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米露の関係改善は近い将来には予想できません by ラブロフ

2019-07-19 10:32:56 | アジア情勢複雑怪奇

アメリカのトランプが馬鹿みたいなことを言って非難決議をされていた。

国に帰れのところが取りざたされているけど、それだけでなく、女性議員たちをひっくるめて「デモ・スクワット」というあだ名をつけて、その上で、4 horsewomen of the apocalypsとかいって攻撃してたのもすごかった。黙示録の四騎士の女性版ってことにしたいらしいんだけど、どうして??と私にはピンと来ない。

‘4 horsewomen of the apocalypse’: Trump renews attack on ‘Dem Squad’ 

https://www.rt.com/usa/464377-dem-squad-trump-horsewomen-apocalypse/

 

しかし、トランプのターゲットは、4人の女性議員じゃなくて、やっぱりイルハン・オマルなのではあるまいかと思う。

トランプはこの人を、「アルカイダシンパだ」といってあざけってたらしい。共和党のアイソレーショニスト(孤立派)が中心になってる雑誌The American Conservativeのラリソンが、そういうことをいったらオマルの立場が危険なものになるのがわからないのかと批判していた。

Trump’s Hateful Lies About Ilhan Omar

https://www.theamericanconservative.com/larison/trumps-hateful-lies-about-ilhan-omar/

 要するに、イスラエルロビーに屈してますという話なんじゃなかろうか?

ではどうしてそうなるのかといえば、エプスタイン事件を忘れさせるために話題をさらった、というのもありなのかなと思う。この話は掘ったらもっと気持ち悪いものが出そうだもの。

上の記事のロシアウォッチャーたちは、エプスタイン、イラン、そしてファーウェーがイタリアに拠点を作ってアメリカの技術者が1000人ほど職を失うという話もあるんじゃない?など言っている。

さらに、もっとシビアな人たちは、既に数カ月間前から、トランプはやってる感で人を釣ってるだけ、と突き放している。安倍の存在が視野に入ってる人は日本人以外ではいないので出てこないが、要するに安倍のやってる感と同じに扱われている。

実際問題何か上手くいったことが一つでもあったのか?と考えると特にない。株価が高いというだけ。それは緩和すれば上げられるので実体経済とは何の関係もないので、当然多くの人、99%側の人たちはただ失望する。

 

■ 米露間はうまくいってません

そんな中、ロシアのラブロフ外相は、まったくプレーンに、

米露間の関係改善は近い将来には予想できません

Russian top diplomat expects no improvements in Russia-US ties in near future

https://tass.com/politics/1068932

と言ってる。

米国の行動は「予測不可能」だし、制裁はするし、意味不明な非難を飛ばしてみたり、ロシアの在米資産を差し押さえてみたり(特に領事館は抑えられたままだと思う)、ロシア人を第三国で捕まえてみたりといった懸案がありすぎます、と。

いや、マジで、現在のアメリカ政府というのは一体全体何がしたいのかわからない、何の法律にも、真実にも基づかない、他者から見るとまったく不埒なことをまったく真顔でやる人たち。

 

さらに、チャイナは、前から言ってるけど改めて、ロシアと米国間の核兵器条約の話し合いに中国が参加する理由はないです、と。

China sees no grounds for participation in Russia-US nuclear arms treaty talks 

https://tass.com/world/1068769

 

ネット界隈では、時々、米露中が話し合う方向だみたいなことを書いている人を見たりしますが、最初っから中国は、INF条約でも核でも、米露の話し合いに中国が参加の予定はないという態度をはっきりさせている。

 

核といえば、ロシア外務省は、米国は米国の核を欧州の数カ国に置いているそうだが、自分んちだけにしなさいね、ロシアはそうしています、と呼びかけている。

Russia calls on US to store nuclear weapons only on its own territory — diplomat

https://tass.com/world/1069119

 

これ面白いね。これが要するにアメリカが使ってた1つのトリックでしょ。ソ連は核を沢山持っているぅうう、とか言うけどアメリカは英、仏という絶対離れない分身に核を持たせ、次にはドイツやトルコに核兵器を置き、冷戦時代には沖縄にも置き、実のところ全球的にロシアを核で脅してたし、今もいる。 

これはつまり、勝手に各国を核保有状態にしているという話。なんなんだよ、お前とロシアからクレームがつきました、と。

別の言い方をするなら、北朝鮮だのイランに難詰する前に、お前は自分が何をやっているのか理解しろ、と言われているとも言える。

 

■ テロリストは傭兵なんだよ by プーチンから4.5年

2014年の秋、バルダイ会議というロシア関係の知識人の集まりで、西側のジャーナリストからの質問に答えて、プーチンは、あんたたちテロリストと言っているけど、それって要するに西側の傭兵なんだよ、という爆弾発言をした。

これこれ。今見たら、1300万ビューを数えていた。

Putin Tells Everyone Exactly Who Created ISIS

 

それから4.5年経った。

2年前の記事はこれ。

テロリストは傭兵なんだよ by プーチンから2.5年

 

上の動画を視聴した最大手は、どう考えてもアメリカ人だろうと思う。最初の1年間、しばしばチェックしていたけど、アメリカ人たちがリンクしまくっていって、急速にビューが伸びたのが非常によくわかった。

