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ペンタゴン予算増額を要求

2018-02-15 19:53:14 | アジア情勢複雑怪奇

アメリカの政治を、例えばトランプが何といって、民主党系の誰かが何を言ってみたいなレベルでおいかけているとバカみたいな話なのだが、現実にはしっかりちゃっかりしている勢力が伸長している。

ペンタゴンが、ロシア、中国、北朝鮮の脅威のたかまりをうけて2019年度予算の増額を要求したそうだ。

Pentagon asks for major budget increase amid threats from Russia, China and North Korea

https://edition.cnn.com/2018/02/12/politics/pentagon-budget-increase-trump/index.html

Washington (CNN)Citing increasing threats from China and Russia, the Pentagon is asking for a major boost in military spending for 2019, requesting Congress approve a budget of $686 billion -- one of the largest in US history.

 

で、いくらになるかというと、686Billion、6860億ドルってことは、約70兆円超ですね。

中ぐらいの国の国家予算ぐらいだった時期はすでに過ぎ、ほとんど日本の国家予算に迫ろうという勢い。すごいですね、もう笑いが止まらないでしょう。

で、アメリカだけでもごっついのに、これに日本とNATO各国をあわせると、ほとんど100兆円ぐらいの金を使って、そこら中に侵略をかけてる始末。

一方のロシアの軍事予算は5兆円もいかないぐらい。中国が増えたって100兆円なんて遠すぎる。

 

さらに、情報機関の方は、ロシアが2018年の中間選挙に影響を及ぼすと断言。

こっちも予算取りでしょう。

US intel chiefs say Russia meddling threatens 2018 vote

http://news.abs-cbn.com/overseas/02/14/18/us-intel-chiefs-say-russia-meddling-threatens-2018-vote

 

ということで、トランプはリベラルの偽善を暴くのには成功したけど、軍産・治安ムラの伸張を許す恰好になりそう。オバマ時代もそうだったので継続ではあるけど、止めることはできなかった。

ということは、トランプが当選しそうな時に、ヒラリーも困るがトランプはもっと大変なことになる、ファシスト体制になると言っていた、イングダールやターピーといった陰謀論の本格派(要するに嘘系じゃない)の人たちの考えはある意味当たったということになるのかもしれない。

実際、ファシスト体制というのは財界と軍・治安体制が結託した体制だから現在のアメリカは既にそうだとも言えるんですけどね。ただ、一定の自由が残るから多くの人は気がつかない。これはソ連だって実は同じ。

が、しかし、私はここで、ファシストだわ、大変だわ、という気にはあまりなれない。なぜなら、このファシストレジームはうまく機能しないと思うから。ファシストレジームが効率的に機能するためには神話と宗教支配みたいな体制が必要。より大きなドイツ、安定したドイツのために、という理由ですべての違法性を阻却できるとか、天皇という語を聞いたらすっと背筋を伸ばして異論を述べず無条件の忠誠を誓う恰好が求められるとかいう体制になってはじめて、みんなを奴隷のように使えるというもの。

アメリカでその手のものを作り上げるのは困難。なので、結局は、「それやったらいくらになるんですか」、「黙ってますからいくらくれますか」、「こっちについたらマネージャーになれますね」、「カウンターオファー出したいんですが」etc. に応じる恰好の、ボトムアップのない(誰も心から忖度してくれない)、ひたすらお金のかかる、どこまで行っても誰も信用できない、インチキな体系ができあがるだけだろうと思うし、現在見ているのはそれだとも言えるでしょう。

したがってこのまま行くと、アメリカファーストどころじゃなくて、アメリカはどういう国なのかを課題とするような時期を迎えるでしょう。前から何度も書いてるけど、トランプは敗戦処理内閣として悪かったところは改めます的に立ち向かう方が、結果として混乱は小さかったと思うわけですが、そうはできませんでしたね。もちろん彼のせいだけでもないですが。

 

さらに、これは国内のみならず、海外でも同様だと想像できる。アメリカの中東の維持の仕方は、イスラエルとその対向勢力の両方にひたすら金をくばってできあがってる。

米国の公式の外国支援は、控えめな数字だと思うが2014年度で、43Billion。だいたい4.5兆円ぐらいか。

通常圧倒的に多いのがイスラエル。現在はアフガニスタンが断トツ。

https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_foreign_aid

しかしこの他に、大金持ちのいるアメリカにあっては、様々な民間の資金というのがあるし、他にもいろんな名目で援助できる。軍や諜報機関の予算から出ている分も大量にあるだろう。

 

イスラエルが悪いといってイスラエルなんていう1000万人もいない国を叩いてみてもはじまらないスキームがここにある。例えば、(最近実際にあった話らしいのでそれを例にとると)あるイギリスの上院議員の人がイスラエルを訪問する。するとそこではまったく結構に接待してくれる。そしてこの人はイギリスに戻るとイスラエルのなんだかの活動のためにイギリスが金を出す法案を作る。当然ここに見返りが生まれる。この人は要するにイギリスの金を持ち出してイスラエルのために奉仕して、自分も儲かる。

日本でいうキックバックの仕組みみたいなもの。これが先進国中にあるものと想定される。こうやって、議員もビジネスマンも、アメリカをはじめとした先進国から金をまきあげつつ、イスラエルを支援し、イスラエルはその金で中東中、あるいは世界中に不和の種を蒔いてせっせと不安定や危機を作る。

対向勢力側はそのたびに、民衆の怒りはあるから一応なんかいうけど、援助額の増減やら武器の供給だのなんだのかんだのを通じて、なんとなく適当な話に落ち着く。少なくとも、本気でイスラエルに向かっていく国はない。そしてこっちも、先進国からの援助の仕組みがある。

危機と寸止め、時に暴発の仕組みはいかにもお金がかかっている。

そして、それらの寸止めと暴発の中にいる各国民は多くの場合その指導者に腹を立てるチャンスを持っているので、これを制しないとならないからさらにここでもコストがかかる。

このスキームは、このままやるとしたら、必要金額が増えることはあっても減ることはないだろう。しかしそれらの金は一体何に使われたと考えればいいんだろう? 何の成長も、改善も、進歩もない。

 

一方、中国とロシアは一帯一路構想で道を作り、線路を通して、パイプラインを作ってエネルギー効率の向上を達成し、安定の上に経済発展を、なんてことをやってる。お前らは資本主義じゃない、不効率な経済のくせして、みたいなことをさんざん先進国は叩いていたわけだが、様々な分野でいつの間にか話が変わってますがな、といったところ。

中国とロシアの間のメジャーなパイプライン(power of Siberia)は、おそらく近くもう一本行くだろうと予想されている。ガスプロムは巨大なだけでなくしっかりとした優良企業だから一回つきあったら、ソビエトの遺産でやってるような北西部の独裁者の恣意性をはらんだ供給源よりよっぽどいいという話になるだろう、と予測されているようだ。

The Power of Siberia and China’s Next Natural Gas Moves

 

で、これらの進捗を妨害しようとアフガニスタンに居座る米なのだが、しかし、今年で17年目に入ったアフガニスタン占領計画は一体どこまで行けば終わりになるんだろう? シリアを切り取って戦争にしたからといって、米に得られるものは何?

いろいろ考えるに、軍事で全世界を支配するというのは非効率な話だし、現実問題としても単なる妄想だと思う。


 

 


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