日本というのはプロパガンダ情報の墓場のようだと前から思っている。その時々に都合のいい話があてもなく散りばめられて、それを整理する機能がまったくない。だから役立たずの情報がうず高く積み上げられたまま、多くの人は捨て去るべき情報と必要な情報の取捨選択もできず何がなんだかよくわからないままに時事を読むことになる。墓場というよりゴミ捨て場か。
とかとか思う今日この頃に、今日はまた一つ面白いものが。
トランプが習近平に親書 日米会談直前で狂った安倍シナリオ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/199291
2017年2月10日 日刊ゲンダイ
日本時間の11日に行われる安倍-トランプ会談。いまごろ、安倍首相は真っ青になっているはずだ。安倍周辺は、〈中国を共通の敵にすることで日米同盟の重要性を再確認する〉というシナリオを用意していた。通商問題も〈中国をワル者にすれば日本への批判をそらせられる〉――と計算していたという。
ところがトランプが8日、習近平主席に「親書」を送ったとホワイトハウスが発表したのだ。しかも、〈アメリカと中国の双方に恩恵を与える建設的な関係を発展させるために、習主席との協力を楽しみにしている〉と親愛を込めた内容である。中国を“共通の敵”にするという安倍周辺のシナリオは、完全に破綻した格好だ。トランプ政権は意図的に日米会談の直前に「親書」を送った可能性さえ囁かれている。
そもそも中国をアメリカと日本の共通の敵にする、という発想がどうかしているわけだけど、実のところネット上ではこれが結構当然視されているので、ゲンダイのバカ記事は結構な人にとって、やっぱりなぁ、くそぉ、アメリカ騙しやがったみたいに受け止められるのではないかと想像。
トランプは確かに中国に対しては、ロシアとの比較でいえば厳しいことを言いっぱなしに言っていたところもあるけど、別のところでは、ロシアとも中国とも付き合っていくと言っていた。China and Russia(順序はまちまち)と結構な頻度で組みにして言及する人々は今日多い。
で、これはどうしてそうなるのかといえば、要するに、現在の確定プレーヤーは、アメリカ、中国、ロシアだからでしょ?
で、準プレーヤーが、イラン、インドあたりですかね。
欧州、英連邦グループ、日本はアメリカ覇権内、って感じでしょう。(私はこれを喜んでいっているわけではありません。)
この手の地図が物語るものは多いと思う。世界の米軍基地(2002年)
米軍の基地があって対象国に米向けに出入りの穴があるということは、米軍の支配地であるわけで、そこは米にとって「他人」じゃないんですよ。
別の言い方をすれば、ロシア、中国はあきらかに米の他人。だからこそ共存しましょう、という態度が求められる。一極支配妄想とはこれを嫌って「他人」を殲滅して全部自分にしたいということ。前から言ってる通りこれは心の病の問題。
(世界中に基地を置いていつなん時でもレジームチェンジを可能な状態にスタンバイする国があるとして、これははたして「覇権」なんだろうかという疑問もある。多数の人々は従っているのではなく従わされているのだから、これは単なる恐怖政治だろう。)
ということから考えれば、日本と中国の比較というのは、問題によってはカテゴリーエラーでしょう。
さらに、「共通の敵」問題としては、確かに「他人」だから敵対的になることはあるでしょう。しかし、もう冷戦時代みたいに締め切って何から何まで敵扱いして、交際しない、ということは不可能になってるわけですね。
(冷戦時代だって実はソ連とインドは非常に密接だったし、アフガニスタンはソ連の支援で近代化したんだし、中東もソ連抜きには話はできないし、何度も書いてるけど欧州の東側のパイプラインは冷戦中にドイツとソ連が作っていったもの。というわけで、それほど封じ込められていたわけではない。日本人が勝手に自分がつきあってないから世界中が封じ込めているという印象を持っただけ。)
だから、あたかも「共通の敵」が本物であるような言論というのはすべて日本人向けの、軍事政権下の住民対策みたいなものじゃないですかね。
とか思ってたら、ウォールストリートジャーナルが、
トランプ氏の為替批判、日中「共闘」の好機か
http://jp.wsj.com/articles/SB10734999991334983926204582612774105763992
という記事を載せていた。グーグルニュースのトップにあった。
そう思えよ、ってことだろうねぇ。わははと笑ってしまう。
そりゃ為替問題でもなんでも米中が喧嘩したり、騒いだりすることはあるでしょう。武力紛争一歩手前か、まであるかもしれないでしょう。しかし、それは、付き合っているからこそ発生する問題なわけですよ。
むしろ、問題があるということが、すなわち、いずれにしても共存的だ、とさえいえる。
であればその問題を解決するためにこそ、我々は話し合うのだ、とまるでロシアのラブロフ外相とかプーチンのセリフみたいだけど、でも、結局そういうこと。
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プロパガンダはあらゆるところに潜んでいます。通常のニュース「報道」や「学者」「専門家」による、あからさまな歪曲や論点ずらしにとどまらず、バラエティ番組などエンターテイメントによるイメージ形成にも及んでいます。
一度形成された認識は変えることは難しい。私は日本人はいつか圧倒的で誤魔化しがたい現実(例えば敗戦みたいな)に遭遇して絶望的な認識転換がなされてしまうのではないかとおもいます。
いつかきっと、というのは潜在的にはハルマゲドン待望論とあまり変わらないのではありますまいか。
敗戦したんです、私たちは。しかし現実的になれなかった、そこを地道にほじくるしか手はないと私は考えます。
見たいものしか見ない、受け入れない、すべての情報が自分の都合のよいようにしか受け取れない、というフェーズだなぁって感じを私も持ってます。認知補正がかかるようになったら別の方向で考えないとダメsっしょ。
甲状腺ガンも激増してるのにサクッと
無かったことになってる。
欧米では、いろんな立場のしっかりした識者や論者が発言して発信しているからだと思います。
日本では、ふわふわした、あまりよく分かっていない人々がマスコミなどに多く露出するので、一般国民が政治意見を形成するのにかえって害になっていると思います。テレビの政治番組などを見ても、同じような意見立場の人々しか出ていないことが多く、議論が立体化せず、浅くて偏向した話に終始しており、極めて残念です。
こういう傾向は是正されるといいのですが。
なお、情報源としたのは全て韓国スパイ組織か匿名の「筋」でした。
まあ、随分 タ イ ミ ン グ よ く 弾劾騒ぎから目を逸らせそうな事件が起きてくれたもんですねえ?
匿名の筋だけで話しが構成されている時はだいたい怪しいと思って受け取っておくのが吉でしょうね。話を作るためだったらそんな筋はどこからでも手に入れられるわけですから。
今回の朝鮮の暗殺の目的は今いちわかりませんが。