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緊迫イラク情勢巡り、米・イランが異例の直接協議

2014-06-18 04:03:06 | アジア情勢複雑怪奇

核問題巡りアメリカがイランと交渉
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140617/k10015272751000.html

緊迫イラク情勢巡り、米・イランが異例の直接協議
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2227405.html

イラク情勢は、つまるところ米とイランが組むことにしましたという話になるじゃなかろうか。

ぶっちゃけ中東から西南アジアの安定にとってイランは非常に重要な位置にあるんだし、アメリカはその前のイギリスの発想と同じで、イランを抑えたいという考えはずっとあったと思う。

第二次世界大戦の時にはソ連とイギリスがペルシャをがっつりつかんでしまったわけだし、その後のモサデク政権の頃の成り行きは偶然ではないでしょう。イランを宗教政権にしておいたのはアメリカじゃないのか、と私はずっと思ってます。(ジハードといい、宗教政権といい英米は対ロシア・ソ連でイスラムを使うのが仕様とも思ってる。位置的にしようがない。)

しかし、紆余曲折あって現在一般にアメリカの仲間だと信じられているのは、サウジアラビア、トルコ、カタール等のスンニ派側とイスラエル。

だもんでイランを仲間だなんて言えなかった。ところがイラクからサダム・フセインを追い出してくれた蛮勇を誇る大統領がいた(笑)。これがすべてシナリオ通りだったかどうかはいろいろまぁまた陰謀論とか出るんだろうけど、イランはずっとしめしめと思ってたとは思う。

で、今回、イランをアメリカに引き付けたいという強い動機は、イランと中国が近すぎる、その上ロシアも近い、こんなの放置できないってことじゃないかと思う。中国が一番焦ってるような気がしないでもない。

で、この余波はどうなるのか(気が早いけど)。

サウジ&ブッシュ系統の妙な仕掛けがなくなるのかな、とまず思う。思えば4月にサウジアラビアのバンダル王子が失脚した時からこの線は見えていたのかもしれない。そして、ある意味久しぶりに登場した感さえあるバンダル王子の名声(あれば)が劇的に失墜したのかといえば、昨夏のプーチンとの対話であり、これがまたインターネットを通じて劇的に広がったことじゃないのかな。ソチ・オリンピックを無事にやりたいならシリアの擁護を止めてくれとバンダル王子がプーチンを脅したとか、

チェチェンの裏にあんたらがいるのを我々は承知してるよ、10年もね

とプーチンが言ったとかなんとか。まんまゴルゴ13のようだと感激したものだった。

Bandar Bush threatens President Putin with Sochi terrorist attack
http://voiceofrussia.com/2013_08_29/Bandar-Bush-threatens-President-Putin-with-Sochi-terrorist-attack-2596/

ということは、これによって中東、西南アジア方面では、ジハード主義が減少するとかいう展開もあるのかな。そうだといいなぁ。

そういうわけで、

隠然と現れた新ペルシャ帝国
2014年6月16日   田中 宇
http://tanakanews.com/140616iraq.htm

面白いと思いました。

ISISは、名称からして「国家」を自称している。破壊のみを目的とするアルカイダとは対称的な存在だ。ISISは、すでに昨年からシリア北部のユーフラテス川沿いの人口600万人の地域を統治し、川沿いの町ラッカを「首都」にしている。そこでは、一応の行政運営が行われている。シリアのISISも、ISISというのは看板だけで、その下にはイラクから入った旧バース党勢力がいるのかもしれないが、どちらにせよ、ISISは「テロ組織」というより、スンニ派イスラム主義を掲げた国家もしくは地域の自治的な運営をめざす武装政治勢力だ。アフガニスタンのタリバンや、レバノンのヒズボラに近い民族主義団体といえる。 (The Islamic State of Iraq and Greater Syria) (The Fight for Syria's Raqqa)

アルカイダはISISが残虐だから縁を切ったように米欧マスコミで報じられているが、そうではない。アルカイダはシリアでアサド政権の打倒だけを目標にしたのに対し、ISIS(を称する連合体)は、シリア北部に自前の独立国家(自治地域)を作ることを目標にして動き、アルカイダの命令に従わなくなったので対立し、縁を切られた。ISISは創設直後の04年から昨年まで、アルカイダに忠誠を誓っていた。 (Islamic State in Iraq and the Levant From Wikipedia)

そうそう、シリアのアサド政権もISISをあんまり追わなかったような記憶がある。へんな位置の団体だった。

ISISはテロ組織なんていうものじゃなくて、プロの軍事請負人グループなんじゃないんでしょうか。だから、この組織自体が国家まで行くってな話じゃないのではなかろうか?とも思う。スポンサーの意向次第みたいな。クルド悲願の独立はありそう。

で、そうなるとイラクの領土の一体性が保たれることはなく、主権国家はある特殊なグループの意向と近隣諸国の意向によって侵害される、という結論になるかもしれないわけですね、オバマさん。私はここに拘ってます。

いずれにしても、大変なのは中東の地面の上というより、アメリカ政界かも。


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