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日中首脳会談: 実現は「予断許さない」状況

2014-11-05 15:13:19 | アジア情勢複雑怪奇

日中首脳会談 実現は予断許さない状況
11月6日 6時27分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141106/t10015981071000.html

APECで日中首脳会談があるかないか、現状では不明である、と書けばいいんじゃないかと思う。

予断を許さないって、わからない、予想できない、の婉曲表現で、病状が悪化したご家族などに限定的に使われる表現のように思うんだけど、そこから考えれば、APECがらみに関していえば日中関係は危篤だ、死にそうだ、と言いたいのだろういか???

で、一連の小笠原のサンゴというのは、要するにこれに対するチャイナのお返事じゃないの? 俺らは譲歩しません、の代わりにこういう行動を起こしているんじゃないのかと思ったりするんだが・・・。

 

■アジアインフラ投資銀、インドネシアも?

一方、1週間前ぐらいに書いたアジアインフラ投資銀の話。インドネシアが参加を表明する可能性があるらしい。

中国主導のアジアインフラ投資銀、インドネシアが参加表明へ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IO0ZS20141104
[ジャカルタ 4日 ロイター] - インドネシアのバンバン・ブロジョネゴロ財務相は4日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を早ければ来週にも決定する可能性があることを明らかにした。

1週間前のはここ。アジアインフラ投資銀行(AIIB)、基本合意成立

で、日本語の報道は短かったけど、英語ロイターはもっと長い記事で、インドネシアだけでなく、1週間前には参加表明しなかった韓国も、まだそれで決着ではないように書いてある。また、オーストラリアは、アメリカからの圧力があったので参加を見送ったと現地の経済紙が報道しているとある。

Three major nations absent as China launches W.Bank rival in Asia

http://www.reuters.com/article/2014/11/04/china-aiib-idUSL6N0SI26S20141104

こういう話をぶっちゃけているという時点でみんなアメリカを怖がってないじゃんか、でもある。

しかしそもそも、アメリカ国務省のサキ報道官は、

ケリー国務長官は、アメリカはアジアインフラ投資銀行という考えを歓迎しているが、当該銀行の統治機構および透明性を国際基準に合致させるようにしなければならないことを強く要請すると中国その他パートナー各国に対し直接明言している。

ということなので、表面上にせよ、歓迎しないというスタンスではない。これは、アジア開発銀行の中尾総裁の「理解するが歓迎しない」と微妙に違う。


で、インドネシアにしても韓国にしても、要するに事は単なるアジアインフラ投資銀行の問題ではないと思うわけです。しかし、個別具体的な融資案件が本当に問題になっているという話でもないと思う。

要するに、チャイナが今後東アジアのリーダー格になることに対する信任投票みたいな感じになってると思うんだよね。といったって別に拘束力があるわけじゃないが、何もないってほど何もないわけでもない。しかし、そうやっていくうちにASEANの方向性が変わっていく・・・みたいな。


■ 日本をターゲットにしていると思う

全体として、今年から来年にかけての中共政権の戦略目標は、日本を動けなくすることじゃなかったのかな。

つまりね、日本から発言力を奪うことで、リーダーはお前じゃない、俺だというのを全世界にアピールするという意味。

以前は南京事件等で、日本を悪者として描くというある意味積極的な攻撃に出ていたわけだけど、もうそれはすぎて、今年の目標は、地域のリーダーとしての中国という姿勢を見せることを念頭に置いていたんじゃなかろうか。逆にいえば、日本はその任にあらずというのを示唆しようとしているんじゃなかろうか。

それに対して日本は、20年前からのネタを克服しようとして反中国の姿勢を貫いているようなところがあるので、これはつまり、チャイナの手に乗ってるともいえる。

去年から今年2月までの日本の方針は、明らかにロシアとの関係を強化することで東アジアにおける日本のプレゼンスを高める方向に行っていたと思う。地図みりゃわかるけど、オホーツク海で日本とロシアの関係が緊密で、何かあったらすぐに「共同で」対処できるようになっていて、南では日本とオーストラリアがだいたい緊密だとなっていたら、東アジアは日本を中心に回る。

ところが、日本国政府はそのチャンスを逃し、ロシアが中国に接近する流れに対して傍観するどころか、自分も一緒になって「G7に歩調を合わせて」策を取った。もう半歩でも、別の言い方、やり方があったんじゃないかと私は今もそう思う。

(なんとなく、今年の日本の行動は「シベリア出兵」2014になってしまうのでは、という気がする。つまり、目標が曖昧なまま流れに任せて動いて、最終的には自分が損をする。)

これによって、中心は大陸内に行ってしまったって感じはするわけですね。ということは別の言い方をすれば日本は太平洋を見るしかなくなった、みたいな感じ。(まだ決着していないが)

来年、第二次世界大戦終結70周年という節目の年なので、各地で戦闘の場所なんかの慰霊祭が何度も開かれるんじゃなかと予想する。で、その場合、日本は東アジア、東南アジアにおいてあんまり何か言えるチャンスはないわけです。

日本外交は瀬戸際だと西部さんたち表現者グループがおっしゃってるけど、私もこの認識を共有する。

瀬戸際の日本外交西部邁ゼミナール 2014年10月26日放送
http://www.youtube.com/watch?v=sKYWfKr3Igk

ヤルタ・ポツダム体制からの脱却西部ゼミ2014年11月2日放送
http://www.youtube.com/watch?v=jcXbptM57XA&list=PL2B4FF1FB8DA61363


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