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反知性主義より性質が悪いと思う

2016-02-29 21:24:08 | 太平洋情勢乱雑怪奇

ほんとにウチの政府の現在の政権は、何を言い出すのかと思えば、民主党と共産党の連携を「民共合作」としてなんかへんな感じでネグったらしい。

野党連携は「民共合作」=自民・茂木氏

http://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20160228-00000044-jij-pol&s=lost_points&o=desc&t=t&p=6


まぁ、直接的な反応としては、「自公合作」はなんだよ、だし、その前に「自社合作」ってのもあったよなと誰でもそう思うでしょう。

で、これを Everyone says I love youさんが詳しく取り上げてらして、反知性主義と結びつけてらした。

自民党の茂木選対委員長が野党共闘について「民共合作だ」。やはり安倍政権は大日本帝国だったのですか。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/58497fef224cd5caf46ffc0d1e8721d4

 

しかしですね、私はこの人たちは「反知性主義」なんていう代物じゃなくて、単なるタコツボ史観に生きる人々、つまり、カルトなんだと思います、はい。もっと危険視すべき集団だと私は考えます。

なぜそう思うか。

■ シナになど負けていない

まず第一に、今回の一言が面白いのは、多くの人が指摘するように、国民党と共産党が合作したのが腹立たしいと思ってると規定するその人の立場は大日本帝国か帝国陸軍か、ってところですね。

国共合作はチャイニーズとしてのアイデンティティを持つ人にとっては、結果OKだった。

逆に、大日本帝国はこの合作に負けたんです。

それを自分だと言っちゃうこの安部自民党(昔の自民党とは違う)は、何が言いたいんでしょう、なわけですね。多くの人はそう思う。

しかし、彼らはそうは思っていないと思う。なぜなら、大日本帝国はシナになど負けていないってのが彼らの頭の中の歴史だから。

安倍自民党のコアの成員にとっては、大日本帝国が戦争で負けたのはアメリカにだけであって、シナになど負けていない、朝鮮など論外だ、なのね。

彼らには、アメリカはチャイナを支援し続けたという発想はない、または、あっても、それはアメリカの間違いだったという解釈なんです

連合して戦うという意味を一切無視しているとも言いますね。

国共合作などというものをコミンテルンの策謀で行ったから国民党は最後には負けたし、アメリカは最後には中国共産党の跋扈を許したのだ、だからアメリカの戦略は間違っていたのだ、というもの。

これはつまり、冷戦期に振りまいた「お説」でしょう。どう言おうと事実はアメリカは一貫してチャイナ側を支援していたのだし、戦後も、この「お説」にもかかわらず、対ソ連でほとんど中・米は同盟状態だった。

さらに、オバマ氏が思い出させてくれた中国とアメリカの特殊関係

でも書いたけど、ソ連との比較でみるとアメリカはチャイナをどれぐらい贔屓してるか、考えればわかるでしょう。(つまり、まぁドイツ系ユダヤ人グループが欲しいのはあくまで欧州ロシアだってことかとも思いますが)

つまり、共産主義か否かは二の次だったりするわけですね、実際には。

しかし、そんなことはみんな、これらの人々にとっては「アメリカの誤り」とか、アメリカの中にいる「コミンテルン」とかその他もろもろのショッカーみたいな悪の集団による策謀の故になる。

 

ということで、茂木氏の発言は偶然でも失言でも、「歴史を知らない」でもないんです。彼らなりの、一般人が許容してない世界観の故だと私は思います。


■ 大日本帝国は負けていない

この傾向は、去年小林節先生が日本会議についてお話になった一説ともあってますでしょ。

日本会議の人たちに共通する思いは、第二次世界大戦で負けたことを受け入れ難い、だからその前の日本に戻したい。彼らの憲法改正もそうですし-明治憲法と同じですし。

つまり、明治憲法下の世界の軍事大国、五大国、五つの大国のひとつとなってアメリカと共に世界に進軍したいという思いを共有する人々が集まっていて、かつ、
それは、自民党の中に広く根を張っていて、かつ、
よく見ると明治憲法下でエスタブリッシュメントだった人の子孫が多い、

安保法制を開けたら日本会議が見えた

 

■ 権力の中枢で妄想を垂れ流すのはやめてね

で、私はですね、こういう説はガラパゴス的に日本の中で好事家が楽しむ分にはいいと思います。私も嫌いではないんです。

しかし、こういう人たちに政府を構成してもらうのは残りの日本国民の大多数、そして将来の日本国民にとって百害あって一利なしだと私は思います。

不実、不誠実という話はおいておいても、そもそも、安全保障上よろしくない。だって、アメリカが政府として上のようなロジック(というか妄想)を正面から聞くとか、感心を持つとか、理解するとか、あり得ないから。あはは。

ということは、穏便なところでは、「へんな奴らがなんかへんなこと言ってるが、なんでもいいよ言うこと聞いてる限り」でしょうが、穏便でなくなった場合には、ダメだこりゃになってアメリカは適宜米中特殊関係的あり方でなんとかしようとする傾向を強めるでしょう。今でもそうなってますが、これをさらに強めるでしょう。

平たくいえば、日本はおバカ扱いされるっつーことですね。

 

そういうわけで、彼らを単なる物知らずと考えるのは、彼らの持つ日本国民に対する危険性を甘くみていると思います。

 


 

 

「昭和」という国家 (NHKブックス)
司馬 遼太郎
日本放送出版協会

 

「明治」という国家
司馬 遼太郎
NHK出版

 

 

 


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1 コメント

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『サンフランシスコ条約破棄派』 (ローレライ)
2016-03-01 05:31:41
『明治帝国の戦果』を『御破産』にした『サンフランシスコ条約破棄』が目標だと正直に言えないから『アメリカや中国の滅亡』をひたすら願う『呪詛史観』。
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