昨日から一昨日にかけて、Financial Times とNew York Timesが、
ロシアのコロナでの死亡率は嘘だ、本当は公式の70%アップなのだ、とかいう記事を書いて、
それに対してロシア当局から公式に証拠を出せと言われていた。
The Financial Times and New York Times both published articles on Monday claiming that the Covid-19 death toll in Russia could be 70 percent higher than the official figure, which now stands at 2,212 people.
https://www.rt.com/russia/488577-coronavirus-death-toll-russia-nyt/
ロシアの医療当局者と外務省が反論してたけど、
医療当局者が、証拠を出せの他に、他の大部分の国とは違って、私たちは死亡者に対して100%病理解剖をしている、したがって死因の判定とそのデータは非常に正確であるとコメントしてたのもなかなか印象的だった。
It should be underscored that the pathologoanatomic autopsy of patients with suspected coronavirus infection is performed in 100% of cases, unlike most other nations.
https://tass.com/society/1155995
そりゃロシアはこのウィルスを他のどこよりも疑っているだろうから、可能な限り徹底的にやるだろうと誰しも思う。
そして、やっぱり一部の国の感染者、死者の数値的な扱いに疑念を持ってるんだなとも思った。
それはともかく、再々書いているように、ロシアの死亡率が西欧州と比べると低いという問題は、多少の人数の増減では収まらないほどのレベルで、アジアの各国とロシアは西欧州+米より死亡率が低いという問題。
そこからBCG仮説が出てきて、多くの人が過去3カ月頭を悩ましたわけですね。
で、このFinancial Times とNew York Timesのデマ屋の2大巨頭でデマ記事書いてる人たちは、そんなことも知らないんだろうか? 興味ないんでしょう。ロシアを叩けるならなんでもいいから。
日本人としては、Financial Timesはロンドンベースではあるものの、2015年以来日本経済新聞社が100%のオーナーだという点を知っておくべき。
ロンドンベースのFTと書かれると、みんなまだ英紙だと思ってる。それを使ってアジア諸国でのプロパガンダ戦を優位に進めようとしているのが日経さん。
■ ロシア周辺に生化学のラボを置くペンタゴン
ロシアがウィルスに疑念を持っているであろうことの大きな一因は、ペンタゴンがロシア周辺の旧ソ連の各国に生化学のラボを作って、そこで何をしているのか、何の目的なのかを現地の各国住民も知らないという状態があるから。
ロシアが抗議をしているが、なしのつぶて。
で、このコロナ騒ぎの中で、4月29日、中国はロシアの懸念はもっともであると加勢にまわった。
Foreign Ministry Spokesperson Geng Shuang's Regular Press Conference on April 29, 2020
2020/04/29
https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/t1774812.shtml
“We noted the Russian foreign ministry spokesperson’s remarks and related reports. The US established multiple biological laboratories in former USSR countries but kept its mouth shut regarding the labs’ functions, purposes and safety, causing deep concerns from local people and surrounding countries. As we know, some local people strongly demand the labs be closed. We hope the US will act in a responsible manner, heed the concerns from the international community, attach importance to local people’s health and safety, and take concrete measures to eliminate the doubts.”
ロシアと中国は、日本や欧州諸国とアメリカの関係のような従属関係を「同盟」と呼ぶみたいな関係ではないから、それなりに背景が確認できて、責任をもっていけるものでなければ、簡単に同意しない。
これらのラボのうち最も懸念を呼んでいるのがグルジアにあるものらしい。
Moscow Aware of US Offer to Tbilisi to Expand Military Research in Lugar Biolab
グルジアはコーカサスからチェチェン狙いだから、ここらへんで「事件」を起こすシナリオは十分に考えられるし、西側が常にやりたいことの1つでしょう。
そして、今回も何かあったんじゃないかという気がちょっとしないでもない。
■ オマケ
トランプをはじめとしたアメリカの半分ぐらいは、多分、コロナは中国のせいというキャンペーンに乗っている。でも、他方で、最初っから、アメリカの一部にはアメリカ原因説を主張している人たちがいる。主流メディアが馬鹿を晒す中、アメリカを疑ってるグループを解散させる、おとなしくさせることは無理。
一時期、アメリカの主流メディアがこれもまたロシアと中国がフェイクニュースだと書いてみたものの、意味がなかったですね。
コロナの収束そのものも問題だけど、分裂しまくってるアメリカ国内状況もスゴイと思う。
真面目に思うんだけど、こんなんで11月に大統領選挙をするの? いや、するんだろうけど、どっちが勝とうが、メディアだけが盛り上がって国民は冷たい視線みたいなことになりそうな気がする。