そして、そうなんだな、アルカイダとはそんなものなんだというアイデアが与えられて、はじめて、今まで合点がいかなかったことがすっかり解けた、みたいになった人たちが多数。誰が考えても、世界最強というより世界一高価な軍を持つアメリカとお金持ち諸国を束にしても戦う「テロリスト」ってどしてそんなに資金続くの? なわけですよ(笑)。

さらにいえば、アメリカはあらゆる物品の輸出入の販売にテロ支援国家への禁止条項などがあるわけで、そこをかいくぐってここまで生きていけるって何それ?なわけで、よく考えると爆笑もの。

こんな状況を前に、こぶしを振り上げて、「テロとの戦い」だ、うぉおおおお、とかつい何年か前までやってたアメリカって、今考えると世の中集団で詐欺にあっていたようなもの。この詐欺で命を落とした人、手足を失った人、長い間愛着を持って暮らした故郷を離れなければならなかった人たちは、本当にまったく気の毒。一体全体なんなのこれ、と誰しも思う。

 

ということなので、このような、田中宇さんの言うような発想というのは、実にまったく、アメリカ様がすべてのイニシアティブを取っているかのような書き換えに過ぎないことがよくわかると私は思う。

非米化した中国は必然的に、今後のアフガニスタンを安定と経済発展に誘導する主導役になっていく。トランプが今後進めそうなアフガン撤兵は、まさに習近平を助ける策になっている。習近平は、米国が手を引いた後のアフガニスタン(やパキスタンやイラン、中東など)の安定と成長を引き受けることで、トランプの覇権放棄策を助けている。トランプと中国(やロシア、イラン)は、敵対しているように見せかけて、裏でこっそり連携して多極化を進めている。

https://tanakanews.com/190708eurasia.htm

 

中露は、トランプの覇権放棄策を助けているのではなくて、アフガニスタンの人々に正常な状態を作って、もって自分たちにとっても正常な状態に戻そうとしている。

その過程で、基地外のアメリカをわざわざ基地外と呼んでみても要らない騒ぎになるだけなので、乗ってない、というのがより適切な観察ではないかと私は思う。(あと、ロシアの場合なんかは罪の認識は自己が行わなければ意味がないという道徳の故という部分も多少影響しているとも思う。)

なぜなら、アメリカ覇権の一つの大きな武器は、世界のメディアアウトレット(媒体)の85%だったか90%をコントロールしていると考えられる、その思考統制言論統制だから。

つまり、ウクライナの時を思い起こせばわかる通り、どれだけ嘘でも、ホントであるかのように舞台を設定できちゃうのがアメリカ覇権なわけですよ。だからそこに抗議をしてぶん殴りあいをするというのは、実に不毛。必要最小限にしか秘密の開示は行わないのが吉。消費されちゃうだけだから。

そんなことならわかる人にだけわかればいいと中国は自前のメディアネットワークを作った、と。ロシアもロシア語を強みにして、ロシア語圏内での確認を主軸にしているという感じだと思う(ロシア国民は1.5億人程度だがロシア語話者はその倍近くいる)。

 

トランプが登場したのは、世間を騒がせた「テロリスト」とは何なのかについて、多くの人が、あ~、っと納得した後。だから、私は何度も、トランプにできることは敗戦処理で、やってることもそうならざるを得ないだろうと思って見てるわけですが、田中宇などは、トランプのイニシアティブによる覇権放棄だと描くわけですね。お好きにされたらいいと思いますが。

多分ね、アメリカの動きのうちのいくつかは、チェスでいうツークツワンクなんじゃないかと思うんですよね。つまり、パスできない局面で、そこに打ちたいわけじゃないけど打たないわけにはいかないから駒置いてる、みたいな恰好で動かされてる。

 

■ オマケ

書きながら、それで一体なぜラブロフは、米露間は上手くいってないというロシア人なら誰でも知っていることをわざわざ言ったんだろう。

これはつまり、偽のデタントを警戒しているのではあるまいか。自分の状況が不利になると調和だのデタントを言うが、その間を使ってまた何か仕掛けてくる、と。うっかり停戦するとその間に態勢を立て直してまた出てくる、ってのはシリア戦でさんざんありましたね。あと、それはつまりソ連の崩壊にもその要素は非常に大きく関連しているとロシアのエリートは認識しているとも思う。

何一つ解決していないし、イギリスをはじめとして、次から次から言いがかりをつけてメディアが書いて、諜報が事件作ってロシアが悪いで「規定事実化する」という行動様式を止める気配は一切ない。

まずはこの世界戦略軍と、世界中の主要国のメディアが明らかに連携しっぱなしに連携している状態が多少なりとも解消されなければ、各国民の自由な発想が活かされているとはまったく言えない。

 


 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (私は黙らない 改め セコイアの娘)
2019-07-20 06:36:21
反ユダヤは良くない。が、反イスラエルの何が悪い。アメリカ有権者の代表であるオマルが どうしてイスラエル国民に謝らなきゃいけない。
トランプ政権が真剣にエプスタインの真相を暴く事はない。
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Unknown (ローレライ)
2019-07-20 13:36:01
西側忖度メディアと安倍忖度メディアのパラレル性!
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オマルいじめは怖い (ブログ主)
2019-07-20 18:10:13
セコイアの娘さん、

オマルぐらいかし勇気のある議員がいないってどうなってるのよ、って感じ。

トランプ支持派も無様だけど、ペロシも無様。イスラエル問題こそアメリカのガンってのが見えすぎて醜悪極まってる。

オマルを迎えたミネソタの人たちの元気と勇気を称えたい。
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