面白いニュースなのでクリップ。
ドイツ、申請却下のウクライナ難民を国外退去へ
http://jp.sputniknews.com/europe/20160120/1461828.html#ixzz3xnF7a5RN
報道によれば、ウクライナ東部の紛争に関連してドイツへの政治難民申請を行なったウクライナ人の数は7千人を超えている。ところがこのうち政治難民として認められたのは5.3%たらず。ドイツ連邦移民難民問題庁の代表者によれば、申請が却下された場合は国外退去が要請される。
ということは、ウクライナ人は政治難民の申請なんかしないで、書類を持たず陸路歩いてポーランドに通してもらって、そのままドイツに雪崩こめばOK? あははは。
あとはトルコの仲介業者に頼んで偽のシリアパスポートを作ってもらうとかいうのもあるけど、そうするとその後の人生が狂うのでやだと考えるウクライナ人は多いだろうなぁ。そう、旧ソ連圏の人たちってなんせ管理が行き届きすぎるほどに行き届いた世界にいたので、そういう博打みたいなことができない、そういうことすると後が不利だと本能的に前提してる傾向があると思う。そのへん中東の人たちとかなんでそんなんで通ると思うんだろうと思うことをやっちゃう傾向ってある。
それはともかく、ドイツは一体どういう基準を持つんだろうね。自分でつっかかっていってウクライナを壊したんだから(アメリカが主体だとしても防がなかったのはEUであり、ドイツですから)、ウクライナ人を1000万人ぐらい引き取ればいいんじゃないの。4000万人中の100万人はロシアに行ったそうなので、少なくとも同等以上をせなならんでしょう。
で、ウクライナの西部地区の人はポーランドを目指して移民しようとする傾向も多少あるんだけど、これも当然ポーランドは引き受けるべきでしょう。そもそもウクライナを自分のものにしたいとう欲求を抑えられないのがポーランドなんだし。で、こっちも100万人単位で引き受けたらいいんじゃないの。
すると、あら不思議。スラブ族の西側への突出部ができちゃう!
笑えないけど、この際やってもいいんじゃないかと思う。ロシアは過去200年でロシア圏を崩されて防戦一方だったわけだけど、この騒動を止めるためには、防戦じゃなくてこの際前進したらどうだろう。その方が未然に騒動を防止できるかもしれないじゃないの。
時間をかけて各地に2親ロシア派を築けばいい。でも別にロシア民族が意図しないのに西側が崩してきた結果としてそうなってしまう気もする。
そういえば、ロシア語話者というのは世界に約3億人ぐらいいるというんだけど、ここには中欧、東欧部のスラブ諸語の人たちは含まれていないと思うので、潜在的には+数千万人って感じになる。
■ 真ん中であるという認識を持ったらしい中・東欧
3カ月ぐらい前だったか、ハンガリーのオルバン首相が、私たち(ハンガリー)はもちろんthe West の国なのでメルケルと話す方が楽ってのはあるよ、でも、だからといってドイツに依存する気はない、だから俺たちはモスクワと話をする、そしてモスクワに依存する気もない、だからベルリンと話をするのだ、と言い切っていたインタビューがあった。
中欧、東欧がこのスタンスになることが、結局一番安定すると私は思う。
しかし、そうすると実は、中欧、東欧、バルカンを全部自分んちにしたいthe West グループにしてみると、じょーだんじゃねー、になるんだよね。要するに彼らは安定など望んでいないし、中欧、東欧、バルカンの人々の幸福など考えたこともない。だからこそ、オルバンみたいな人を敵視する。
さてこの状態をドイツはどうさばいていくんでしょう。
2016年のキーパーソンはメルケルだ、ってなことがさんざん言われているけど、この意味はいろんな取り方ができる。
それからあらぬか、Financial Timesに、欧州内の東西の緊張を緩和できるのはドイツだけだ、とかいう記事が出ていた。
Only Germany can tame east-west tensions in Europe
January 19, 2016 9:43 am
http://www.ft.com/cms/s/0/8ce9b0a4-b7a9-11e5-b151-8e15c9a029fb.html#axzz3xnFTwM4u
出てる新聞から考えれば無理もないことだけど、当然のように、オルバン率いるハンガリー、ポーランド、スロバキアあたりが EU の言うことを聞かなくなってる状況に懸念を示している。
この姿勢が既に「後手」だと思うんだよね。中欧・東欧諸国は真ん中だという認識を持ち始めたらしいもの。つまり、西側だけを向いてはいないってこと。天子は南面す、ですね。んなわけないけど(笑)。
ということはむしろボールはドイツのコートにあるって感じだと思う。
EUだの the West だのというカバーをつけてるけど、実は好き勝手に中・東欧、バルカンを我が庭にしたいという欲求を持って幾星霜なのがドイツなわけで、そうであればこそアメリカのネオコンに従っていたってところは少なくはないでしょう。自分がやりたいことを勝手にやってくれる人たちがいて、それを止めずに、おろおろしていることにベネフィットがあった。しかし、その便益と不利益はいつまでも均衡しなさそうだよ、ってところ。
あの人たちは東西の分岐点で地場のスラブ系とユダヤ系が入り混じって複雑な自己を形成してきているのでまったくもって不埒なまでに誰の言うことも聞かない。ルールとかへの信頼が絶望的なまでにないともいえるかも。
そこらへんがいわゆるロシア圏という統治に異常な才能を持ったプラクティカル集団と絶望的に異なる。危機に集団化するのがロシア、まとまれないのがポーランドって感じですね。
そういう人たちをthe Westは金で買えると思ってるようなんだけど、ダメっしょ。