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9月1日にナチ後継組織が結集する模様

2019-08-31 03:08:12 | 欧州情勢複雑怪奇

1939年9月1日、ナチス体制下のドイツがポーランドに侵攻した。これに対して9月3日、イギリス、フランス、イギリスの子分のオーストラリア、ニュージーランドがドイツに宣戦布告をした。

ここから第二次世界大戦の欧州戦線が始まったといわれている。言われているが、冷静に考えればドイツとポーランドでやったらいいわけだが、そうではなくて英仏がポーランドに不用意なまでの味方をしたことが問題を作っていったと、当時も言われていたし、今も言われている。

ここの局面におけるイギリスエリートの不用意さをなじる声は、当時も現在もある。最近のものとしては、例えばアメリカで2008年に出た、パット・ブキャナンの本などが名高い。チャーチルは不必要な戦争を起こし、英帝国を潰したというのがブキャナンの結論で、この本が出た頃2008年にはグルジア戦争があったため、アメリカでは特に注目が集まった。NATOに小さい国を一杯いれてそこに引きずられてロシアと戦争して何がどうなるというんだとリアルな恐怖があった。

Churchill, Hitler, and "The Unnecessary War": How Britain Lost Its Empire and the West Lost the World
Patrick J. Buchanan
Crown Forum

 

ということなので、9月1日を戦争の始まりとするというのは、どういう問題の立て方にするかによっては論争が生まれそうな話だったりすると思うな。実際問題、国境を接してもいないイギリスがここで勝手に宣戦布告なんかしたことが、欧州全体の戦争への第一歩だしね。しかも、イギリスはまったく戦争準備ができていなかった。

 

という状況にもかかわらず、9月1日に、ワルシャワに40カ国の代表者が集めて、事件から80年となることで、なにやら記念行事をするらしい。

上で書いたようにそうでなくても問題含みなのに、出席者を巡ってさらに奇妙なものになっている。

つまり、NATO諸国と、東欧パートナーシップのメンバーとなっている国が主席するが、ロシアは招待されないという仕様。

ドイツのメルケルも参加する。

Few other major leaders are expected in the Polish capital, as French President Emmanuel Macron and German Chancellor Angela Merkel are not coming, while Russian President Vladimir Putin was not invited.

https://www.aljazeera.com/news/2019/08/trump-visit-poland-world-war-ii-anniversary-190828105759234.html

 

またかよ、という話。6月にはノルマンディー作戦の式典で、もちろんロシアは招かれず、そのかわりにメルケルがいて、イギリスのエリザベスばーちゃんがメルケルと並んでいてまるで同盟してたみたいだったと笑われていた。一体どんな戦争やねんという感じ。

主催者のポーランドは、NATOと東欧パートナーシップの国々を呼ぶ理由に、現在の仲間を呼んだみたいなことを言ってたらしい。

東欧パートナーシップの国々というのは、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モルドバ、ウクライナという、明らかに歴史的にロシアとの親密度が高く、第二次世界大戦でいえばドイツと戦った国々。

ウクライナ、ベラルーシなんかロシアの部分だろうという国なので、9月1日をドイツとここに行って一体何をどうするつもりなんだ、ベラルーシといったとことなんだが、招待されるらしい。

さらに、グダンスクでの式典にはドイツ人200人を招待するらしいが、何をどう記念するんだろう。

というか、一体何の大会なんだろう? あれか、戦後アメリカから資金をもらって作った反共集団のたっての望みを一気に達成しようということなのだろうか?

つまり、ナチは正しかった、本当の戦いはソ連とやればよかったのだ派の夢の懐メロ大会みたいになるんじゃないの?

結局、戦後の西側というのはナチの後継組織だったと、繰り返し繰り返し自分たちで主張しているというのが、奇妙奇天烈。

ポーランドはほんとに恥知らずでみっともない。ここは実のところ国とか民族というより、東欧ユダヤの集積地みたいになった15、16世紀以来、典礼だけ正教色でもOKというわけのわからないカトリック改宗によって「西側」に格上げされたかのような思い込みを擦り込まれ、ユダヤ&バチカンを含めた総称的 the Westの工作集団だった、というのがホントのところだと思う。

昔はかなり好意をもっていて3度ほど行ったことがあって、友人、知人もいたのでなるべく悪口をいいたくない気持ちがどこかにあるのだが、だんだんと歴史を紐解くにあたって、最近はポーランドと聞くだけでどうせろくでもないことしかないだろうとしか思わなくなった。

 

■ トランプ、ポーランド訪問をキャンセル

と、ひとしきり腹をたてて書いていたら、なんと、トランプは9月1日から2日にかけて予定されていたポーランド訪問をキャンセルした模様。

Trump cancels visit to Poland apparently due to Tusk’s criticism, says analyst 

https://tass.com/politics/1075779

一応理由は、ハリケーンが近いから、というもの。

しかし、それは違うでしょう。ロシアのアナリストは、EUトップのポジションにいるポーランドのドナルド・トゥスクとトランプは様々な点で意見を異にしているからと穏当なことを書いているが、しかし、よりによってこの式典をパスするというのはトゥスク一人の問題とも思われない。

ちなみに、ペンスが代理出席するそうだけど、この人はホンマもんのクリスチャンシオニストだから、ホントはソ連が悪いのだと言い出す可能性は結構ありそうな気がする(笑)。そりゃもう、夢のホントはソ連が悪かったのナチ派集会大成功じゃないですか!!

 

日本語にもあった。

トランプ米大統領、ポーランド訪問中止 ハリケーン対策に注力

https://jp.reuters.com/article/usa-trump-poland-idJPKCN1VJ2PT

 

なんのためにポーランドを訪問する予定だったのか書いてない奇妙な記事。書きたくないんだろうか?

 

トランプもやることなすことどこまでどうなんだかわからないことだらけだけど、今のところ、世界大戦問題については、ネオコン&ナチ・リベラルとは一線を画したままであるような感じは継続していると思う。

この間、こんな話もあったしね。

トランプと会ったプーチンは、来年ナチ打倒75周年なのでモスクワに来ませんかと招待し、トランプは前向きに答えたと言われている。

終わらないロシアとの戦争&「ナチ・リベラル」


どうなるんでしょう。なかなか興味深い。

トランプは、冒頭で書いたパット・ブキャナンなんかの、アメリカ帝国ではなくアメリカ共和国こそ我が理想といった人々を支持者に抱えているし、トランプを強烈に押しているシオニストグループは基本は反共だからソ連をののしることには喜びを感じるだろうが、現在のロシアは共産主義じゃないから一般に反ロシアではないので、ここでロシアを虐める話に乗ることが特別に+として働くこともなさそう。併せてみれば支持者との関係としてトランプにとってマイナスではないという勘定もあると思う。

むしろ、私としてはナチ・リベラルが何と言うんだろうというという方向に興味を持つ。

歴史修正主義を右派の専売と思ってる方、間違ってますよ。

 

 

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1 コメント

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Unknown (一見居士)
2019-09-01 10:19:02
一方でこんな報道も。ドイツとポーランド間もいろいろぎくしゃくしているようです。

·独・ポーランド、賠償で論争=侵攻80年、90兆円試算も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019083100378&g=int
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