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BRICSサミット・エルドアンもいた

2018-07-27 13:32:00 | アジア情勢複雑怪奇

ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカの頭文字を取ったいわゆるBRICSなる集団は、最初は投資対象国集団としての、いってみれば食われる対象グループのようなものだったが、それを逆手にとったのか、2009年からは経済協力の団体として主権国家の集合体のようなことになった。今年で10回目のサミット。

BRICS首脳会議で共同宣言を採択

https://jp.sputniknews.com/politics/201807265164832/

 

まぁこのへんが西側の主要なトーンとして取り上げられている気がする。

中国主席、一国主義への対抗呼び掛け BRICS首脳会議開幕

https://jp.reuters.com/article/cn-brics-idJPKBN1KF2Q3

グローバリストの極東代理人日経によれば

BRICS首脳会議、米保護主義に反発 アフリカ諸国・トルコも参加し協調探る

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3342437026072018EAF000/

(前略)

 貿易摩擦が強まれば、先進国に比べて経済基盤が脆弱な新興国が受ける影響は大きい。26日に首脳会議、27日にはエチオピアやアンゴラなどアフリカ諸国や他の新興国を交えた拡大会合を開催する。トルコのエルドアン大統領らも出席。BRICSは米国への対抗軸の形成を探る

 BRICSは欧米主導の秩序への対抗軸を目指して、2009年にロシアで初めて首脳会議を開催。現在はブラジル、ロシア、インド、中国、南アで構成し、世界の国内総生産(GDP)の20%ほどを占める。世界経済のけん引役として期待されたが、成長鈍化で存在感が低下。一体感も薄れていたが、トランプ政権の保護主義的な姿勢が、BRICSの構成国の連携を促した形だ。

 

面白いよね。一体感が薄れた、ってBRICSに前向きだったブラジルの大統領を蹴り落して、南アフリカにも手を入れてなんとかして崩そうとしたのだが、中国、ロシアが協調体制を強めたので、まだ崩せてませんと正直に言えよ、って感じ。

あと、新興国が打撃を受けるっていうけど、新興国が打撃を受けるのは貿易というより、通貨崩しの方が大きい。これを一手にやってるのがグローバリストでしょ。だから、通貨崩しを防止するための策が取られつつあるってところも今日の焦点の一つだと思う。

 

で、BRICSまたは上海条約機構側としては、

BRICS各国は、国連、G20、WTOの枠組みに基づく多角的な貿易システムを保護するべきだ、

The BRICS countries — Brazil, Russia, India, China and South Africa — should safeguard the multilateral trading system under the framework of the United Nations, the G20 and the World Trade Organization, Xi said.

http://en.people.cn/n3/2018/0727/c90000-9485250.html

 

といった枠組みの確認が続いている。グローバリスト日経にとってはこっちの方がずっと重要なんじゃないの? 

だって、これが何に対置されているかというと、自由貿易だのへちまだのと言いながら、実際にはステルスの帝国支配をしている西側諸国優位の仕組みでしょう。

西側諸国の言って来たことは嘘だらけなんですよ、実際。ステルスの帝国支配の中で、保護すべき対象になった国(つまり属州)とそうでない国を分けて、そうでないところを集団でいじめようとするのがデフォ。この試みにすべての国際機関が使われすぎている。

そして基本的に守ろうとしているのがこれ。これは世界の米軍の地図とあるけど、米というよりNATOと日本周辺の極東NATOで世界を恫喝する仕組みというべきでしょう。これが戦後体制なるもの。

 

 

それに対してBRICS勢、またはいうところの新興勢力(しかし1000年単位で見るならむしろ古豪だが)は、各国同志の話し合いと、国連、G20、WTOという会議の枠組みで決着するようにしよう、と言ってるわけでしょ。

西側主流メディアが主導して各国の代表者さえよくわかってないところで決めてしまう決着ではなく(つまりTPP式ではなく)、各国の代表者が本当に話し合いながらやることにしましょー、と攻めよられている恰好だとも言えますね。

このあたり、実は1945年に国際連合を作った時のコアの目的は実際こんな感じだったんだとも言えるとしばしば思う。国連って最初から米・ソ連・チャイナの3極中心の多極の設計だし。

それをひっくり返したのが、やっぱりダレス兄弟であり、それを引き継いだのが狂人ブレインスキーあたりと考えると話があうのかなと思う。で、この設計が危機に陥っているという感じはますます濃厚といっていいと思うな。

ダレス兄弟の半世紀

 

というわけで、習さんとプーチン。この2国の協力関係こそユーラシア安定の要。その始まりは2国間の国境問題解決で、実体化としてのSCO創設。BRICSはその経済編とみれば着々とやってきましたというのがよくわかる。

http://en.people.cn/n3/2018/0727/c90000-9485313.html

 

 

と、それはともかく、今回はこのBRICSの会合に、トルコのエルドアン大統領が来ていた。習さん、プーチン等々とそれぞれ会談していた。

Meeting with President of Turkey Recep Tayyip Erdogan

http://en.kremlin.ru/events/president/news/58110

 

ロシア、トルコ間は順調に経済関係が大きくなっている。トルコストリームもあるし。

また、それに伴い、ロシアからトルコへの観光客の大幅増などもあり二国間の民間交流も良い感じらしい。というか、そもそも国同士としてはNATO対ソ連となっていたかもしれないが、民間人同士はなんのかんのと付き合いが古いので、そんなに悪い関係ではない。

少なくとも、日本人が、トルコ人はロシア帝国を恨み、ソ連を嫌い、とか教わってるような関係は実はない。これは、日本とトルコは同じなのだと思わせるための、アングロ・シオニストの策略でしょう。日本とイランが親しいという話も、三極委員会的世界支配層の思惑による結び方ありきだと思うな。

 

いろいろあったがともあれ、イランもトルコも、ロシアが踏ん張ってくれたおかげで、西側の汚れ仕事から解放されつつあるわけで、大変結構な関係じゃないの。特に、トルコはNATO軍基地を置かれたおかげで、周辺の親戚かもしれなイスラム系の人間を殺すための準備の地扱いされてきたわけで、それがなくなるのはトルコ人にとって良いこととしか言えないでしょう。

ロシアとイランが、カスピ海は俺らの海であるという宣言をしたように、トルコとロシアも沿岸国を誘ってそういうフォーラムでも組めばいいと思う。

趣旨は何かというと、アングロシオニスト(カバーとしてのNATO)をこの海域から追い出すこと。これこそ平和への一歩と言うべき。

 

■ オマケ

だからこそ、日本はNATOに絡まれてるんだよなぁとか思うと嘆かわしい。この不幸の種をまくアングロ・シオニスト体制護持派がNATOを通じて日本の上空、周辺海域をわが物顔で使いまくる可能性は日々増大している。

これをアホなネトウヨは、対中国と読んで正当化する。愚の骨頂。

 

■ オマケ2

去年のBRICSサミットは9月で、北朝鮮問題の影にかくれてあまり扱われていなかった。

「対話の時ではない」&「イラン・ディールでしょ」

 


 


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