自衛隊といえば昨日は一日ヘリ墜落の話でしたが、昨日は、なかなか興味深い記事もあった。
自衛隊、中国軍の若手交流再開
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26548600V00C18A2PP8000/
【北京=永井央紀】笹川平和財団の笹川陽平名誉会長は5日、北京市内で記者会見し、2012年を最後に廃止した自衛隊と中国軍の若手幹部の交流事業を再開すると発表した。笹川氏と中国の胡昌明・中央軍事委員会国際軍事協力弁公室主任が会談して合意した。4月にも中国側が第1陣を日本へ派遣する。当面、5年間継続する。
同事業は2001年に始まり、毎回約10日間、それぞれ10~20人が参加してきた。12年秋に沖縄県尖閣諸島の国有化をめぐり中国側が派遣延期を求めたことで打ち切りとなっていた。笹川氏によると事業再開の話は16年秋から本格化した。
つまり、日中間のぎくしゃくした関係を2012年当時まで戻そうと日本側が働きかけ、中国の合意を取り付けたという話ですね。それをやってるのが笹川財団なんですかと苦笑するしかない状況もあるけど。
折からフランスが中国の一帯一路構想に本格的に乗り出すと言っていたところだし、イギリスもアメリカも中国の関係を非常に重視していることをアピールしているから、日本の方向性も一緒でしょう。
その一方で彼らはロシアを孤児にしようと踏ん張ってるというところ。全体としてみれば、その試みはうまくいかないだろうと私は思ってるけど、とりあえず核戦争を持ち出して屋上屋にバカを重ねている人たちがいるのは事実。
で、日本はイージスアショアの配備を決め、それを受けてロシアが1月30日正式にエトロフに航空部隊を配備した。
ロシア航空宇宙軍の航空部隊、クリルのエトロフ島に陣地 政府の指示
https://jp.sputniknews.com/russia/201802014530323/
私がよく引用しているインド人の元外交官M.K. Bhadrakumarさん(アジアタイムスによく書いてる)は、これを受けて、
日露平和条約は遠のいた。安倍ちゃんのプーチン向けの外交は効果がなかった。ロシアは安倍が考えているほどカモ(pushover)ではなかった。日本、ロシア、中国の三国間の外交において日本は不利な立場に置かれた
と書いていた(ここ)。
基本的に私の認識もそう。ただ、外国人には見えなかっただろうが、日本はもともと日露間の平和条約なんてできると思ってなかったし、やる気もなかった。このへんの話は当時さんざん書いたので今日は省略。でも結果はBhadrakumarさんの言う通りで同じ。
全体として、日本は米中共同管理体制のままです、みたいな感じのままですが、中でだけやたらに戦意が旺盛な人がいますというところ。ここ(日本周辺の様子を眺めつつ我が方を考えてみるに・・・)で書いた通り。
なんでこんなどん詰まり(と私は思う)なのかというと、自民でも民主でも安全保障に差し障りなく行ける二大政党制を作ろうという1990年代のよくわからない決意のせいだと思う。安全保障は全範囲に及ぶので(特に貿易圏を設定する話が挟まったから余計に)、結局はすべてにおいて同じ方向を向くことにしからない。つまり、一生懸命30年かけて、大政翼賛会システムを作ったようなもの。
そしてその大政翼賛会は、総じていえば、アメリカよ永遠にという傾向がとても強かった。
ネオコンの世界制覇戦争を信じちゃった