先週発表になった通り、プーチン大統領はフランスを訪問し、マクロン大統領と会談し、ピョートル大帝のフランス訪問300周年記念の催しにでかけていた。
マクロン大統領、プーチン大統領に仏露関係の改善呼び掛け-初会談
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-05-30/OQR0MP6JTSE901
関係改善呼びかけとかいっても、別に何かフランスの側に提案があるわけでもなさそうだし、ロシアも別に何か譲るところがあるわけでもないから、とりあえずお話する機会を得たというのがこのイベントだったんじゃないですかね。招待したのはフランスですが。
マクロンの調子は、ウクライナはロシアの侵攻、シリアでは我々の勝利がどうしたこうした、って感じなので、ネオコンと言ってることはまったく変わらない。
でもって、誰しも思うのは、プーチンとマクロンというより、プーチンとロスチャイルドなわけだから、つまり、このトーンで西側は進みますということなんでしょうね。
で、そのロスチャイルドのマウスピースを担当するマクロンは、いやぁ、なんかこう、勝手に自分だけエライと思ってる少年のような感じでちょっと苦笑してしまった。ベルサイユという豪華なところが舞台だから余計に、絶対王政の君主のつもりでいるよな、って感じもした。まぁ世界の大金持ちの代理人になったんだから万能感はあるでしょうね。君主というよりだから勝手に尊大な気分になってる君主の孫みたいものか(息子というのは多くの場合創業者の苦労を知っているので尊大でなかったりする)。
率直にいって、きれいなオバマってな感じの役割かと思う。オバマも金融屋がつけた人だから同じ系統でしょうね。一方的に上から目線でああだこうだいって、まったく対話する気はないというタイプ。
ということなので、これが西側のカバーとなって、後ろで、例えばロシアを欧州がひっぱり、中国を日本がひっぱる、みたいな感じで亀裂を生み出そうとしているんじゃないでしょうか。軟化路線を取ってるつもり。
そういえば、昨日は、中国の国務委員の人が来日して、日本の谷内さんと会談していた。
日中首脳会談へ調整 谷内氏、楊国務委員と5時間協議
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H7H_Z20C17A5PP8000/
フランスにプーチンを呼んだのは、フランス政府が招待し、楊国務委員の訪日は日本が招待した、というのは偶然かもしれないし、偶然でもないのかもしれない、って感じ。
多分、日本の方は、岸田さんを出して、両方ともソフトってか、ロスチャイルドってか、リベラルってかの路線になるのかもしれない。
■ オマケの感想戦
でさ。マクロン見てて思うけど、これが西側リベラル勢力の精一杯なわけ?と思うと、物悲しいものがある。結局、ロスチャイルド流のステルス支配って、自分たちの言うことを聞かせることが第一だから、国民と一体になった大物というのは出せない仕組みなんだわなぁとあらためて思った。
だからこそ、メディアが活躍して、素敵、素晴らしい、クリーン、といったイメージで囲っていくしかない、となるんでしょう。
多くの選挙民から絶大な支持を得てるプーチンなんかとは実は全く逆の何か。人々の匂いがしない「リベラル」、上から「リベラル」教徒になれと押し付けられている感じ。
今年の「不滅の連隊」の写真。著しく泥臭いわけだけど、でもこれが本当の民衆の力ってやつなわけでしょ。だから弱い政権は多人数の国民を外に出すなんてことはできない。
なんてか、西欧州って結局またまた寡頭支配に戻ったんだなぁとか思うわけですよ。リベラルという概念を振り回した果てにEUという寡頭支配構造におさまってる、って感じ。150年かそこらで一回転しちゃったな、と。
と、なんとなく日本も同じ流れで考えたくなる人がいるかもしれないが、しかし、日本は実は一回転していない。まだず~っと日本の枠組みの中。まだ一回も社会正義志向のリベラル勢力ってのを真面目に考えたことがない。つか、そもそも、人権なんて言う奴は左翼、みたいな考えがマジで社会のど真ん中にいる始末ですから。
だから、西欧州の流れと同じように日本を考えるのは表層的にはあっているのだが、本質的にはまったくの誤り。
しかしさしもの日本の支配者層も、他国に物申す際には、人権や法の支配こそ我らが守るべき価値です、とか言う。が、国内を見れば、そんなこと言う奴は左翼だとか、基本的人権、平和主義、国民主権を根絶することこそ自主独立だとか言ってるおじさんたちがわんさかいる。
この「こそこそ主義」をどこまでやっていけるのかというのは日本の今後の課題なんでしょうね。といって私は別に西欧州産のリベラルデモクラシーをそのまま受け入れろと言っているわけではないです。嫌なら嫌でいい。が、近世農村社会的に人々が生きてるわけじゃないんだから、ある程度個人の自由とかプライバシーとかを考慮する必要性があるわけで、そのためのツールとして現在世界中で多用され実証されているような仕掛けでもあるhuman rightsを除外して、何か私らにあるんですか?というのが問題なだけ。
おおざっぱにいえば、西欧州の方は、おそらくEU帝国支配を受け入れて、その中で妥協的に概ね食っていければそれでよし、だいたいの権利が認められればそれでよし、になっていくんだと思います。だってそもそもそういう歴史ですし。
アメリカというのはそこから飛び出た人たちだから主権に拘る、貴族層の臣民になんかなってられるか、という考えがファウンデーションにあるから(彼らは、その意味で、確かに、そもそも左翼といえば左翼なんですよ)もっと徹底した考え方になるかもね。
そして、ロシア、中国、イランなんかは、他の文明の帝国に接収されるいわれも、従ってやる義理もないので、このまま主権の保持に一生懸命になって、国内の統治方法はそれぞれ考えればよしになるでしょう。
というわけで、balance of power的な世界がここにある、って感じかしら。
だから、現在私たちが見ているのは、むしろ西欧州の伸長が止まった、限られた、境界が見えた、ってことなのかもなぁとか思ってみたりもする。西欧州の普遍願望が止まった、って感じ。
で、この普遍願望とはカトリックというよりイエズス会のそれでもあり、そして、世界中をリベラル民主主義にするというトロキスト/ネオコンのことでもある、とか言ってみたいものがある。だってみんな似てるんだもの。
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問題は、これらの理念が強欲資本主義の大義名分と化し、1%の幇間セレブのアクセサリーに成り下がってしまったことです。
例えば、フィリピン。麻薬戦争中の彼の国の大統領を人権を盾に非難することは是か非か。無法状態だったところに法の秩序をもたらそうと本気で取り組んでいる政権を「人権」の名の下、もとの無法状態に戻すことは如何なるものか。麻薬戦争に倦み疲れた国民は圧倒的に大統領を指示しているわけです。
リベラルと似非リベラル、崇高な理念としての人権、民主主義と方便としてのそれを混同してはいけないと思います。
民主主義、人権、科学性は親の仇と言っておきながら、某国の金魚のフンみたいな連中はナショナリストでもなんでもないと思います。