こうじゃない結果を予想した人は誰もいなかっただろう結果が来ただけなので誰も驚いてないと思うけど、米中間選挙は共和党が上下院を抑える結果となった。
<米中間選挙>大統領VS議会、対立激化は必至
毎日新聞 11月5日(水)13時36分配信
http://mainichi.jp/select/news/20141105k0000e030236000c.html
共和党が下院に続いて上院の過半数を奪還すれば、上下両院で多数党が異なる「ねじれ」が解消する。これまでは上院民主党と下院共和党が対立し、法案は両院を通らなかったが、共和党が主導する法案が両院を通る可能性が高まる。構図はこれまでの「上院民主党対下院共和党」から「大統領対議会共和党」に変わる。
ねじれが解消されたのはいいことではあるんだろうけど、大統領は拒否権を持っているので、大統領 vs 共和党になっていくのは目に見えている。オバマケア、財政、移民あたりでまた揉めるんだろうな、と。
<米中間選挙>経済、外交に不満募る 民主敗北
毎日新聞2014年11月5日(水)13:29
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/ecoscience/mainichi-20141105k0000e030234000c.html
民主党敗北の背景には、米国民を広く覆う不満や不安がある。米メディアの出口調査によると「米国は間違った道を進んでいる」との回答が65%で、「正しい道を進んでいる」とした31%の2倍以上に達した。また、ワシントン・ポスト紙などによる先月の調査では、米政府の国家問題への対処能力がここ数年で「低下した」との答えが53%に上った。さらに、その責任はオバマ氏と民主党にあると考える人が、共和党にあると考える人の3倍に上り、不満の矛先がはっきりと民主党に向かっていた。
そう、今回の選挙は、民主党 vs 共和党というより、オバマ政権への不信任投票みたいな感じがいっそう濃かった(2期目の大統領はだいたいそうなるんだけど)。
パット・ブキャナンの総括がうまい。有権者は誰も彼もみんな嫌い、と。
Voters Against Everyone
By Patrick J. Buchanan • November 4, 2014, 12:05 AM
http://www.theamericanconservative.com/buchanan/voters-against-everyone/
アメリカ人は誰かを選びたかったんじゃなくて、誰かを否定したくて今回は現政権でない共和党を選んだ、というところだろうということ。
共和党支持者が喜びいさんで共和党に投票しているという話じゃない、ってのがおそらく現実的によく見えているんだろうと思う。ブキャナンは言うまでもなく共和党関係者だから。
どうなるんですかね、これから。
根底にあるのは、チェンジしたって何も変わらないどころか、民主でも共和でも議員も大統領も国内の国民のことより、どうも他のことに忙しそうだなという不信感でしょう。
アメリカの二大選挙制はもう壊れてるというのは、過去20年ぐらいずっとそう言う人はいたけど、最近は本当にそうなったなぁという感じ。3番目の政党を作らないとダメになるという話は過去にもあるんだけど、できない。
ここをクリアしないと、アメリカの民主主義は壊死すると思う。
■ 低投票率のアメリカ
しかし、それ以前にアメリカの選挙ってもともと低投票率で知られていて、あんなに騒ぐ大統領選挙だって6割いくかいかないかだし、中間選挙は4割前後が標準。だから、そもそもあんたたち世界中で選挙やれ選挙やれ言う前に、自分のところをなんとかしたらいいんじゃないか、というところではあるんです。
この低投票率を正当化する議論としては、参加したいやつだけが参加すればいいんだ(残りには文句を言う権利はない)というものなんだけど、しかし不参加者が多数を占める状況が構造化しているのであれば、それはその国の議会制民主主義があまり良く機能していない言うべきだろうと私は思う。
下図は、1948~2012年までの米国の選挙の投票率。棒グラフが1つ置きに高い低いが並んでいる、その高い方が大統領選挙、低い方が中間選挙。