昨日エントリーを書いている時には既にこんな話が出ていたことになるのだが、私はあんまり重要視できずにいた。
米民主党、トランプ大統領への弾劾調査を正式開始 ウクライナとの関係めぐり
https://www.bbc.com/japanese/49820675
だって、そもそもウクライナという米にとっての他国を無茶苦茶にしたのはアメリカ民主党が主導する一派なわけですよ。オバマ、ヒラリーだけでなく、バイデンは当時のウクライナへの侵略行動の中心人物。
当時のヤヌコビッチ大統領に正確でない、というか誘導的な情報を流していたとも言われてる人で、しかも息子を早々にウクライナの天然ガスの会社に入れて金をもらうという、不埒な植民地主義時代の本国エリートみたいなことをやっていた代表的な人物。
だから、ウクライナの中でも疑惑が取りざたされた。が、バイデン父はウクライナでの訴追を阻止させた。
その経緯を知る人にとっては、トランプがウクライナのゼレンスキー大統領にバイデンの調査しろ、しろ、といったらしいわけだが、それって何が悪いのか?といった話にしか思えない。単にストレート。
それを悪いという民主党の方に重大な問題がある。
だがしかし、皆さん、お気づきになられましたね。ウクライナでクーデターをやらせた話は既に、きれーーーーに主要メディアから痕跡もなくなくなり、ある日突然ロシアがウクライナに襲い掛かったかのような話にさえなってる。
いや、最近面白いと思うのは、そこにさえ触れてない記事もある。ウクライナはオリガーキがいて大変で、腐敗の国だから~みたいな、あたかも2014年の事件がなかったかのような説明さえある。
いやぁ、これは、西側リベラル勢の悪質さの見本みたいな話。本質が詐欺師。
そして、昨日書いたから勢い思い出さないわけにはいかないのは、ソ連のアフガン侵攻と言われるその事件。
アフガニスタン周辺を不安定化させて耐えきれなくなったアフガニスタンの政権がソ連にヘルプを求め、ソ連がアフガニスタンの政権の要請を受けて軍を動かした途端、「ソ連が侵略行動を取った~~!!!」と大声をあげた、と。
手ぐすね引いて待ってたという話。
これが、西側リベラル勢の真骨頂ですね。本質的に惨い。
書いてて思うのは、朝鮮戦争もこれ式だった可能性があると思うな。だって仕込みは十分で米統合参謀本部が日本の指揮権を奪って兵に使おうという策略をしていた、まさにそこで起きたわけでしょ。冷静に考えりゃただの内戦だってのに、それを、北が共産勢力が侵略を~と騒いだ、と。まさしく、待ってましたとばかりの北の行動だったと言えるんじゃなかろうか。ここらへんはタイムラインを確認して話を整理しないとだわ。
■ 2014ウクライナ
それはともかく、2014年のウクライナのクーデター騒ぎからの展開も、この図式にはめたつもりだったんだろうね。ロシアが出てくる、ウクライナのヤヌコビッチが治安出動する、それ~みたいな。だがしかし、目端が利いて行動力のあるセバストポーリがキエフのクーデター騒ぎをチャンスとして動き出し、クリミア自治共和国がウクライナから独立するといいだし、住民投票をして多数を占め、次にロシアへの編入を尋ねる住民投票をしてこれまた多数を占め、クリミア住民は念願のロシア復帰を果たした。
これはもう、全然覆せないでしょう。民主主義であればあるだけなおさら覆せない。だって、どこでどう取っても控えめにいっても8割を超える住民の意思を、どうやって変えさせられるの?
結果、キエフの占領は成功し、ポロシェンコというクーデターの産物の男が大統領となって西側勢は金をつぎ込みつつ、金を儲ける腹でぐじゃぐじゃやってはいるものの、クリミアというご褒美は取れず、ウクライナをどう使ったものか何か話がまとまらない。また、ウクライナの人も人間なので(米リベラルは信じないだろうが)、食わないとならないし、暖まらないとならない。つまり、ロシアに向けた戦争ユニットとして洗脳しておくにも金がいる。しかしウクライナは結構大きい。だから西側は支え切れない。
しかし、相変わらずアメリカと英、カナダあたりが金と兵隊を出して、実はウクライナ支配を継続しようとしている。なんとかして、ヘイトにまみれた集団にしていつでも暴発できるユニットにしたい。
ただ、ウクライナの内側からも、西側に対して離反する人たちが出てきてる様子はある。どれだけ頑張っても金使ってもポロシェンコは負けた。また、ゼレンスキーがコロモイスキーの傀儡だと知ってても、まずはポロシェンコを落とすという趣旨がネオナチ本拠地のガリチアあたり以外では周知されていたようにみえる。つまり、戦略的行動がしっかりできてるウクライナ人だったりもする。
IMF支援は受けるな、外債はデフォルトでいい by コロモイスキー
ということは、流れとして多少なりとも理性のある行動を取らせざるを得ないと思い定めた人が多い、戦略的行動を見極められている状況のあるウクライナの現状を再度ひっくり返そうとして、今般の弾劾騒動は起きていると考えることも十分に可能ではないかと私は考える。
トランプおよび彼を支えた勢力は、最初から、ウクライナを自分んちの支配下にすることへの興味はかなり薄いと思う。そんなムダ金を使うほどアメリカは巨大ではないといった感じ。
■ 東方侵略構想
ウクライナというより、ポーランドでたくさんだ、みたいな感じかもしれない。
そう、イスラエルとポーランドは西側の世界支配にとっての1つの細工の場なわけで、そこを使って一極支配を目指したプロットが立ち行かなくなってるのが現状。
それを、ブレジンスキー派(ポーランドなどの東欧系が多い)はもっと拡大しようとして、ガリチア(ウクライナ西部)を取って、黒海に出る、すなわちポーランドはバルト海から黒海へとつながる巨大な国となるのだ~みたいな妄想を駆動させて、ここまで来たわけね。
イスラエルの大イスラエル主義と併せると、バルト海から地中海東岸までとなる。ここをステルス支配すると世界を支配できるのだ、って妄想なんでしょう。
だがしかし、現地の国持ち大名連中にしたら、なんでそんなことを許さないとなんないわけ?でしょう。
この人とか、
(イランのザリーフ外相)
この人とか、
(トルコのエルドアン大統領)
ということで、トランプの行く末はわかりませんが、しかし、現状は過去200年ぐらいの西側による東方侵略構想が壊れてるといった感じを私は引き続き持ちます。
古豪復活とは東の勃興ともいえますね。
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ウクライナの顛末についてあんまりご存じない方は、多少アップデートしておいた方がいいと思いますよ。西側メディアの嘘はまったく万能ではないですから。
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