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アメリカ製コミンテルンを連れ戻せ

2014-04-07 10:10:35 | 太平洋情勢乱雑怪奇

1/3【討論!】アメリカはいったいどうなっているのか?[桜H26/4/5]
http://www.youtube.com/watch?v=vxhcop8cKzs&feature=share&list=PLubSbhcjV7IA4kJUERh26u8Wxd_zkZ922

後半44分近辺で、関岡英之さんが、ウクライナの政変に関与していたであろうアメリカの団体を思い出せずにいらっしゃる。

氏が名前を思い出せなかった団体は、National Endowment for Democracyではないかと思う。ウクライナ他のカラー革命でめちゃめちゃ有名になってる団体。米国民主主義基金(NED)と通常訳されていると思うが、ここに米政府が一括で資金を出して、この団体が国別地域別に資金を配分する。ものすごい数の団体が資金を提供されている。

この団体は、表面だけ見ればまぁ穏当で妥当な学術団体か何かに見えるような名前だが、長らく米国保守孤立派の嫌悪の的になっている。もちろん、ロシア他の国々にとっては今や禍々しい、唾棄すべき名称となっているだろうとことは想像に難くない。

その中でも、去年保守孤立派の急先鋒パット・ブキャナンが書いていた記事がこの団体がどういうものなのかの一端を示していたので、ちょっとご紹介。一言でいって、お前らアメリカ製コミンテルンだ!というのがブキャナンの見解。

Exporting Democracy Is Why the World Resents Us
(民主主義の輸出こそ我々が世界から嫌がられる理由だ)
http://www.theamericanconservative.com/exporting-democracy-is-why-the-world-resents-us/

2013年6月、エジプトで、いわゆるアラブの春でムバラク大統領を追放した際、外国の資本を使って騒乱を扇動したとして43人が有罪になった。

このうち16人は確実にアメリカ人。で、この摘発が乱暴だとかなんとか、アメリカの主要メディアは憤慨した議員などのコメントを載せているが、ブキャナンは、そんなの当然だろうと憤慨する。もし、他国政府の打倒という行動を本当にやるべきだと思ってやったんだったら、捕まったとかいって泣き言を言うな、と。

米国が資金を拠出する民主主義プログラムは穏当なものとして描かれるが、National Endowment for Democracy、International Republican Institute、DNI、Freedom Houseは、セルビア、ウクライナ、グルジア、ウズベキスタン、キルギスタンで政権を打倒した革命にリンクしている。成功には至らなかったがベラルーシでも同様だ。

では、こういう革命を誰が指示しているのか。

2011年以前、フリーダムハウスは、元CIAディレクターのJim Woolseyに率いられていた。彼は自分たちは「第四次世界大戦」中なんだと言った。IRIの議長はジョン・マケインで、彼はロシアとグルジアの戦争に米国が介入するべくプッシュし、今度は、シリア空爆をわめきたてている(注:記事は2013年6月上旬のもの)。

DNIの議長は、元国務長官のマデリン・オルブライトで、彼女は、「我々はかけがえのない国、断固たる態度を取る国であり、他の国々よりもずっと先を見通すのだ」と語る。

しかし、アメリカでは、かつてコミンテルンが浸透したといって大騒ぎをして、いわゆるマッカーシズムをやったことがあった。つまり、外国の政府に介入するとはどういうことなのか考えてみろ、もうこの傲慢さを止めるべきだ。こんなことをやっているから、かつて尊敬を受けた国だったのに今ではそうではなくなっちゃったんだ。

そして、

Defund the American Comintern, and bring the outside agitators home.

