ボリビアの急展開の話を書こうと思っていたのだったが、アルカイダがらみであろうと思われるイギリス人が死んだという話もなかなか興味深いのでまずこっち。
櫻井さんが詳しく書かれいていた。
アル・カイダ系武装集団の医療部隊を創設した元英国情報部員がトルコで死亡
トルコ内務省は11月8日、拘束しているダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)戦闘員のうちヨーロッパ出身者を国外へ追放すると発表した。そのトルコでシリア市民防衛(SCD、通称「白いヘルメット」)創設者のジェームズ・ル・ムズリエが11月11日に死亡、注目されている。
その3日前、ロシア外務省の広報官、マリア・ザハロワはル・ムズリエをイギリスの対外情報機関、つまりMI6に所属していたと指摘したうえで、「アル・カイダ」と彼がどのように関係していたかを明らかにするよう求めていた。以前からル・ムズリエはMI6の「元」エージェントだと指摘されていた人物で、SCDはジハード傭兵の医療部隊だとも指摘されている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201911120000/
RTのこの件に関する記事。
White Helmets co-founder & ex-British officer Le Mesurier found dead in Istanbul
https://www.rt.com/news/473136-white-helmets-le-mesurier-dead-syria/
櫻井さんが書かれている通り、トルコが、拘束している、シリアで暴力ふるいまくてったジハード主義者で他国の出身者を国外に追放すると言っているというのが大きい展開。やるぞやるぞと言っていたが今までやってなかった。
トルコ、IS戦闘員らの送還開始 出身国の米国や欧州に
https://jp.reuters.com/article/syria-security-turkey-islamic-state-idJPKBN1XL2D4
[アンカラ 11日 ロイター] - トルコ政府は11日、拘束中の過激派組織「イスラム国」(IS)戦闘員について出身国への送還を始めたと発表し、ドイツと米国出身者2人の送還が完了したと明かした。
トルコは先月、シリア北東部に侵攻し、テロ組織と見なすクルド人勢力を攻撃。同地区ではこれまでに戦闘員287人を拘束したほか、IS関係者の拘束者も数百人に上るが、欧州各国が自国出身の戦闘員の身柄引き受けに時間をかけすぎていると批判している。
<略>
さらに、数日中に欧州出身者23人を送還する予定で、国別の内訳はデンマーク人1人、アイルランド人2人、ドイツ人9人、フランス人11人だという。
独外務省は、送還するドイツ人について男性3人、女性5人、子ども2人とトルコ側から通知があったと説明。ただ、IS戦闘員かは分からないと述べた。
これはISの分だけで、他のユニットもあります。ですので総数はこんな数では収まらないでしょう。
そして、時を同じくして、シリアのアサド大統領がRTのGoing Undergroundという番組で詳しいインタビューに応じていて、そこでも当然にアルカイダ系、ジハード主義者系の人間を西側がシリアに送り込んだ話が出てくる。
US will attack foes & friends to protect its hegemony, Syria just a latest victim – Assad to RT
このインタビューの全放映の前に、アサド大統領が話した言葉が番組宣伝用の短いクリップに収められていたのだが、その中には、
EUは難民が来ることばっかり言ってるけど、ジハード主義者が本国に帰ることも恐れるべき、といったものがあった。
EU should fear the jihadists it’s backing in Syria, not refugees – Assad to RT
https://www.rt.com/news/472999-assad-turkey-refugees-return/
ということで、シリアからテロリストとして送り込まれた外国人を送り返していく構想が現実化している現状では、ホワイトヘルメットだけでなく、後ろで操ってた勢力の身元も当然割れ始めている。
というより、トルコ、ロシア、イランはかなり正確な情報を当然持っているでしょう。
問題は、それを表にするかしないかでしょう。西側がすんなり撤退していたら、中身をバラすところまで来なかったかもしれない。しかし、いつまでもいつまでもテロリストを庇って、捲土重来を期す、みたいなことをやっているのであれば、それはシリア人のためにも、また、テロリスト(という傭兵)に脅かされる付近住民のためにもならない。
であるならば、MI6などの身元をばらして英米等の一般人にこの状況を考えてもらうしかなくなります、といういことじゃなかろうか。
そこで、困ったMI6等は、多分現地で使ってた奴を殺していくんだと思うな。バラされたら困るから。
するとこれは、アサド大統領のインタビューについてるキャプション
「米国は自分の覇権を守るために、敵も友も攻撃する」
US will attack foes & friends to protect its hegemony, Syria just a latest victim – Assad to RT
https://www.youtube.com/watch?v=flaqLAp0Yp4&feature=emb_title
というのと基調があうわなぁって感じ。
そりゃそうなのよ。だってthe Westの総合戦略は、システマチックな騙し、だと思うもの。敵も欺き、味方も欺き、みんなが混乱したところをいただく、という自己工作型漁夫の利戦法とか、全方位欺き作戦、みたいなもの。
前にも書いたけど、パレスチナの人たちの後ろ盾を取り上げて、巨大な味方の付くイスラエルに撃たれるままにして、その状況を作り上げた民主党がどの口でパレスチナのためを思うとか言ってんだよ、ってところを典型例としてみたいですね。
同様に、自分でシリアに武装集団を入れて、そこで混乱が起きる。当然にシリア軍が民間人を誤って撃ったり、誤爆したりといったことが起こる。すると、それ!!!と、シリア国軍は民間人をどうしたこうした、なんてことを書き上げ、アサドは悪い奴キャンペーンに利用する、などというのもあるね。
また、ホワイトヘルメットはさらに上を言って、自分でフリを付けて毒ガスが使われましたの大騒ぎを作ったこともある。
で、なぜこれが成り立つのか。それはメディアが「物語管理」をするからです。それ以外にはない。
物語管理をして、嘘のストーリーを売り込み、信じない人をある時は左翼と呼んだり、ある時は極右と呼んだり、ある時は親ロシアと言ったりして異物化していく。この繰り返しによって、この全方位欺き作戦は成立している。
西側覇権とはメディアの覇権である、と言ってみたい。
■ オマケ:多極化
でね、どうして多極化を受け入れられないのかというと、ドル覇権を守るため、IMF/世銀/米軍体制を護るため、とかいう理由もあるだろうけど、根本的には、「物語管理」の崩壊を恐れているのではなかろうか。少なくとも心理的にはそうなのではなかろうか。
つまり、ドル覇権だけだったら、別に人民元と半々になったっていいわけですよ。アメリカにもまだポテンシャリティは一杯あるんだから。
だけど、「物語管理」が崩れて、ロシアとかチャイナが全然別の見方をして、あははは、あいつら自分でテロリスト入れてやがる、ひでーよなー、とか、日本が対中国でくいつくよう事件を起こしがったな、証拠はこれこれで、と北朝鮮の公人をひっぱってきてモノを言わせ、考えられる限りこれは嘘ですね、ひでーよなー、みたいなことをなんのためらいもなく言えてしまう場が存在し、かつ、それが、「物語管理」の空間にも影響を及ぼすものであれば、管理は成立しない。
(ソ連の情報はすべて頭っから嘘と決めつけて、見ないものにさせていた。また、当時はそれができた。)
■ オマケ2
ヨーロッパとアメリカは、自分で作ったテロリストたちが本国に帰る話になるわけだが、この人たちを今後どう教育していくのだろうか? 中国共産党のウィグル対策でも参考にしてみる?
いやいや、人道的なテロリストとの共存法とかいうのを開発しているんでしょう、きっと。エライ人たちだから。