DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ロシア・中国・イラン、けっこう固いよ

2017-11-01 06:05:49 | アジア情勢複雑怪奇

さりげないニュースだが、なかなか興味深いものをいくつかメモしておきたい。

トランプは、先の国連総会でイランをテロ支援国だとかなんだとか糞みそに言った。しかし、その陰で、イランのローハニと1対1での会合を申し込んでいたらしい。

しかし、イラン側が断ったとイランが国内で報道した模様。

Iran: We Rejected Trump's Push For A Secret Face To Face Meeting

http://www.zerohedge.com/news/2017-10-30/iran-we-rejected-trumps-push-secret-face-face-meeting

 

ホワイトハウスは否定しているそうだ。

 

私の興味を引いた中国の小ネタはこれ。

   中国の新指導部発足後の記者会見で、習近平総書記(国家主席)は「客観的な報道を歓迎する」と述べ、一見外国メディアに友好的な姿勢を見せた。

   ただ、この記者会見からはBBCや産経新聞など中国に批判的な報道が多い海外メディアが締め出され、実際にはメディアへの敵対姿勢は健在だ。

https://www.j-cast.com/2017/10/26312266.html?p=all

 

で、ここで締め出されたメディアは、

BBC、エコノミスト、フィナンシャルタイムズ、ガーディアン、ニューヨーク・タイムズ

それに産経新聞だそうだ。産経、この並びに入れられるって名誉?

いやぁ、わかりますよねこのラインナップ。中国のみならず、ロシア、シリアあたりを含めて、大陸側の動きについて、嘘ばっかり書いているところばっかりやん、ですから。

このへんって要するに、deep stateの広報部なんだと思うんですよね。だから、結論を決めて証拠を探すみたいな手法を取るんだと思う。公安警察、治安警察みたい。

そして、手頃なものがなければ作ってしまうことに躊躇がない。最近一番目立ったのは、なんといってもシリア報道の異常さでしょう。「テロリスト」(実際には傭兵だが)側の言い分を基に、アレッポの攻防を報じて来たことは記憶に新しい。

このへん。

ジャーナリズムの政治化とジハード支配

で、それはもうアレッポ陥落後、同業のジャーナリストたちから、あれはいかんだろうというある種の反省めいた記事が出た時点で彼らの負けなのだが、そんなことを気にする人たちではない。

 

ロシアまわりでは、中国の習近平総書記が再選を決めた後の人民日報の報道。

再選後、時間的にいち早く祝福の電話をかけてきたのは、習氏をあちこちで褒めちぎっていることで知られるトランプだったらしい。で、祝いの電話についてはもちろん人民日報も報じた。

ロシアのプーチン大統領ももちろん祝意を表した。それについても当然人民日報は記事にするのだが、そのニュースと共に、

 ロシアは、中国の総合的戦略的協力国であり、国際政治に危険で気まぐれな変化が起ころうとも、中国はロシアとの関係を深めるという自己の決意を変えない、と習さんは語ったという記事が来ていた。

China will not change determination to deepen relations with Russia -- Xi 

http://news.xinhuanet.com/english/2017-10/27/c_136708177.htm

BEIJING, Oct. 26 (Xinhua) -- Russia is China's comprehensive strategic partner of coordination, and whatever volatile changes may take place in the international arena, China will not change its determination to deepen relations with Russia, Chinese President Xi Jinping said Thursday.

これは、今年の春、中国の高官が何度かモスクワを訪問していた中で、その中の一人が習さんの親書としてプーチンに手渡したものを思い出させる。

これこれ。

今日、私たちの関係は、協力と相互利益によって特徴づけられる大国間の関係の例とされるのにふさわしいでしょう。私たちの関係は非常に堅実で成熟しており、戦略的協力と永続的な性質によって顕著なものとなっています。

また、習主席はこうもいいました。国際情勢の深刻な変化にかかわらず、私たちは、引き続き3つの定めを堅持し続けます。すなわち、状況にかかわりなく、戦略的パートナーシップと協力を深め、発展させる私たちの方針を変更しません。 共同開発と繁栄に基づく私たちの方針に変更はありません。平和と正義を守り、世界の協力を促進する私たちの共同の努力に変更はありません。

南北朝鮮問題:68年目


で、このロシア、中国、アメリカの様子をアジアタイムスによく寄稿しているインド人の元外交官のおじいさんが、「トランプのおべっかは習には効かない」とか書いていたのも面白い気がした。この並びというか、ユーラシアの人々による欧米メディアを経由した判断やナラティブでないものってのも価値がある。

Trump’s blarney won’t work with Xi Jinping

http://blogs.rediff.com/mkbhadrakumar/2017/10/27/trumps-blarney-wont-work-with-xi-jinping/

 

要するに、トランプ(またはアメリカ)のやってることが浅薄だと見えるわけですよね。

派手に嘘ついて、わーわー騒いで、その実なんとか現実の交渉をしないとならないから影で、なんらかのディールを取ろうとするわけでしょ。

だけど、それって多くの人間を騙すことになる。ここまでに築いた政治スペクトラムがあるからしようがないんだ、といくらいったところで嘘は嘘。

それに対して、ロシア、中国の動きは、見えるところで方針を宣言して動いている。その中で、もちろんいろいろ駆け引きはあるにせよ、むしろ時間と共に方針に嘘はないんだなと確認されることが続く。

 

総じていえば、ロシア、中国、イランは、チェスをやっている。チェスは盤面はみんなに見える。対して、トランプは一人でポーカーをやっている、みたいな感じではなかろうか。

自分はポーカーゲームをやっているつもりで、外向きにはこういう顔、しかし実体は、とかやって、それで自分(または自軍)が一番おいしいところを取る予定なんだが、そのやり方だと、「ポーカーフェース」でいる間誰かを騙しているわけだから、ばれてしまえば、不誠実が見えるだけ。

冒頭の、イランの、実はアメリカが接触して来た、の暴露はこの不誠実を満天下に晒したようなものとも言えるでしょう。

ロシアはチェスをやっているというのは昔から有名だし、立場を宣言してから喧嘩するという手法も有名。だけど、中国は従来は、影に回って動く、漁夫の利を取るといったイメージの方がずっと強かったと思う。それは要するにまだ中国が弱いからという理由ではあったでしょう。しかし、ここしばらくを見ていると、表でちゃんと立場を決めて宣言して立場を守りつつ行動するカラーに替えて来た。自信を付けたと同時に、そうでなければ国際的なリーダーにはなれないとも考えているんだろうと思う。

 

というわけで、ユーラシア地力派の団結はなかなかどうして、思想戦でさえあるように見えてきて興味深い。


 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« JFKファイル (1) | トップ | ロシアゲートというか、ウク... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『パキスタン迂回のイラン通路』 (ローレライ)
2017-11-01 12:04:37
『パキスタン迂回のイラン通路』インドは、チャーバハール港の拡張により、アフガニスタンや中央アジア諸国の市場への進出を目指しています。インドが、イラン南東部の港湾都市チャーバハールを経由する貨物の第1便をアフガニスタンに輸出しました。2017年10月31日23時23分parstoday.com/ja/news/iran-i36456ペルシャトウディさん☆
返信する
インド・イラン・アフガン (ブログ主)
2017-11-01 12:13:29

これですね。
イランを経由するインド製品の対アフガン輸出が開始
http://parstoday.com/ja/news/iran-i36456
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事