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オリンピックから「河川・日本」へ

2015-09-12 16:15:33 | 太平洋情勢乱雑怪奇

このへんで書いた通り、

オリンピック返上にとって追い風!

ありとあらゆる自然現象がオリンピックに適性ないっすよ、と言っているかのような状態だけど、そんな中いきなり地震。いやまぁだいたいの地震はいきなりなのだが。

「首都直下地震に備えを」震度5弱で専門家
9月12日 13時54分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150912/k10010231301000.html

(中略)そのうえで、古村教授は「東京湾直下で想定される地震のマグニチュードは7.3だが、けさの地震は地震のエネルギーにして1000分の1以下で規模が非常に小さい。しかし、この程度の規模であっても、エレベーターに閉じ込められたり、水道管が破裂したりする被害が出ているため、今回の地震をきっかけに、想定される首都直下地震への備えを進める必要がある」と指摘しました。

 

まぁそのなんてか、私たちの多くにとってはわざわざ読む価値もないほどもはや知ってます情報に過ぎない。これはつまり、それだけ私たちは精神的な構えを含むいろんな備えが一応あるということ。

しかし、世界中の多くの国と地域の人々にはこの構えも備えもないんです。だから何かあったときに「パニックするな」と言ったって無理。

そんなこといったら日本では何も大きなイベントができないじゃないか、とか言う人がいるだろうが、過去50年ぐらいの時期とは異なる時期になったんだから、相応に大きなリスクを抱えていることを認識し、そのリスクの低減に向かって非常に前向きに対応している、という兆候が日本国政府およびオリンピック組織委員会に見えるのならば、できる限りのことをしましょう、という話にもなるけど、そんなことを考えてる代表者がいたっけか?

なんせ、アンダーコントロールで質問を遮って勝った気になるような人たちだからなぁ・・・だったりもする。

■ ぼやきですが

なんか今回の水害の対応を見てても思ったけど、私たちの国は多分だいぶ変質しちゃったんだろうなとか思う。

水害の対応で目についたのは、テレビおよび新聞が持てる能力を適正に発揮して、今後の危険性を予防するために頑張ってる、って感じがだいぶ薄れたなかってところ。

やってることが、全体把握の後、例えばこの水系ならこの先こうなる恐れがある、では関係各所と国民にお知らせせねば、というよりも、事故が起きた後に、わ~、こんなに大変なんです、というショッキングな映像を流したり被害者の嘆きを共有だか共感だかする、みたいな方向に行ってるな、と。

以前は、民放が感情部分を、NHKがある程度冷静な全体把握をと分業化していた気がするけど、NHKが共感系統に行っちゃって久しい気がする。いや震災の時にはまだそうでもなかったから、この後なのか。

そもそも、国土交通省の下にある機関では詳しい河川情報がウェブ上でも確認できるようになっているのだから、これを参照しながら、ある程度予想を立てて、上流の雨量がこうで、現在この河川の支流がこうです、ってことは、A地区の人、B地区の人、注意してくださいね、と連呼していてもいいと思う。つか、できるでしょう、これ。

また、越水、決壊カ所はある程度想定されており、事実その通りだったようではある。だったら、これを下に速め速めに人を動かして、避難させておいてよかったはず、とも思う。やってたか?

でもって、NHKだの民放、新聞各紙がこれらのある意味で一番信頼できそうなあたりからの、次の事態への対策に協力的だっただろうか? なんかね、みんな事故待ちって気がしちゃうわけですよ。決壊だ、わーーー、みたいな絵を取ることに傾ける情熱が、予想に基づくリスク情報を周知することよりも大分大きい。

そうそう、気象庁のレーダーより国土交通省のレーダーの方が見やすい。私は豪雨系の話になったら、国交省一択でずっと張り付いてる。気象庁のは大枠の情報ぐらいしか見ない。

総合情報はこれ

国土交通省 川の防災情報
http://www.river.go.jp/

レーダー&雨量はこれ

国土交通省 防災情報提供センター
http://www.jma.go.jp/jp/contents/index.html

■ 河川と日本

こういうものを全部活用できないわけは何なのだろう? 

なにかがとってもおかしい。思うに、なにか省庁間の利権とか、報道関係者間の縄張りとか国民にとっては無意味だが彼らにとっては重大な、とでもいうべき理由があるんだろうか?

ついでにいえば、国交省の河川局って日本中に非常に綿密なというか多人数を要したネットワークのある組織だと思うんです。あちこちにあるし、おそらく地元の人が関与している組織でもあるんだと思うんだ。だから、この組織の話は見ておく価値があると思ってるの。

思うに、日本で一番気合が入っている項目というのは結局河川、水の管理なんじゃないか。なんせ、ついこの間まで大多数が農民だし、国土は山だらけですんで。

でもって、河川がどこで曲がるかどこで氾濫するか、氾濫時にはどちらに越水していくか、ってのは共同体内である程度決まってるというか、暗々裏に了解している、予想していたと思う。

だって、多くの河川で両岸の条件は同じではないんだし、堤防の高さも左右同じではない。これは別に、利権でそうなったとかいう短期的な話ではなくて、自然と共存していく中で、氾濫は防止する、できる限りのことはする、しかし、最後の最後には、水はこっちに越水する、ってことを想定しつつ管理しているということ。

で、ここにすべてを救えないことの、あるいは助けるために犠牲となった人があったことへの嘆きがあるからこそ、神ならぬ身の最後のよりどころとして祠とか小さいお社みたいなものを建てていったのじゃないのかなどとも思う。

昔の人の方がリアリストだったってことかもしれない。

それに対して、アンダーコントロール、とか言っちゃう人って、リアリズムを蹴り倒して、呪文こそ命とか護摩供養をしている以上何の心配もいりませぬ、とか言いだす坊主集団みたいな感じ。カッコいいこと言ったつもりなんだろうけど、よく考えると古臭いし、詐欺臭い。

で、河川と神社も非常に密接なかかわりがあるけど、これも、河川が生死を分けることを認識していたからということだろうな、とか思う。

つまりね、神社をたてる、見えざるものを頼るというのは、人智を尽くしてもなおなおリスクはある、であるからこそ神ならぬ身にできることは祈ることだけだ、という順番によってもたらされたものじゃないのかな。それを、祈りを呪文にして販売しちゃうところから各種宗教の堕落と意味の失墜が始まる、と。

 


日本「神社」総覧
上山 春平
新人物往来社

 

神々の体系 ──深層文化の試掘 (中公新書)
上山春平
中央公論新社

 


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