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ロヒンジャ、同胞団、脱ムジャヒディーン計画

2017-09-07 12:14:47 | アジア情勢複雑怪奇

シリアはデリゾールを奪還し、ISは東部の拠点を落とした。これでISが残っているのはイラク側のごく一部いった形になった。ISとしてはもうひっくり返せない。一応、今のところ。また名前を変えて出てくるかもしれないが。

というところで、ミャンマーでもムスリム問題で、なんか報道のノリが新たなシリアか?といった趣だったので心配。難民が、避難民がというところにフォーカスを置くと気の毒な話になるが、しかし、そもそも「救世軍」とかいう武装組織が現地の警察署30カ所を襲撃したことから、政府側が反応した、という成り行きから見ると、まずもって焦点はこういう人たちが主体である必要があるんじゃまいか。やっぱりなんか報道ベースがシリア臭い。

Russian embassy in Myanmar warns about possible terror attacks

http://tass.com/politics/964125

TASS通信の写真の記事についてた写真ですが、ISはトヨタで、ロヒンジャ救世軍はいすゞらしい。インド方面(バングラディシュだが)から来てるから?

 

ただ、スーチー氏をアサドにはできないのでそこは少し安心。しかし、アサドもスーチーも、いってみればイギリス保護下の人間だったわけで、この一致はなんだろうとちょっと不思議に思う。

で、またトルコもここに顔を出す。

スーチーからは、トルコの副首相が偽ニュース流してる、との言。

ロヒンギャで「偽ニュース」=スー・チー氏が反論-ミャンマー

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090601039&g=int

 その上でスー・チー氏は、ロヒンギャの遺体とされる写真をトルコの副首相がツイッターに投稿したことに言及し、ミャンマー以外の場所で撮影された「フェイクニュース」だったと指摘。「テロリスト」の利益を推進する目的で流された偽情報の「巨大な氷山の一角」だと強調した。

 

エルドアンは、イスラムの虐殺に国際社会は無関心だ、なんてことだと訴えている。

スー・チー氏に懸念表明=ロヒンギャ問題で電話会談-トルコ大統領

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090501146&g=int

 

このニュースだとおとなしいけど、トルコ国内のニュースは扇情的らしい。まぁだいたいそうなわけだが。

さらに、ロシアも、チェチェンのカディロフがムスリム側に立ってるというので、ロシア国内がまたかよ、といった趣らしい。モスクワでもムスリムの集会があったというのでニュースになっていたが、草の根系によれば(つか、ロシア国内のロシア人のジャーナリストの人のサイトで見たんだが)、集まってるのはカディロフの人たちで、不規則にざーっと集まってきたものではない模様。

 

で、プーチンは、この件に関しては、エジプトのシシ大統領と共同で声明を出し、ロシア国民には、落ち着け、大丈夫だから、と発言し、カディロフの政府の行動とは異なる行動も咎めてない。

Russian, Egyptian presidents condemn violence in Myanmar — Kremlin

http://tass.com/politics/963617

 

声明は、暴力を非難すると共に、当局者(ミャンマー政府)は速やかに事態をアンダーコントロールにしろ、という文があった。これって大事。加熱報道にほだされて、治安当局の手をこまねくところから大崩れする、というのは内戦でよくあることだし、思えば、2014年のウクライナクーデターがまさにそれ。治安の維持ってスキルが要る。

ということで、ある意味、2人の強い大統領からの当局者への支援表明みたいなものだったかも。

 

で、そんなこんなを考えると、方向性としてはどうしても、スンニ派というか、ムスリム同胞団というか、といったあたりにを思い出さないわけにはいかない。いや別にここが直接に関与という話じゃなくても、でもこの集団も表と裏はあるし、オバマ政権にはアラブの春があり、ヒラリー・クリントンの側近の一人はムスリム同胞団に係る一族の娘でサウジ育ちだという、あの悪目立ちする美貌のフーマとかいう女性だった。そしてメール事件が来る。

このヒラリーのメール事件は結局解決していない。うにゃうにゃのままで、最終的にトランプ叩き、ロシアスキャンダルの騒ぎの中で忘れら去られている。

まぁ、ムスリムを使い始めたのはアメリカというより一代前のイギリス、あるいはアングロ・シオニスト勢力あたりだと思えるので、現在の人たちだけではすまない話なんだとも思う。ブレジンスキーからでもない。そこからここまでのある種、覇権の恥部とでもいうようなものが明らかになる日は来るんでしょうか。

 

明らかになるのは後でいいから、とにかく今は、上のようないすゞのおじちゃんは別にして、混乱によって傷ついている、腹減ってる、恐ろしい思いをしているという人を助けてほしい。

と、ロシアのムスリムの人たちが、人道援助をミャンマーに届けるための募金活動をロシアでやっているそうだ。武器だけが支援じゃない、と。シリアで小麦を届け、パンを届け、薬を届け、お医者さんたちが何度も何度もシリアに派遣されていたのと同型だと思うな。

団体の名前が、「Muslims of Russia」というのだそうなので、これはきっと政府も関与してる、あるいは公認、みたいな団体なんだろうかね。

これはつまり、苦しんでいる人へのコンパッションは必要だ。しかしそれを自国、他国を問わず国家秩序の破壊、すなわちカラー革命に利用するのは間違いだ、という意味からロシアという名が限定詞のように付いているんじゃないか、などとも思える。永久革命論は放擲されたお国柄ということで(笑)。

Russian Muslims launch campaign to send humanitarian aid to Myanmar

http://tass.com/society/964140

 

