いやいやいやますます混迷の度合いを強めるアメリカ大統領選挙ですが、すごいですよねワシントンポストなんか堂々とトランプ下ろせという主張を書いちゃう。
さらにKKKの首領の支持表明があったとかなんとかでトランプに傷をつけようと躍起。
さらには数日前から出てる話としては、
ロバート・ケーガンというネオコンの思想的バックボーンみたいなおっさんで、ウクライナをぐじゃぐじゃにした主要運用責任者とでもいうべきヌーランドの旦那が、共和党がトランプでいくならヒラリーを支持すると表明した模様。
Neocon Kagan Endorses Hillary Clinton
February 25, 2016
https://consortiumnews.com/2016/02/25/neocon-kagan-endorses-hillary-clinton/
あと、ついに共和党の議員さんの一人が反トランプを正式に表明したらしい(ここ)。ってことは、ヒラリーに行くんですかね(笑)。反党行為どころの話じゃないでしょ、これ。
しかしよく考えれば、党籍こそ共和党だけど、上のケーガンのおかみさんは民主党で異常なポジションを占めてるわけだしね。要するに完全な両建てで戦争遂行体制だった、ということ。
しかしそんなことを主要メディアは問題視しない、なぜなら彼らも仲間だから、でしょうね。だからこそ今トランプ旋風が収まらずパニックしてる、と。
さてではその共和党支持者の方はどうかというと、ネオコンはもともと民主党に隠れてた一派なんだから返ればいいといった感じの人が散見できる。これですっきりした。ネオコンはくそだとはっきり言える、みたいな。
しかし、もしトランプを出すならと脅しをかけてきたメディアって、バカなんだろうか?
だって、こうなったらさらに一般人の間では、やっぱり奴らはエスタブリッシュメントのマウスピースに過ぎない、よーしトランプだ、となる人が増えることはあっても減ることはないのではあるまいか。
2日ぐらい前の The American Conservativeに出ていた記事によれば、トランプ陣営では新しく選挙人登録をした人が増加していた、一方民主党の方はそうでもない、って感じらしいので、今まで寝ていた人が投票行動を起こすという可能性も出てくるかも。
■ エスタブリッシュメントの傲慢さはバカと紙一重だった模様
一見するとトランプがそうやって共和党エスタブリッシュメントに見捨てられ、共和党の支持者グループもそれに引きずられたらトランプ票は総体で減る。
しかし、ではそのヒラリーがいる民主党サポーターはどんな人たちか。全員ヒラリー好きのわけはない。若い人が期待しているのはバーニーなのね。
ってことは、この人たちはバーニーが落ちた場合にヒラリーには行かないんじゃないか、という気配がある。
トランプに行くというのは一応傾向として非常に考えずらいのだが、しかし、メディアを使ってエスタブリッシュメントがトランプを圧殺しようとすればするだけ、そうだ、この戦いは民主か共和かじゃない。アンチ・エスタブリッシュメントなのだ、に気付き、意を決してトランプに行くという人も少なくないのではないかと想像。
もはや党じゃなくて、階級闘争的でさえあるけど、手持ち資金の持ち高の問題でもないから、やっぱり上位1% vs その他、って感じか?
いやしかし、アメリカのメディア支配ってもっと上手じゃなかったけか?とか思うんだけど、なんでこんなにバカなんでしょうね。
エスタブリッシュメントの傲慢さはバカと紙一重だった模様、みたいな感じになってきてると思う。
このへんはワシントンの対露政策と似た感じがする。
ウクライナ危機のとっぱじめにミアシャイマー教授が言っていたことが懐かしく思い出される。
一国スーパーパワーになってからのアメリカの政府、政策決定者たち、つまりワシントンにいる人たちは、自分たちはbenign hegemon(善意の、または良性の、覇権国)だと頭っから信じ切っており、自分たちが他国に言うことは、彼らが従うに決まってると思ってる。世界には 問題がある、それは彼らが従わないこと、みたいな調子だと。
世界をアメリカが見る通りに見るのが当然だという幻想が本当に広がっているんですよ、とミアシャイマー氏が真顔で語り思わず笑いを誘う。
ミアシャイマー氏、コーエン氏、ロシア・トゥデイに出演
米国民に対する態度もこれと同様なんじゃなかろうか。
彼らは従うべきだ、なにしろ私たちは善意の覇者なのだから。操作したり嘘ついたりしてもまったく無問題、なぜなら私たちは善意の覇者なのだから、なんでしょう。そして、それが相手にどう映るか、という視線がほぼない。
エゴ肥大による他者の喪失、みたいな状況か。もう病気ですね。
そういうわけで、もはやアメリカ大統領選2016年には穏便な解決法はなくなったという感じではなかろうか。
で、1930年代はこんなものじゃないほど混乱してたんですよね。貧乏になっちゃった人たちが群れを作って、場所によってはインターナショナルを歌ってデモしてたりしたんだそうですよ。
だから、これを収拾するためにはルーズベルト的な社会政策が必要だった、と。別の見方をすれば、それはつまりソ連型にしないためのエスタブリッシュメントからの譲歩(ルーズベルトはエスタブリッシュメント)。
その人をつかまえてルールベルトをユダヤ人だの、共産主義者だのと言ってる我が邦の「保守派」は一体どんな脳みそを持ってはるねん、というのが私の疑問だす。