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ウクライナ問題心構え編 by 西村慎吾氏

2014-05-23 18:18:53 | 欧州情勢複雑怪奇

西村慎吾氏が、4月18日付けで書かれていた文章を最近読んだ。これはウクライナ問題への導入として非常にうまくまとめられていると思いました。

ロシアと欧米、馬淵論文に注目せよ
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=960

 ウクライナ情勢とロシアのクリミア併合に関して、我が国に入る外電は、ほぼ全てウクライナのこの度の事態を、親欧米の民主勢力と親ロシア勢力との衝突と観たうえで、ウクライナの民主勢力をロシアのプーチン大統領が武力で弾圧しようとしている、プーチンのロシアは、百五十年前にクリミアに軍隊を南下させた帝政ロシアに回帰して再びクリミアを武力で併合した、と伝えている。

 しかし、民主勢力と専政勢力との衝突というお決まりの次元で、このウクライナ情勢を眺めて対処するだけでは、我が国は国策を誤る。

まさに、日本の先行きに関わる問題だと私も深く思ってます。ですので、西村先生が馬渕元大使の言論をご推奨されることを頼もしく思いました。でも、「馬淵」→「馬渕」だと思います。

■ ウクライナ問題を理解する上で最も重要なカギの一つは、個々の事象ではなく、全体としてウクライナをロシアから引き離すために精力的に工作し続けている、つまり「ロシア圏」を侵略しているのはアメリカでありEUであるという視点です。地図を見て考えればわかるでしょう。しかし、欧米メディアはロシアがウクライナを侵略しているという構図で見せたい。無理がある。

■ 次は、正統性の問題です。このブログをご訪問くださる方で、検索からいらっしゃる方はこれまでのところ、「ウクライナ 暫定政権 正統性 正当性」という語で来られる方が圧倒的に多いように思います(ちゃんとチェックしてませんでしたが)。やっぱりそう思うよねぇとも思いました。

イギリスメディア、ウクライナ暫定政権の正統性に疑義、今ごろ

やっぱり日本人だなぁとちょっとうれしく思いました。「革命」とか言われてもそれでスルーはできない、と。革命とかクーデーターに大きな疑義を持つ国民であるというのは日本の国体を表す意味でもポジティブに評価すべきだろうと思ってる。

で、現在のウクライナの政権には、正統性はありません(笑)。だからこそ暫定政権という語を使っている。そして、だからこそ今週末にどうでもいいからとにかく選挙をさせて早く正統な政権にしたい、というのが暴力による革命またはクーデーターによって、以前の民主的に選ばれた民主主義制度において正統性を有する大統領(不正蓄財をしていようが悪い奴だろうが正当な手続きで選ばれた大統領)を追い払って現在の政権を据え付けたEN/USさんチームの願いです。

しかし、この際、筋から言えば、このクーデター政権を憎んでいる人々、概ね東部、南部に多いわけですが、そのへんの人たちの意見をちゃんと聞いてその上で、憲法の枠組みを決めてから、それを議案として大統領選挙のみならず国会議員の選挙をするのが民主的で最も正しい路線だと思いますが、EN/USさんチームにはその種の考えはまったくありません。

東部の混乱は、すべてを「親露派」のせいにするための作戦だったと考えることもできると思います。ロシアは国境付近の兵力を下げないという報道がなされてましたが、自国領土内に兵を置いて何が悪いの?という話だし、西部国境、黒海にはNATO軍が精力的に活動している状況も伝えません。まぁでも東部の特にドンバスの人たちには意志表明の機会は実際必要だったとも思いますが。

■ 次に重要なカギは、ロシア人はもちろんですが、少なからぬアメリカ人、ドイツ、フランス、イギリス等の人々が非常に懸念していることかもしれません。それは、がんばれアメリカ、なんじゃなくて、うちの政権は、つまり、アメリカ、EU、各国政府はおかしくなっている・・・という懸念の故です。ここが従来のい わゆるアメリカの戦争とは非常に大きく異なります(むしろ、2003年のイラク戦争に近いかもしれない)

ここも日本ではほとんど報道されていない点だと思います。しかしこれこそ重要かもしれないです。つまり、現在ウクライナをぐいぐい押している「欧米」は、一般人を代表しているようには見えない、ってこと。

■ というわけで、今後もまだまだ混乱することが予想されます。いずれにしてもこの一連の問題の本質は欧米によるロシア弱体化であって、ウクライナは手段だからです。

ウクライナを内戦へ追いやる米国

でもって、今回のロシアと中国の接近という話もこの延長線上にありますね。ただ実質的にどのぐらい、というのは大いに疑問ですが。

言っても仕方のないことだけど、なんでみんなもっと、もう少し調和的に生きることを考えられないんだろうかとしみじみ思う。いやいや、人類ってそんなもんじゃんと言う見解もあると思うし、それはそれで75%ぐらい納得するんだけど、でもやっぱり近代はかなり異質なんじゃないかとも思う。そういうわけで私の個人的な興味としては過去200年ぐらいの世界史を見直す機会としてウクライナ危機は存在しているような感じ。


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