でもって、テロリストなるものは傭兵だと言ったことで名高いプーチンでもあるけど、その年には、ISのイデオロギーは嘘とイスラムの曲解に基づく、とも言ってるんだよね。

Putin: Islamic State terrorists’ ideology based on lie, perversion of Islam
http://tass.ru/en/politics/823072

 

そして、その偽物を攻撃する(文字通り)と同時に、欧州屈指のでかいモスクをモスクワに建てて、エルドアンを招待してみたり、イランにロシアにとってもお宝であろうコーランの古文書を贈呈してみたりして、要するに、プーチンの取り組みの主要な部分って、脱ムジャヒディーン計画みたいなものとも言えると思う。正教の保護にも熱心ではあるにせよ。

時間はかかるだろうけど、でもこうやってみると着実に進歩していると思う。

が、しかし、逆にいえば、着実に負けている人たちがいるわけで、この人たち、あるいはそれを支援している側が「真珠湾に打って出る」みたいな恰好にならないといいなと思う。つか、打って出られても、俺はお前の傭兵じゃない、と落ち着いていられる集団になることが大事。

 

■ オマケ

ミャンマー・日本語教室さんという方のブログが、現地のことを書いてらっしゃいます。

ロヒンギャとの衝突、正しく報道してほしい

国営新聞ではその状況を逐一、非常に詳しく報道しているのですが、NHKを含めて外国メディアはぜんぜんミャンマー政府の説明を報道していません。
記者会見には出席しているのですが) ※太字は引用者
 
特におかしいと思うのは、ロヒンギャの武装組織が同じロヒンギャ民族の一般家屋に放火していることを外国メディアが報道しないことです。
 
 


といった成り行きであることが理解できる数少ないブログさんですね。リンクさせていただきます。

いやぁ、これって全く、ウクライナ、シリアと同じ成り行きですね。記者会見には西側報道陣はいっぱいいるのに(ウクライナの場合は詳細な映像もあり、現場にもいたのに)、報道が全部違うこと書いてる。報道のジハード主義化が今回も見られているようです。

 


 

 


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4 コメント

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ISビルマ版 (私は黙らない)
2017-09-07 13:46:34
宗純さんのコメントでも引用したのだけど、これ、興味深い。
「ロヒンギャとの衝突、正しく報道してほしい」
https://blogs.yahoo.co.jp/winjapn1789/28934334.html
知り合いのビルマ人、「ロヒンギャなんて、ビルマ人誰も聞いたことないぜ。バングラからの越境者なんだから、ベンガリーって呼べばいいんだよ。」とご立腹。ごもっとも。彼曰く、ARSAのリーダーはご多分に漏れずサウジ出身とか。(未確認)
ムスリムが恰好のカードになっている。重要なのは、どうして、今ビルマなのかってこと。なんとなく、旅客機が行方不明になり、正男暗殺が起きたマレーシア、アメリカとの緊張が続く北朝鮮がISビルマ版の出現とどこかでつながっているような気がしてならない。
かつて人権民主主義の女神の如く、西側が持ち上げ、平和賞まで贈呈したスーチー女史。(そういえば、アサドの美人妻は、中東のバラって呼ばれてた。)今度はその人権で非難されている。「人権」って何とまぁ使い勝手の良い言葉かと思う。インドのモディがロヒンギャ問題でスーチー氏に協力を約束している。グッドニュース。どんなに非難されても国民と領土を守れ。
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またかよ、みたいですね (ブログ主)
2017-09-07 14:21:30
私は黙らない さん、

どもども。リンク先読みました。こういう記事は一人でも多くの人に読んでもらいたい。

で、やっぱり「またかよ」みたいですね。
上の方の記事の

「ロヒンギャの武装勢力が同じ民族やその他の少数民族を手当たり次第、殺害し、家屋に放火しているため、多数のロヒンギャ民族や少数民族が隣国に避難している」

「武装勢力のアジトに、国連やUSAID(米国開発庁)が支援した食糧が大量にみつかっていることも報道していません。」

大事、大事。

本文でもリンクを活かしておきました。
返信する
『救世軍の自作自演攻撃』 (ローレライ)
2017-09-07 15:38:20
『救世軍の自作自演攻撃』とか『ウクライナナチスの手口』そのまま!スーチーさんは『シアヌーク的な無力さ』があるので『ミャンマー軍人の見せ場』である。
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日本は耐えられない (蔵権)
2017-09-10 09:36:48
そうそうシリアもロヒンギャも同じ同じ(笑)みんな同じなんですよ。

自分が注目しているのはこれ
http://colonia.jp/spz

エマ・ワトソン出してこういう映画が出てくるのは、いろんな意味で暴露タイムになってるんでしょう。

国際勝共連合
沿革
1967年
7月 山梨県上九一色村の本栖湖畔の「全国モーターボート競走会連合会」の施設に日韓両国の反共首脳が集まり、「第一回アジア反共連盟結成準備会」を開催。統一教会、文鮮明と劉孝之(ユ・ヒョウジ)、日本側は笹川良一、児玉誉士夫代理の白井為雄、市倉徳三郎らが集まり、反共団体設立に向けて会合を持つ[15]。
1968年
1月13日 韓国で「国際勝共連合」を創設。全国勝共幹部50人が、韓国を訪問し、38度線を視察。
4月1日 日本で、「国際勝共連合」を創設。統一教会の初代会長、久保木修己を会長に、笹川良一を名誉会長に。

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