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島の問題は1956年日ソ共同宣言に基づく by プーチン

2018-05-27 16:35:48 | アジア情勢複雑怪奇

昨日のスプートニク日本に、こんな記事が出てた。

プーチン大統領 何が日本との平和条約締結を促すかを語る

https://jp.sputniknews.com/politics/201805264918956/

プーチン大統領は島の問題の解決は1956年のソ日共同宣言に基づいて可能という理解を示した。同宣言ではソ連は日本との平和条約締結後に、同国に対して歯舞群島と色丹島の2島を渡すことが約されている。プーチン大統領はこの宣言の履行を一方的に拒んだのは日本の方であることを明示した。

 

前からず~っと一貫しているロシアの立場を述べたもの。やや唐突な出方だと思ったが、これはつまり、またぞろ日本の新聞がプーチンの言葉をどこかから抜き出してみたり、ねつ造してみたりして、日露関係の改善に向けて安倍首相は尽力されているのだ~みたいなことを書きだすことを見越して、先に釘を刺した格好に違いないと思った。またかよ、って感じ。

2016年、プーチン訪日を前に私はこんなことを書いていたが、同じ思いですね。

で、なんてか日本ってもう、政権だけでなくマスメディアを含めてほとんど外交的無能力者状態だなとか思う。だって、まともな国なら、既にG20、そしてマトヴィエンコ氏の来日のところで、現状では領土問題を話しあう環境にないとロシアが言ってることを率直に受け止める。

しかし、にもかかわらずまたまたペルーで、NHKはトップニュースでプーチン、プーチン、プーチンとなにか期待をもたせるようなことをしたわけです。嘘なのね、要するに。国内の政治のために外交を犠牲にしている、というか、相手先に失礼なことをしていることにまったく自覚さえない。もはや無能力者でしょう、これは。

ロシア破壊願望をやめられない日本

 

すると今日の天木さんのブログの記事が興味深いことを書いていた。

日ロ首脳会談を報じる各紙の姿勢の違い
http://kenpo9.com/archives/3794
2018-05-27 天木直人のブログ

 

今朝の日経と読売の一面が日露首脳会談だったんだそうだ。しかし日ロ首脳会談が行われた時間からすると間に合わないであろう。ではなぜ書けたか。

今朝の記事は、外務省が事前に配布した説明(ブリーフィング)資料に基づいて書いた予定稿なのだ。

 つまり、こういう首脳会談になるだろうと外務省が日ロ首脳会談の意義を強調したい為にメディアに事前に配布したものをそのまま記事にしたのだ。

 それにもかかわらずきょうの読売、日経は、それを、あたかもまるで日ロ首脳会談がその通り行われたと言わんばかりに一面で報じた。

 読者を馬鹿にした読売と日経だ。

 さすがに他紙は、恥ずかしいと思ったのか一面では書かなかった。

 

と天木さんはおっしゃる。なるほど、と思いました。

もうね、なんて国なんでしょうって感じ。前から何度も言ってますが、対ロ外交を本気でやる気は一切ないどころか、なんというか、著しく不誠実な国ですよね、これは。

しかも情けないのは、国内には、俺たちは露助相手に頑張ってるみたいな「ふり」をしておきながら、じゃあ実際、ロシア国に対して、外務省が作った「北方領土」なる概念に相当するものが帰ってくる可能性のあるような、つまりロシアに1956年の合意を覆せと迫るような、実効性のある説得はあり得るのか? 思いつかないですよ。にもかかわらず、ず~っとこれを堅持しているのが日本の姿勢というやつ。

要するに、ロシアを愚弄し、日本国民を愚弄して、勝手に問題つくって、かわして、知らん顔してと一人芝居をしているのが総体としての日本国政府(安倍はその最後尾に過ぎない)。

 

いったいいつまでこんなことをするんでしょうか。

田岡俊次さんの言い方を借りれば、結構なインテリでも、北方領土はロシアが不法占拠したと本気で言っている、という状態のこと。

ここに入れた田岡俊次の動画は、手短でわかりやすい。

ポスト安倍が見えない日本(2)

で、右派はサンフランシスコ条約で話は決まったのだ、と突っぱねるのを常としているが、それなら猶更、日本は千島列島を放棄したことが確認される、放棄の後の所有者は決まってなくてもそれが日本のものでないことは動かないだろう云々というお話。

 

この話が本当に嫌だよなぁとか思うのは、1956年の日ソ共同宣言があったから、その宣言をある種の講和条約とみなして、ソ連が日本の国連加盟に反対せず、日本は国連に加盟できるようになった、という順序なわけでしょ?

ということは、日本は果実はもらって、食べたら、そんな宣言はしらねーにしているという意味だと思うんですが違うんでしょうか? ここまで言ってる人は見たことがないんですが。まぁ日本の場合、日本を悪く言うと売国奴という基準がまかり通る国なので、文筆業の人は言うに言えないのかもしれません。

 

この問題とは直接には関係ないけど、このブログ的にはある種の発見だった、シベリア出兵の規模の大きな、長さは、マジで日本のタブーみたいだというのもロシアものとして再度言及しておこう。にもかかわらず、100年経つまで一般人が読めるような本はほぼ皆無だったという、なんというかそういう国。

これがほぼ100年目の一般人向の本で、著者は日本史プロパーの方ではないというのも記しておきたい。日本史プロパーは一体何をしているのだ。

シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争 (中公新書)
麻田 雅文
中央公論新社

 

サブタイの「忘れられた」ってのも、そんな、自然現象じゃないんだからさと言いたいけど、こういうアプローチで、うっかりを装う以外にできないのが日本の出版社の都合みたいなところもあるんだろうなと思った。

 

さらに、ここで書いたように、なるほど1986年あたりでもまだノモンハンさえ開けられなかったのが日本だったのだというのも大事。

「昭和」という国家/司馬遼太郎

 

で、多分次は、都合が悪くなると、そんな昔のことを言ってるロシアっておかしいわ、あの人たちは戦勝国だったことしか誇れるものがないからよ、とか言い出すのかなと想像してる。

でも多分、この問題は、ロシアだけでなく中国も朝鮮も、ASEAN諸国も、そして多分アメリカ(一般、not ディープステート)も知りたいと思ってると思うな。なぜならそれは過去のことだけでなく、将来への展望、覚悟、一貫性(誠実性)の問題でもあるから。

プラクティカルに言うのなら、日本は再びこういう感じの国になるのかと問われているとも言えるでしょう。

日露戦争当時の風刺画。

 

■ オマケ

プーチン氏、会談に遅刻 会見の質問も取りやめ
2018.5.27 01:11

 モスクワのクレムリン(ロシア大統領府)で26日に行われた安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領の会談は、ロシア側の都合で48分間も遅れ、会談後の共同記者会見も質問ができなくなるなど、トラブルが続いた。

 プーチン氏は日露首脳会談の開始予定時刻に突然、新たに任命された閣僚との会合を開いた。安倍氏はホテルの部屋で待機を迫られ、外務省などの日本側関係者は大慌てで情報収集に追われた。

 会談後の記者会見も、日本とロシアの報道陣で各1問を出すことで事前調整していたが、時間がなくなったとするロシア側の強い意向を受け、質疑は取りやめとなった。(共同)

https://www.sankei.com/politics/news/180527/plt1805270002-n1.html

 


 


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