ふと見たら、こんな記事があった。
「戦勝外交」スタート=ロ大統領、カストロ氏と会談
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150507-00000087-jij-int
このタイトルが著しく気持ち悪い。
第二次世界大戦の戦勝国だと思っていい気になりがやって、という意味なんだろうね。しかし、5月9日のビクトリーデーはソ連時代からずっとやってる、彼らにとっての大祖国戦争を思い出せの日でしょ?
だからそこに参加する国を減らそうと、真剣になって妨害しているアメリカ&欧州の一部勢力の方が、実はよほどこの日を気にしているといえる。
何回も書いてるけど、ソ連(またはロシア世界)はドイツというthe West の最前線の国から攻め込まれたんだから、そんなことはもう二度と許さないと考えるのは当然ではなかろうか? だからこそ、みんな、この成り行きを忘れるなとロシアという集合体がまずは自国民+アルファに呼びかける、ってなるわけでしょ。
それを、いちいちそんなことは忘れろ、昔の話だ的に他国が突っ込むのは余計なお世話以上のものがある。
そして、この成り行きがお粗末なのは、突っ込んだドイツの方は再々、そこで犠牲になった人たちに対してドイツは責任があると言ってるから。つまり、突っついているのは、この当事者2国ではないわけね。
まずはこの2国がどう考えるかを温かくみまもったらどうなんだろうと思う。
■ 本当はナチファンなんです、といえばいい
しかし、私は知ってる!(笑) どうしてそうしたくないかといえば、要するに英米ってソ連とドイツの両方が殺しあって、力を落とすことが望ましかったわけでしょ。で、そのうえ、ナチス側というより、ナチスの動きを利用して、東欧からロシア圏にかけてろくでもない勢力を配置していた、それがいわゆる後年ナチ残党として扱われてる人たちの正体なんだろうと思うんだな。で、その人たちを利用して、再度70年ぶりにまたまたやばいことをウクライナでやっている最中なのね。
だから、ナチスに勝ったことを祝うロシア、なんて許せないわけですね。自分たちがナチスに仮託していろんなことやってきたから。
ここで書いたこと。
ドイツ、身ぎれいになるのか?
■ 世界中の人は知る権利があると思う
で、私は、こういう、ナチス残党をかばって70年もアメリカ、カナダで反共勢力とか、冷戦という名の下に、やばい歴史観を持った人たちを育ててきたアメリカ、カナダ(実際の手配はイギリスじゃないかとう説もあるが)には、なぜこうなったのかについて説明する責任があると思う。
なぜなら、
「米国、そしてその忠実な同盟国であるカナダとウクライナは、国際標準とは異なるリアリティをもつ「トロイカ」を組んでいる。カナダのことは理解しよう。カナダにはウクライナ系住民が多く、彼らが施政方針を左右するから。しかし米国は、反ヒットラー連合の一員として、ニュルンベルグ裁判を開き、その主体となり、数十年来、少なくとも言葉の上では、ヒットラーのイデオロギーに反対する旨を叫んでいたのに、バラク・オバマ時代になって、あまりに立場を急変させ、今やナショナリスト、バンデラの末裔ども、武装親衛隊どもと並んで、バリケードの向こう側に立っている」
http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2014_11_24/280434532/
だから。これはロシアの国会議員さんの発言。まったくとっても正しいと思う。
戦後70年間、アメリカおよび欧州各国は総体として嘘をつき続けたわけですよ。ナチズムは悪い、ファシズムはいかんと言いながら、その陰で日向で、その人たちを使って、養成してきたわけだ。この落とし前をどうつけるんでしょう。
冷戦期、米国諜報機関は1000人ものナチをスパイとして使っていた
まぁ、もともとモラルのない国だから、とか、西側の本質は詐欺と恫喝だからとか言ってしまえばそれまでだけど、それにしてもモラルがなさすぎる。
■ 覇権にモラルは不要なのか
そこで私は思うわけだけど、覇者、覇権にはモラルは不要なのか?
アメリカ(+カナダ、イギリス)のやってることは、基本的に世界のどこであれ地域に強い国を出さない、出そうになったら叩くこと。で、その一番の潜在的脅威は、ドイツ+ロシアだっただろうし、今もそうだろう。だからいろいろ、おかしなことばっかりやってる。嘘とだましと人殺しを使って、騒乱を起こして、戦争ふっかけて、というやつ。中央アジアではまたまた性懲りもなくカラー革命運動をやってるが、これも対ロシアだというのは今日みーんな知ってる。
で、この方針の現実的なまずさは、嘘をつかないとならないことなんだと思う。Aさんが悪い、だから俺はBさんを助けます、と自分を善なる存在にしてこぶしを振り上げるスキームだから。しかし、実際にはAさんは悪くなくて、Bさんが嘘をいい、それを焚き付けて話を大きくしてたりする。
つまり、善悪が逆でも無問題と思って進む、現実を自己都合に合わせて書き換えながら進むモデルなのね。
嘘だらけ、ただの人殺しをやり続ける集団になっちゃうモデルなのね。
で、問題は、このモデルに将来はあるのか?ではなかろうか。
2年ぐらい前、オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ、ってな本および映像が有名になっていたことがあったけど、このおじさんに限らず、もはやこういう欺瞞に我慢ができません的なアメリカ人はずっと存在している。
嘘スキームで頑張りたい層は、だから言論弾圧的処置に色気を出すわけだど、それも限界がある。アメリカ国内の反発だけでも強いが、現在ロシアがアメリカの野党みたいな恰好になっているので、そっちがへこたれない限り、言論弾圧的処置の有効性は漸減する。
アメリカの覇権の仕組みは、歴史上ないモデルだと思う。いくらなんでもここまで効率よく殺人できる帝国はかつてなかったし、嘘を嘘と思わせないためのメディアの支配力でもここまでの国はなかった。洗脳を含む心理学的手配も結構万全だった。また、ローマ人とサーカスを応用して、人々をエンタメ漬けにしたのもよかった(よくないが)。中央銀行を通じて各国経済に対して大きな影響力を持ってるというのが根幹だが、これだけではない。
しかし、これを別の角度から見ると、ただに嘘つきなだけでなく、反民主的、反ヒューマニズムを総動員してるということになる。
Peopleはこれを押し返せるのか。それとも、英語圏で広く言われている通りsheeple(羊みたいな人)にすぎないのか。どうなるんだろう? しかしやっぱり、モデルに誤りがあったよなぁというのが私の感想ではある。
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オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 |
大田直子,鍛原多惠子,梶山あゆみ,高橋璃子,吉田三知世 | |
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オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 2 ケネディと世界存亡の危機 |
熊谷 玲美,小坂 恵理,関根 光宏,田沢 恭子,桃井 緑美子 | |
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オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 3 帝国の緩やかな黄昏 |
金子 浩,柴田 裕之,夏目 大 | |
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