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1945年7月のベルリン

2015-05-06 01:14:14 | 欧州情勢複雑怪奇

RTに1945年7月のベルリンの様子を写したカラーフィルムについての記事があがっていた。

Unique historic color video shows Berlin in July 1945

http://rt.com/news/255613-berlin-ww2-aftermath-video/

 

これはクリップの一つにすぎないけど、上のページに動画が張り付いていて、それを見るとかなりきれいなフィルム。

ベルリンの建物が本当にまぁなんともものすごい壊れ方をしているのがわかる。しかし、通りが広いので混乱という感じではあまり伝わらない。でもって、街でがれきを片付けているおばちゃん、おねーちゃんたちは不愉快な顔をしてはいるものの憔悴している感じはすでに過ぎている感じ。

スターリンの写真が通りにすでにでっかく立てかけられてたりして、ドイツ敗戦から2か月ですでに4か国によるベルリン進駐&占拠が着々とというのか、あっさりとというのか進められていたことがわかる。

このフィルムは、Chronos Mediaというサイトを持っているKonstantin von zur Muehlenさんという人が出してきたものらしい。

■ どう終戦するのか

さてしかし、1945年7月、日本はまだどう終戦したらいいものかで揉めていた。確かに難しい話だったとは思うけど、やっぱり私は、なぜもっと早くに終戦できなかったのだろうかといつも思う。

ミッドウェーで既に短期決戦シナリオは崩れたんだから、次の2年間はいったい何を目標として戦っていたのだろうと考えることもできるだろう。とはいえ、当時の一般人はミッドウェーは日本側の勝ち「みたいな」報道で、空母が撃沈されて相当な痛手を受けていたことは知らされていないから、停戦を考えることができるのはごく一部の軍人と政治家といわゆるエスタブリッシュメントでしかないわけだけど。。

次のタイミングはスターリングラードでドイツ軍が敗北を喫して、ここから盛り返すシナリオはほぼ絶望的だとの観測が優位になり、1943年春北アフリカでもドイツ軍は勝てないことが決定的になったあたり。つまり、1943年前半までに枢軸国にはすでに勝ちのシナリオはなくなったも同然だったので、ここでまとめるというのも一つの案でしょう。

で、だからこそ、1943年11月にカイロで会談が行われ、いわゆるカイロ宣言なるものが出てくる。

この会談以前に敗北を認めて停戦を求めていたら、など思ってみたりもする。というか、ドイツは大量の人間を動かしてロシア深くまで入っているという時点で、そこからどうやって下がってくるかが大きな問題だったわけだけど(当然だが、ドイツ軍支配地域が解かれるって話なので、ドイツ軍は仕返しされるにきまってる)、日本の場合大陸はそこまで混乱してないんだから、海軍の短期決戦シナリオがダメになった時点で、勝利シナリオは破たんや、と判断して大陸からの順次撤退を条件に降参しちゃうっていうシナリオは合理的だっただろう。

これだったら、嫌いな嫌いな、あるいは恐れていたソ連はスターリングラード以降の追撃にかかりきりなので極東での大規模行動は不可能。(極東ソ連軍はいることはいたけど)

問題は、ドイツへの義理立てということなんだろうか? そんなバカなという気もするが、でも確か昭和天皇は戦後そんなことをおっしゃっていたと思う。ただ、先帝の戦後のご発言は額面通りは受け取れないことも多いと私は思うが。

で、ともあれそうこうするうちに1945年となり、ドイツ軍は遅くとも1.5年前からわかっていた通りに降伏した(日本への義理立てなんて考えてないよー)。

このあたり、1945年初頭というのもあり得るタイミングだったような気もする。つまりドイツとほぼ同時の終戦というシナリオ。

結局こうやって並べて考えると、日本はいったいどういう想定で戦争に入ったのかがわからないだけでなく、なぜ自ら進んで停戦を選択していないのか、ここもよくわからない。

この戦争の推移をできるだけ感情を抑え、個人としての悔しさを無視して外から見ようとすると、自分の国のことではあるけど、この国の支配者層の考えていることはわからんよな、という考えに至る。これが結構辛い。


 

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