シリアは停戦できるのか問題がうごめいている今日この頃ですが、moderate rebels(穏健な反逆者、穏健な反政府組織とか)を利用してシリアに入り込んでいるイギリスでは、元陸軍参謀総長リチャード・ダナットさんと元シリア大使が、目の覚めるようなことをBBCのラジオで語っていた。
Russia is getting it RIGHT in Syria, it's the UK getting it WRONG, blasts ex-army chief
http://www.express.co.uk/news/uk/644269/Syria-airstrikes-General-Lord-Dannatt-Britain-copy-Russia-support-Assad
ちゃんと決着をつけようとしているのがロシア、ぐじゃぐじゃにしようとしているのがUK
というこのタイトルに思わず笑いが出るけど、中もそんな感じ。
参謀総長は、軍人らしく、ロシアは空と地上を組み合わせて過激派の対処をうまくやってる、
紛争は地上で解決されるもんだ。地上の兵隊が解決をもたらす、しかし外交的、政治的な枠組みの中でだ
と語ったんだそうだ。いや~ロシアが軍と政府とでやってるのもまさにそれ。
それに対して、ブリテンはといえば、負ける側と協力してる、アサドの体制と協力すべき、とも主張。
元シリア大使の方は、そもそもアフガン、イラク、リビアで戦争している最中に、総合的な考えもなく独裁者をただ倒せばいいとアサド大統領を取り除こうとした、とそこを問題にして、ついでに、激烈なことを言ったようだ。
ブリテンの行動は、
a dog returning to vomit だ、と。
で、結論として、ロシアが支援してるシリア軍にISに対処させろ。そもそもこれはローカルな問題なんだからローカルの政府が取り扱うべき問題、と語ったそうです。
■ 馬鹿は死んでも治らない
さてその、a dog returning to vomit
これは、聖書にあるセリフらしいんだけど、考えるだけでも気持ち悪い言い方。
As a dog returneth to his vomit, so a fool returneth to his folly
犬が戻って自分が吐いたものを食べるように、愚か者は愚かな行いを繰り返す
が正しい引用。
転じて、バカなことをし続けることを止めらない奴に対する、ほとんど最大級の侮蔑ではないかと思う。だってそもそも汚いでしょ、この譬え(泣)。
日本語で言えば、バカは死んでも治らない、的な何かかなとは思うけど、もっと断然激烈。今日的な言い方では、「薬きめてる?」とかどうでしょう。あはは。
そういうわけで、なんかこうこの様子は、例えば私たちのうちの少なからぬ人々が我が国の政府の面々を見るような感覚ではなかろうかと思った。
もう細かいところを説明して足りるようなものじゃない、バカにはバカといわねば気付くまい、と踏ん切りがついてる人たちがいるってことじゃないかと思う。
そして、そういえば日本でも著名な学者さんや元内閣参与とかなんだたったか法曹界のエライ人たちがこぞって、安倍政権による行動に反対している、または危険視して先回りしていろいろ考えてるみたいだ、という様子と軌道が同じなのではあるまいか。
そう。国ごとに見るから間違う。
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