所詮は他国のことだから他国人にとってはどうでもいいわけだけど、米政治の大混乱が我が事のように気になる層が日本にはいるらしい。
層ってほど実際にはいないと思いますけどね。米の一定の動向を拡散するだけの、いわばポン引きみたいな集団が主に日本の言論空間に存在するというだけの話。
で、2、3日前の記事かと思ったら今日の日付でこんな記事が出ていた。
共和党上院議員35人がトランプ弾劾に賛成か
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57772
弾劾ができそうな感じで煽ってるけど、私の感じでは米の世論はそんな感じにはなってないと思う。
世論なんか関係ない、ニューヨークタイムスが仕掛けたらそれが事実になるのだ!!という信仰者もいるだろうが、今日NYTやCNNといったいわゆるリベラルメディアは一般人に対して大きな信用はないです。
そもそも、ウクライナを問題にしてトランプを蹴落とせると考える方が馬鹿というのがボトムラインでしょう。なぜなら、ウクライナ問題は米オバマ&ヒラリー政権のスキャンダルだから。
ウクライナといえば、ビクトリア・ヌランド、とすんなり出てくる人たちは米にも英にも、そして日本にも結構な数存在する。
で、2014年の顛末を下敷きに考えられる人にとっては、まずもってオバマ政権のスキャンダルだろ、とそう考える。
米大統領弾劾騒動:2014ウクライナを思い出しておこう
しかし、上のJPressの記事の著者などは、米民主党と一緒になってウクライナに関する米民主党のスキャンダルを勝手になかったことにするから、平気で表面をなぞるだけの今の動きを解説できる。
ただそれは空手形を乱発してるみたいなプロパガンダ戦になってるわけで、あんまり分がいい用には私は思わんですね。
ということで、トランプ陣営が作った短いフィルム。
30秒弱に見えるのでTVのスポットCMだろうか?
Biden Corruption
見ればわかりますが、懐かしい、ポロシェンコ、ヤツェニックといった、オバマ政権が据え付けた、2014年のクーデターの主要人物が出てくる映像。この映像がリアル。
その上にかぶせてあるセリフは、まず
ジョー・バイデンはウクライナ検察に自分の息子の調査を止めてくれたら10億ドルやると約束した
次に、バイデンがCFRの会合で話したと言われている録音。つまりバイデンその人の声が
If the prosecutor is not fired
you're not getting the money
Well son of a b*tch
(笑い声)
He got fired
と言ってる。
もし検察官を首にしないんだったら
あんたは金をもらえない
そしたら奴は首になったわけだ
とバイデンが言ってる。ウクライナの大統領は検察官を首にしたんだよ、ということ。
普通に、脅してはりますね(笑)。
ということなので、このフィルムはなかなか上手い。そして架空の物語ではない。
しかし、他国の大統領との会話の記録は出てきちゃうし、会合の録音は出てきちゃうし、もうなんかアメリカは外交を捨ててますね。つか、もともとないわけで、アメリカがやってるのは外交という設定を使ったヤクザの交渉ってのはまぁ普通に常識。ルールはお前が守るもの、俺はフリーってのが彼らの自由ですし。
■ マフィアが長老政治をしてるようなもの
いやしかし、それでもしかし、米の現状は、こ、こ、これっていいんだろうかと嘆かわしくなるほどの壊れっぷりが続いてる。
大きな人口を抱えた大金持ちが多数いる国なわけですから(国は金がないんだが)、こういうところを捕まえて、アメリカ崩壊、アメリカ破綻とか言うのはナンセンスなんだけど、ともあれ政治的に内戦みたいになってるわけで、これがどう収束できるものなのか誰にもわからない。
そして、アメリカの現状は、出てくる奴出てくる奴、みんな人相風体が怪しくて、太ってるというより、やっぱり肉体は使い古したら崩れるわけで、その意味でブヨブヨしてる。そう、みんな年寄りで、そしてみんな何かとっても見境がないというのが非常に顕著な特徴なのが現在のアメリカ政治。
バイデン78歳、トランプ73歳
ペロシ79歳。
こんなんで、自由でございます、民主主義でございます、アメリカは偉大でございますと言われても、そりゃやっぱピンと来ない。
マフィアの長老が頂上決戦やってると考えた方がぴったりくる。
■ お口直し
お口直しに一枚。手前はベネズエラのマドゥロ大統領。つい数日前の写真。
プーチンも年とって大分崩れてはいるんだが、それがすなわち知性と慈愛の表現のようになってきてる。年を経ているからこそ理解のレンジが広がるといったところ。
There's something you can't buy with money(お金で買えないものがある)という趣でもある。
今まで散々馬鹿にしていた科学者に対して、大槻義彦が『手をついて謝れ』と怒っているが、
今回のウクライナの検事総長解任疑惑の場合も全く同じで、
先ず順番としては、マスコミとか民主党(オバマ政権)の方が、国民とかトランプに手をついて謝るべきでしょう。
ところが、話は逆さまで追及したトランプ弾劾だと騒いでいるのですから面妖な。攻撃こそ最大の防御だと言うが、破れかぶれの自爆攻撃。いくらなんでも、これでは勝てないでしょう。
国務省ウクライナ担当特別代表カートボルカー氏の辞任の電撃辞任をスクープしたのが、アリゾナ州立大学の学生記者だそうで、ボルカー氏は、同大にあるマケイン研究所の所長でもあるとのこと。ナチリベ+ネオコンのトランプ追い落とし共同プロジェクトではないでしょうか。
だいたい、米政界が、リベラルと保守で色分けされているのが混乱のもと。だから、こんな不毛なXXゲートが続く。どうせナチリベもネオコンも底では同じ水流が流れてる。だったらいっそのこと、ベネズエラ問題でも踏み絵にして、ナチリベ&ネオコン党とそれ以外に分けてしまった方が、よっぽど理にかなっている。リベラルだ、保守だって、有権者の目を欺くのはもうやめだ。
ヌーランドの旦那はあのロバート・ケーガン。