アメリカ製コミンテルンの資金を止めて、外国で活動するアジテーターどもを連れ戻せ

と締めている。

■ 介入主義とネオコン

指導しているというか、主体となっている人の顔ぶれをみると民主党も共和党もいる。で、この介入主義者のグループは他にもまだあって、最近はUSAIDがキューバで、民主化のためのtwitter作戦をやってるという話。懲りない。
http://bigstory.ap.org/article/us-secretly-created-cuban-twitter-stir-unrest

さらに、こうやって国務省とか共和党とかが主体になっているような、とりあえずしっかりした組織から出ているだけの資金ならまだいいが、その先でどんな団体とリンクしているのか、どんな組織、どんな資金が入っているのかよくわからなくなっているだろう、という観測ももうずっとある。

で、その有力候補のひとつが、ジョージ・ソロス率いるファンドだろうというのが衆目の一致するところ。今回のウクライナでも早くからその噂が飛んでいた。このへんは、公的機関ではないから情報開示の義務はないわけでどうしようもない(しかしソロスは関与を否定してはいない)。

また、シリアのケースなどでは、アメリカが推したことになってる「反政府グループ」にはアルカイダ系が大量にいたと言われている。サウジアラビア他の中東諸国が大きな資金を出す人々がどんな素性の人なのかは、いろいろ報道されるにしてもどこまでどうなのか常に不透明。そもそもなんでそんなに簡単に武器を供与して外国に攻め入る戦士を放置していいのかまったく不明。ここは政府なのでまず真っ先にここらへんに民主化を迫ったらどうだろうとは常に言われているが、それをマジでやるとアメリカ覇権が壊れるのでそこは穏便に(笑)。

PMC(民間軍事会社)って誰が統括して、誰が責任を持つものなの?という問いが大きくならないのも恐ろしい。

■収拾のついていないアメリカ政府、ではないの?

そういうわけで、アメリカ政府はどうも極めて不可解な形になっているのだろうと思う。財務省、国務省、国防省が別々のことを言うというだけでなく、その他の諸団体が絡んでいるし、それらのうちの関係者には、国家みたいに大きな資金を持つ団体までいそうだ・・・。ロビーどころではないんですよ、既に。

場合によっては、それら誰だかわからない覆面革命家みたいな人たちの尻拭いをやってるのがアメリカ政府、ということだってあるんじゃないかと考えてみたりもする。

アメリカの一般人でさえ、アフガニスタンの戦争目的はパイプラインとかロシアいじめでしょ、みたいなことを言いだし、テロリストとの戦いなるものを不審な目で見ていた上に、ベンガジがあって、シリアのアルカイダ系が来て、今回またこうやって妙なクーデーターが来たので、実のところアメリカ庶民の政府への不信がさらに高まったという気もする。ロシアが悪いとあれほどメディアが騒ぐわりには一般人がついて言ってないのもこの環境の故だろう。

ウクライナのケースで、最初っから国軍たる国防省がかなり冷めた反応をしていたことも非常に象徴的ななにかのような気がする。つまり、あの妙なクーデター騒ぎには、国防省は絡んでませんでしたよ、ということなんだろうと思う。それはそれで国防省が正常の判断力を有していて大変心強い限りだ。国軍があんなロシアという歴史的軍事国の命運を左右するような軍事的要衝を経済詐欺くずれみたいなクーデーターで取りに行くという発想を持っていて乗っていたとかなったらそれはとても困る。

日本国民の大多数がなにかこう、しっかりした中央集権的なアメリカ政府のイメージにすがりついているような気がするのは、東アジア方面ではこういうアメリカの姿が見えないからじゃないかと思う。でもそれは多分facade(正面)です。中央アジアまで行くとすぐ横から別の姿が見えます。

■追加情報

Nato commander urges Kabul to allow foreign force to remain
http://www.ft.com/cms/s/0/0954864e-bda3-11e3-a5ba-00144feabdc0.html#axzz2yBv4T6an

NATOの司令官が、退去したら内戦になるから外国軍の駐留を許可してほしいとカブールのアフガニスタン政府に求めているらしい。NATOがそうしたいと思うなら、また適当にテロ騒ぎでも起こせばいいんじゃないの?いっぱいいるでしょ、雇ってる人、と冷めた目で見ている私。というか、アメリカ人の大多数もそうだと思う。

時節柄、なんかさぁ、やっぱりアフガン戦争ってロシアの周辺を崩すためにロシアと関係の深いスタン諸国に大量の米軍基地を設置し、それによってイランとロシア、チャイナの接近を防ぎ、パイプラインの敷設に便宜を図り、これまたロシアを崩して(結果的にチャイナを助け)、というための戦争じゃないのかという長らく言われていた来たことは概ねみんなホントだった、ってことでいいんですかね、と遠い目をしたくなる。


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