JFK関連ファイルの残りの大部分が開示になって数日たつが、大騒ぎをしているわりにはすっきりしたマトメというものはまだ現れない。
ただ、分析に時間がかかるのでまだ何もわかってないといった話でもない。
ケネディ暗殺機密ファイル公開は、トランプにとって「両刃の剣」
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/10/jfk_1.php
とかいって、アメリカではこうなんですというストーリーを常に提供している、冷泉さんはいつものように、事態をハンドルしているわけでしょう。
この人は911の時に村上龍のメルマガに出てきた。以来日本のどちらかというとリベラル系の人たちをハンドルする係として存在していると思ってる。で、すっかりみんな騙されたって感じですね。思えば。
で、これまでのところもっとも大きな騒ぎになっているのは、
Surgeon Generalというアメリカの軍の衛生兵の統括みたいなところ、公衆衛生局の証言じゃなかろうか。このリンクの中に公式アーカイブへのリンクがあったので私も辿っていってみた。おお、アーカイブかぁとちょっと感激。
The One Paragraph You Need To Read From The JFK Assassination Files That May Change Everything
https://www.archives.gov/files/research/jfk/releases/docid-32144493.pdf
で、それによれば、
大統領の体内に入った最初の弾丸は喉ぼとけの下で、前から撃たれた、大統領の車のフロントガラスには銃による穴がある、と。また、公園にかかってる橋からの銃撃には2人が関与しているんじゃないか、と。
つまり、後ろから説は否定された(またはその線が濃くなった)ということでしょうね。
これって大きいと思いますけどね。少なくともオズワルド単独犯説はないという話。
で、このあたりは以前から一杯拾われていた、最初の目撃者たちの証言とも合致する。広場の目撃者だけでなく、大統領の検視に立ち会った人たちの証言もみんな前から撃たれた説だったわけでしょ。最初っから。
その他、ここ数日で見たものを思いつくままに書いておくと、
・リンドン・ジョンソンはKKKだった。
JFK Files: Documents Show Democrat President Lyndon Johnson Was KKK Member
・ソ連は想定外で、しばらくして何か気付く。リンドン・ジョンソンが何かしかけてくるんじゃないかと思って警戒レベルを上げた。
(これは、前年にキューバ危機があってそれを米ソ両国の協力で回避したので、逆恨みが生じたと考えたということでしょうね。基本的にあってるわけだが)
さらに、なんでか知らないが今回開示されたファイルの中に、1955年のベネズエラのCIAの報告が入っていて、情報収集のレポートの中で、元ドイツSSの人物 Philip CitroenがこのCIAエージェントに語ったところでは、ヒトラーはまだ生きている、Citroenは、月に一度コロンビアでヒトラーにあったという。
で、エージェントが写真を求めて得たものとしてあんまり映りのよくない写真が添えられている。
JFK files show informant told CIA Hitler was living in Colombia
http://nypost.com/2017/10/31/jfk-files-show-informant-told-cia-hitler-was-living-in-colombia/
ということで、妙なネタにみなさんお喜び(笑)。
■ 不埒
で、この成り行きを見ていて思ったのは、アメリカは少なくとも1963年の方が良い人々の国だったなということ。
大統領が暗殺されたことに本当にショックを受け、本当に涙している人の映像もさることながら、その事件は解明されるべきだと思っていた人々が多数いたわけでしょ。だから、自分が見たことを正直に話した人たちが多数存在した。
で、この事件の一つの特徴としてはそれら目撃者たちが「事故死」していったことだと思うけど、そうしていくうちに人々には恐怖心が生まれて、結果的に国家あるいは当局というものを徹底的に信じない傾向が厳然として存在するようになったんだなぁとかも思う。
でさ、現在のこの取り組み方を見ていると、これは続くでしょうね。だって、メインストリームは真面目に取り扱う気がないもの。どうにかして、スピンをかけてやろうとしている。冒頭の豚のような男の記事もそうだけど、トランプは「陰謀論」をする人なので、こういうファイルの開示は危険なのだ、とかいう、考えてみればだから何なのだといった説を必死になって振りまいているのが現在のメインストリーム。
そこには、正直さ、誠実さ、これだけは曲げてはいけないといった法(道徳的なもの)がない。精神のない専門人、心情のない享楽人、この無のもの、の集合体になっとりまんなというところ。
といって絶望は私の趣味ではないので絶望はしませんが、大変な状況だなとは思う。
また何か出てくるに違いないので、タイトルに(1)を付けた。