EU離脱は表面で語られていることと異なるテーマが問題なんじゃないのかとこの間書いた線を私はまだホールド。
同床異夢のBrexitとその潜在的余波
で、UK議会は、自分で何を求めて何をやっているのかわからなくなってる議員さんたちが多いんじゃないかという気もしないでもない。
ともあれ、英国内で何らかの合意を作ってそれをEUに提案してOKもらわない限り、英国は最短で4月12日にEUから離脱する。つまり、合意なき時間切れ離脱。
しかしそれは避けたいという考えも優勢なので、長期離脱延期とかいう恰好が最もありそうな気もする。
しかしそうなった場合、そんな不安定なところに長期投資とかできないので、外国企業は離れる。これはUKにとって大問題。そこで労働党は提案に乗る代わりに、国民投票を付与しろといっている模様。この場合、離脱は否決される公算が大きくなるのではないかと思われる。
どうなるでしょう。わかりませんが、UKが混乱している時間帯が長いことは、欧州やその他世界にとっては別に悪いことではないので、影で動く人が少なくなったことを利用して、秩序を作っていくべきですね。
ということで、現在、NATOが馬鹿なことを言い続けてみたり、オバマがメルケルを訪問してみたりという、現状維持派による動きが活発だということではないかと考えますね。
Merkel Warmly Welcomes Obama for Closed-Door Meeting in Berlin
https://sputniknews.com/europe/201904061073875089-germany-us-merkel-obama-meetig/
そのドイツは、モスクワ地域にメルセデス・ベンツの生産工場を作ったので、プーチンが出席してオープンセレモニーをしていた。
http://en.kremlin.ru/events/president/news/60215
負けじと思うのかどうか知りませんが、フランスのビジネスコミュニティーも近くモスクワ入り。
Putin to meet representatives of France’s business community on April 18
http://tass.com/economy/1052335
率直にいって、2014年からの4年間は欧州のビジネス界にとっては悪夢でしたね。一部の世界制覇妄想チームにつき合わされて、いきなり、約2億人の市場(ロシア+周辺)を失いかけたし、この動きはロシアの国産化の推進に役立つような形を自ら作ったわけで、その結果として自ら将来利益の一部を失った。
ロシアから見れば、来てもいい外資とイヤな外資を自ら選別できる良いポジションを得たようなもの。
その間に、貿易収支、経済収支の黒字のみならず、国家財政も黒字を達成。いわゆる先進国の中でこんなに財務状況のいい国はないのでは? 借金比率をさらに小さくしていって、かつマネージ可能性を拡大していっている趣。マネーを貯めずゴールドを貯めてるところだけがしばしば取り上げられるけど、それだけじゃない。原油価格にひっぱられないよう他の産業を奨励したことも奏功してる。
アメリカから見た場合、トランプどころじゃなくて、ウクライナで究極的にはアメリカにとって要りもしない戦争をしかけたオバマこそ馬鹿の総大将というべき。
他方、カザフスタンの大統領の交代も特に混乱はなかったようだし、アゼルバイジャン、タジキスタン、アルメニアetc.というソ連時代というよりロシア帝国時代からの近親者みたいな各国との関係も別に壊れていない。
Kazakhstan and Russia to strengthen strategic partnership — president
http://tass.com/politics/1051804
プーチンは、4月も大忙しで、おおむね自分が行くというより各国の首脳やらビジネス界の人がモスクワを訪れ、26~27日に一帯一路フォーラムで中国に行く、というスケジュールっぽい。
というところで、残るはイギリスとアングロ・シオニストの工作拠点となったウクライナを含む東欧、バルカンの安定って感じでしょうか。ここはロシアはあまり動かず、トルコ、ドイツとの関係を豊かなものにしていくことに力を注ぐことが、結果的、反射的に全体的にうまくいくって感じかなとも思う。
そうそう、4月4日に、ネタニヤフがモスクワでプーチンを訪問した。1週間に2回も会談するという異例の状態となったのは、ネタニヤフ側のリクエストでプーチンが貸しを作った恰好。
Meeting with Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu
http://en.kremlin.ru/events/president/news/60221#sel=9:9:v,9:9:v
これもまたネタニヤフの選挙運動。
しかし、そこでプーチンは熱心に何を話しているかというと、大祖国戦争の時の赤軍兵士の遺骨収集問題と、1982年にレバノンで亡くなったイスラエル兵士の遺骨の捜索をロシアとシリアがやって、達成されました、というお話。
このへんはまたそのうち項を改めて書くかも。
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