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アメリカの自前のメディアをなどと言い出すトランプ

2018-11-28 01:20:40 | 太平洋情勢乱雑怪奇

入管法改正という事実上の移民政策の一環を中身もなく決めちゃう国会というのも、なんというかもうバンデラ主義者とかイスラム国とかと同じ奴らだなって感じですね。つまり、考えることもなく目先の利益で動いちゃってまるで平気。

そんな中、トランプはなかなか興味深いことを言っている。

現地時間11月27日分のツィート。

ざっと訳すと、

CNNは米国ではたいした評価を得てない。でも米国外ではほとんど競合するものがない。CNNは世界中で米国をアンフェアで間違ったやり方で描くパワフルな影響力を持っている。

何かしなければならない。例えば米国が世界に俺たちはグレートだと示せるようなワールドワイドのネットワークを始める可能性など。

 

 

これは、最高に危険な意味としては、米国が世界中の言論を統括するという恐ろしいことにもなり得る。

しかし、単に国営メディアを作るという意味かもしれない。

それでもしかし、それがBBCと同様なものであれば、同じように世界中の言論を統括する話になってしまうかもしれない。

が、それでもそれでも、現行の、民間であることを最大限に利用して、勝手気ままにニュースのストーリーを作ってしまう民間の強力ネットワークへの挑戦という意味ともとれる。

ぶっちゃけ、先行者であるイギリス系の情報ネットワークが世界を仕切ってる、この状況へのアンチともとれる。ロイターなんか昔イラン一国をせしめようとしたビジネスマンの後継。

でもってthe Economistだってクリミア戦争の少し前あたりの発刊で、要するにみんなグローバルにイギリス型の資本主義、近代主義、the West偏重を布教するためのツールだった。Timesは保守派イギリス人の新聞。Telegraphはシティー周辺のゴシップが載る新聞、みたいなすみ分け。

第二次世界大戦後、アメリカが世界の主みたいに振る舞うにあたっては、今度は、ワシントンポスト、NYTあたりが国務省、CIAとまったく同じ村の住民たちによってつくられていく。

主流メディアと世界支配は手を携えた関係であって、ジャーナリズムは統治権力を批判するべき存在だ、などというのはまったくのおとぎ話にすぎない

むしろ、そういう機構から漏れた、いられなくなった人たちこそがジャーナルを主体とする言論を支える人々、すなわちジャーナリストというべきでしょう。そしてその記事が立派であれば主流メディアは場合によってはそれを載せる度量もあった、と。そういう時代ももうとっくになくなってる。

今のニュースを見ても、この主流メディアネットワークは、勝手にアジェンダを仕込んで冷戦を作ろうとバカみたいななりふり構わぬ行動をし続けてる。ロシアの周辺の話などはほとんどすべてこの主流ネットワークが嘘ばっかり書いて事件を作ったようなもの。それが故に世界はまったく無駄な戦争をさせられている。シリアやリビア、ウクライナで死んだ人はこれらメディアを相手に訴訟してもいいぐらいだ。

 

そういえば、トランプ政権の出だしで躓いたマイケル・フリン中将は、CNNのインタビューで、ロシアRTを国営だ、国営だというけど、じゃあCNNは何だ、とか言っていたことがあった。

この時のワシントンポストの記事の文脈では、要するに、CNNは軍にくっついて取材して軍の広報誌みたいになってる状況を軍の情報機関の長だったフリンは十二分に知ってるからそう言っているんだろうな、という感じだったが、いずれにせよ、RTを敵視せずCNNみたいなもの、と言った珍しい高官だった。

トランプ、ホントにフリンを起用するらしい

 

また、こんなことも書いたことがあった。

前にも書いたけど、現スプートニク(元ロシアの声)の編集者だったバビーチさんという人は、世界中のメディアの85%は the West のコントロール下にあるとソ連はみなしていた、とRTの討論番組で言っていた。で、現在はそれが 90%ぐらいまで高まっているとロシアは考えているようだった。(一極化は進んでいるわけですよ)

その後、RTというほんの小さなインターネットとケーブルを利用したメディアがこれだけアメリカの支配層から忌み嫌われ、ほとんど騒動にまでなっているのは、RTはよくやっているということだ、とプーチンが語っていた。これは、上のメディア占有率などを考えた上での発言なんだろうなと思った。

プラウダ&アメリカン・プラウダ

 

ということを背景に読むと、トランプの表明は主流メディアを牛耳って政策を勝手にしてるようなものである彼らに対する(再度、再再度の)敵対宣言とも言えるんじゃないですかね。

ただ、この人は言うだけ言うけど、今のところほとんど何も成果を上げられておらず、現実に平和や落着に結びついたものは何もない状況なので、その点では今後、クリントン夫の政権がそうであったように過激な侵略スタイルにならないとも限らない怖さがある。

やたらにトランプを持ち上げる勢力は、クリントン夫の時代を平和の配当の続きのように描いた勢力となんら変わらないということになるかもしれない。

であれば、この西側内の混乱を利用して、引き返せないほどにユーラシア側が安定していくこと以外に、無駄で無益なステルス帝国主義戦争がなくなる道はない。

しかし、もしそういう成り行きで世界が今のような狂った様でなくなるとしたら、その時のアメリカはまったくグレートではない。

それでいいのだろうか? アメリカは恥ずべき侵略者の巣のまま、大きいけど狡い国、大きいけど狂った国みたいな未来に進むのか? 具体的な一つとしては、アルカイダと共に歩む21世紀でいいのか??ってことになりますね。そうはなりたくないという民意がどれだけあるのか、あるとしてそれが反映できるのかってのがアメリカ人が抱えている本当の問題ですね。

 


 


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2 コメント

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トランプツィートとルーズベルトラジオ (ローレライ)
2018-11-28 07:40:30
トランプツィートとルーズベルトラジオはフェイクメディアをバイパスする試みで、トランプがFDRを意識してる事が分かる。
返信する
わかりやすい話 (ブログ主)
2018-11-28 13:45:12
ローレライさん、

冷静に考えれば、実にまったくわかりやすい話なんですよね。ナラティブ管理をしちゃうステルス帝国に抗するのなら別のメディアを使うしかない。

アメリカ国民は結構な数事情が呑み込めてきたと思いますが、日本はなぁ・・・既存ジャーナリズムに期待どころか、自民党が自ずから確変することを想定しているんだから驚く。
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