかったよかったとする、ってのは現在の世界秩序の基礎ではなかろうか?(日本人にとってうれしくないとしても)

それに対して、潘基文氏は、日本の懸念も認識しているが、

過去を、つまり私たちは何を学んでいるのかを見つめ、その上でどうやったらそうやって学んだことを基に明るい未来に向かって進めるのか、というのが重要なわけです。

“It is important to look to the past, what kinds of lessons we have been learning, and how we can move ahead to a brighter future based on the lessons learned. That is the main purpose.”

Ban Ki-moon rejects Japanese criticism of him attending China's Victory Day
http://www.theguardian.com/world/2015/aug/31/ban-ki-moon-rejects-japanese-criticism-of-him-attending-chinas-victory-day

と答えたとイギリスthe Guarian紙が伝えている。

5月のロシアのケースでも似たようなことを言ってた。人々が憎しみあうためにこんなことやってるわけじゃないんですよ、という理解なんでしょう。でもって、プーチンの、ナチスを糾弾しているのであってドイツ人を責めてるのではない、っていう態度および発言も同じ線でしょう。

つまり、連合国(UN)はポツダム宣言に則ってます、って感じだね。

ということは、結局日本に関していえば、「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。」(第6項)のラインを堅持という線を再度念押しするようなことが、今週行われるいわゆる対日戦勝記念日および今月末に開かれる国連総会において再度テーマ化するんだろうと思う。

で、その見通しから考えると、懸念の表明は一層謎だなぁとか思う。

この政権は、宮台氏などがいう通り、ポツダム宣言のラインを崩して、指導者責任と一般国民の責任を同質化しようとする傾向を強く有しているので、その彼らの認識からすると・・・・。なんだろう?

その彼らの認識からすると、国連という組織そのものが自らに有罪を科した悪しき存在なのでなんか言いたかった、みたいな感じなのか?

わからんよー。

 

■ the Westのためにでなく行為したいものだ

と、Guarian記事の下のコメント欄に、Why shouldn't China celebrate V-day over Japan? とあった。

なんでチャイナは対日のビクトリーデーを祝っちゃいけないの?と言われれば、英米人は誰も、祝っちゃいかんとは言えないわけですよ。自分たちが盛大に祝ってるわけだからね。

ロシア&ソ連の場合は、1945年から現在までほぼ一貫して基本線が同じ戦勝記念日を祝っているので、今更なんか言ってもまったく始まらない感が盛大にあるんだけど、チャイニーズの場合は結構打ち捨てられてた感じはあったともいえるのかも。実行主体が中国共産党だから中国人はビクトリーデーを祝えない、ってのはおかしいでしょう。でも、例えばイギリス人がチャイニーズと一緒に祝おう、とはあんまりならなかったとも思う。

それはそれだけ、清朝を崩して、その後どうするか考えて、結局チャイナの領土的一体性保持に方針が定まって、そしたら日本がそれを呑まなくて、みたいな20世紀におけるチャイナを巡る混乱の結果なんだろうなとも思う。

で、その中で英米は、悪いのは日本だけにして後は知らん顔しよーとしてたし、今もしていると思う。

だから、ここで日本が妙な合いの手を入れるのは、国内的にはいくらかの日本人を活気づかさせるという意味で有効かもしれないけど、対外的には、むしろ英米のために悪役を一手に引き受けてるみたいでもある。

どこまで行ってもチャイニーズを侮辱する日本、みたいな感じになる。(残念なことにそれが日本国内では確実に一定層にうけちゃうわけだけど)

名誉ある沈黙を守って、その上で、私たちは日本の過去を知ってます、よくない部分についてこれを繰り返したいとも思ってないし、我が方の行為によって被害を受けた内外の人たちのことも知ってます、で、だからこそ、日本もチャイナもあんなことにならないようまず対話しましょう、ってのが順当なんじゃなかろうか。

で、またまた、対話だ~? そんなのつーじねーとかいう愚か者が出てくるだろうけど、そういう人たちには、有効な対話ができなかったからこそ孤立化していった日本を思い出せと言えばいい。ついでにいえば、降伏ですら対話なんですよ。武力ですべてが決せられると思ってる人こそおかしい。ってか、カルト?って感じがしてる今日この頃。

 

お話戻って、外務省が懸念を伝えた、ってのはしかしどういう意図でやってんだろうね。これが外に広がる時、日本人以外の人たちは、上で書いたように、なんでチャイニーズがビクトリーデーを祝えないの? と思うだろう。そして、国連がこの勝利の側にないって話は聞いたこともありません、でしょう。

うちの政権の意図がわからん。


 


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