今日の株価は900円超の上げだそうで、もうね、これって経済ですらないって気さえする。少なくとも教科書的に習ったことは何の関係もない。上げる分刷ればいつまででもあげられるって、それで一体そのshareは何なの?って感じ。株価に頼って国なんか経営しちゃいかんですよ、ほんと。
しかし刷たって、欧州は、ポルトガル、ギリシャ、イタリアと具合の悪いところが治癒されたりはしないわけで、刷ってはあげで、わ~い、と言って次はどうなるのよ、とは誰も尋ねないのが恐ろしい。
■ ルーブル下げとシリア問題
ロシアのルーブル下げはどうなんでしょうね。
私が思ったのは、ムード作りと警告を込めた売り崩しなのかな、というあたりか。ルーブル下げ、大変、大変、大変と騒いで、ロシアは危機、危機、危機というムードを作り、その中でリトビエンコ問題が来て、ロシアは追い詰められてる、追い詰められてるーーーーというムードを作って、そこで何かロシアを譲歩させるとかそんな感じで設計図を書いている人がいるんだろうか、ってところ。
タイミングがあってるし日本のメディアが拾っているので、これはグローバルにサインが出てるってことなんだろうな、と思った。日本のメディアはこういう風に使えばいいんだなと(笑)。
で、その譲歩案なのかどうか知らないけど、今日はFTが、プーチンはアサドに退陣をお願いした、という記事をサイトのトップに出していた。
普通に見てる人は誰でも、ねーよ、としか思わんやろと思ったけど一応タスを見たら、~とFinancial Timesが書いてますが、そんなことはありませんという記事が出ていた。あはは。
Kremlin refutes media reports that Moscow offered Assad to resign
http://tass.ru/en/politics/851563
シリアの地面の上ではシリア軍がウィーン会議までにできる限りISから地面と街を解放しとこ、ってことで戦闘は続いている。ロシア、イラン革命防衛隊との共同作業。予想以上に難航しているという話も聞くが、しかし、大勢を見てISが今後盛り返すということもありそうにないので、ここで逆転ってことはないでしょう。
ということはシリアの政治体制を作る作業へと進むはず。関係国がウィーンで約したところでは・・・
アサドを崩して、なし崩しになんとかしよう、みたいな? まぁこれはつまり、イギリス勢というか、シティを使ってる人たちに焦りが見えるって話なの、これ、など思ってみてる。
■ 中国、パレスチナ国家に言及
その間、中国の習主席が、東エルサレムを首都としたパレスチナ国家を支持しますよ、と語っていた。
China supports East Jerusalem as capital of sovereign Palestinian state – President Xi
Published time: 22 Jan, 2016 04:15
https://www.rt.com/news/329765-sovereign-palestine-jerusalem-china/
中国はもともとパレスチナ側だったんだし、しかしイスラエルとの関係も悪くなく、去年あたりも足しげくイスラエル、パレスチナ問題にコミットしていたので驚くことではないけど、一応メモ。アラブとの代表団との会談の後会見し、そこで語った模様。
エルサレムに関しては、国連はいずれはイスラエルとパレスチナという2つの国の首都にと考えていると言われていて、イスラエルは基本的に反対してる。が、話し合いの余地がないとは言えないわけだけど、去年から話し合いが途切れている。
習おじちゃんは、パレスチナ問題は中東和平の中心にある問題なんだから国際社会は無視してる場合じゃないでしょ、対話を再開すべきよ、と語っている。
再開させる用意がある、って意味なのかなぁと考えると、ここでイスラエルはシリアで好き勝手できない状態 by ロシア、の次に、だめあるよ~と重石が乗った by チャイナ、みたいな感じになっていくのかも。
となると、これはアメリカ(ネオコンでない方)が黙認して中国にバランスしてもらっているみたいな感じだろうか。
アメリカにとって中国ってほんとに組みやすい相手なんだと思うんだよね。60年代、70年代も対インドで米中は組んでいたし、その後は対ソ+インドという枠組みに対して持続的に米中は組んでたと思うし、今でもそうだと私は思ってみてる。
多分、ロシアもそこは警戒しているけど、パキスタンにヘリ売ったり、イランと仲良ししてたりして、インドとは古い恋人みたいにむくれたりしつつも大きくは離れない関係になってるし、ってんで、これらの国々が全体としてなんとなくバランスみたいな感じになってると思う。
太平洋で見てると波乱の時代だなぁって感じなんだけど、ユーラシアチームはなんとなく適当にバランスしてると思う。これはつまり、かく乱要因たる米の重さが軽くなったという意味なのかもしれない。
日本にとっては、まぁねぇ、面白くはないわけだけど、あの政権が自国の政権でそれで一体何の勝負をしろというんだよとしか思えない。
近年相次いで経済制裁を解除されたキューバやイランがそうだったように、ロシアもまた最初の数年間は混乱しながらも結局は長く持ちこたえるんですかね。西側メディアはどうも「ロシアだから」ここまで騒ぎ、叩いている風にも見えますが。
いやいやさすがに日本の外交・防衛関係者もそこまで愚かではないんでしょう。だから困ってると。
多分、私たちは米+日の北東アジア戦略の大失敗を見ているってことじゃないかと愚考してます。戦術レベルじゃないですからそう簡単に取り返せない。
ロシアだから叩くし、もっといえば一部の大掛持ち集団って過去160年かそこらロシア圏を崩してあそこの位置と北米を確保して世界を支配しようってのが基本作戦だったんじゃないですかね。地政学の方向性がそうですよね、そもそも。
そこに西方キリスト教会の反・正教会運動とか、エネルギーの話が加わって、話はさらにややこしくなった、みたいな。
で、今回新しいのは、どういう理由にせよ一般人の預かり知らぬところにロシアを叩く勢力がどうも存在するんだな、そしてそいつらはどうやら強欲(笑)ってな図式がロシア世界以外に拡張しちゃったってところじゃないかと思います。
ロシアは過去100年で最も明るい光で見られると思います。それは中東だけじゃなくて。で、それが日本にはほとんど及ばないのは、もって日本のガラパゴス報道統制のせい。