この間、シリアのアサド大統領がモスクワを訪問した際、プーチンがイスラエルのネタニヤフとアサド大統領との間を仲介したんじゃないか、という記事がエルサレム・ポスト紙に出ていたそうだ。しかし中身にはアルジャジーラが取材源から聞いた、と書いたものも含まれている。
私が読んだのはゼロヘッジの記事。
Putin Is Mediating A Secret Deal Between Assad And Netanyahu, Bombshell Report Reveals
それによれば、ネタニヤフからの取引条件は、ゴラン高原から40キロの間に、イランの施設、アセットを置かないこと。
それに対して、アサドは、2国間の総合的な合意に含められる、ただし、イスラエルがアサドを放逐する試みをこれ以上しない場合に限る、と答えたらしい。
まぁ悪くないかもしれない。イスラエルはアサドというかアラウィー派の大統領ではなくて、イスラエルにとって都合のいい、ハンドルしやすい大統領にしたいと長年工作しているのは知られているんだから、イスラエルがこの合意に従うなどということはあり得ないだろうが(笑)、しかし、この行為の反対側にゴラン高原から40キロという条件がついたわけだから、これを守れなかったシリアにも考えがある、となる可能性もあり得る。最低限、当座落ち着くという効果はある。
とはいえ、イスラエルは、引き続きシリア領内に勝手に「反・政府」の武装グループを入れ続ける、つまり、侵略者であり続けるだろうことは誰でも知っているって感じ。そして、シリアの大統領がアサドでなくなったら終わるかというと、それも違うだろうと思う。結局、イスラエルはただの無法者。
シリアにイスラエルが勝手に入り込むなら、イランが入り込んで何が悪いんだって話だし、シリアが誰と付き合おうがお前に関係ないってだけの話なので、もう誰も真面目にこの人たちの言うことを聞かないようにするのが最良の道でしょう。
冷戦後の反イスラム、反イランの話って要するにみんなイスラエル中心主義のプロットだと思うが、これを規定路線にまでしたのは、アメリカの軍産・治安のオリガーキ集合体みたいな人たちであり、それを広めたのはアメリカの主流メディア。アメリカという総体はここを庇い続けたことから一緒に沈んだ。
冷戦後、敵がいなくなって軍・治安を縮小すればよかっただけなのに、それがしたくないばっかりにこっちに飛びついた。しかし、それはライフジャケットじゃなくて、鉛だったぜ、みたいな感じがするわ。