あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
という気分で7時の大本営発表を見たら、トップニュースがトルコのテロの話だった。なぜ? しかもわざわざ日本の取材者がトルコに入って報道していた。といって別に何か特別な発見があるようにも見えなかった。相変わらず、日本ってよくわからない国だわな、と思った。
新年のニュースぐらい日本の立ち位置から、例年通り私たちはおめでたく新年を迎えていますといった感じにできないものなのか。
今年も昨年に続き、崩れゆく日本を見ることになるんだろうなという、予兆に満ちた大本営発表であった。
さて、新年に行く前に、2016年最後の重要事項は、国連安保理で、シリアの和平プロセスについてロシアとトルコが仲介となる形の案が全会一致で支持された。
シリア内戦、ロシア仲介の和平支持=停戦履行を優先-安保理、全会一致
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017010100016&g=isk
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は12月31日、ロシアとトルコが仲介するシリア内戦の和平プロセスを支持する決議を全会一致で採択した。決議もロシアとトルコが主導し、ロシアにとって大きな外交的勝利となった。
今回の和平プロセスには、詳細が不透明な点も多い。しかし、安保理は停戦履行の後押しを重視し、和平プロセス前進を優先させた。ロシア主導の和平に安保理がお墨付きを与えた格好だ。
まぁ、この2日前に、シリア内の反体制派とシリア政府との停戦が合意されたので、その形を使っていこうというものでしょうね。
シリア停戦合意達成、脆いけどby プーチン
これってでも、もうみんなが理解している通り、シリア内の問題じゃない。シリア反体制派なるユニットを支援してきた、カタール、サウジ、トルコ、そしてアメリカ、NATO諸国が手を引くのか、引くとすればどうやって、引かないとすればどうやって、という話ですからね。
西側の報道を見ると、ロシア主導になったからロシアの外交的勝利とか書いてますが、ロシアは自国民を殺されても踏ん張ってるという意味で、信じられないぐらい、まったく気の毒な犠牲を払っているというべきだと思う。
糞を撒いたのはロシアじゃないから。
つまり、アルカイダ、イスラム国を作って支援してきた人たちが責任を取る番でしょう。取らないと思うけど(笑)。
その前に、アレッポの件について嘘情報を流しまくって、世界中をテロリストの見解に染めていった主要マスメディアの責任を追及しないとならないんだけど、誰にできるんだろう?
ということで、今年問題になるのは、サウジ、イスラエル、あたりなんじゃないのかなという気はする。ということは、その現れとしてイランなんでしょう。
で、主要マスメディアの件というのはユダヤ系の問題と非常に密接なテーマだから、あわせて問題化されていく可能性は若干あるかも。
そういうわけで、今年もほぼ間違いなく波乱に満ちた年になることでしょう。なんせ2017年だというのもあるわけだし。
■ 日本の対応
ちょっと興味深い記事があったのでクリップ。
日本 日ロ首脳会談を考慮しシリアに関するG7諸国の立場に同調せず―共同電
https://jp.sputniknews.com/politics/201612313202571/
日本は、12月7日に公表されたシリアに関する他のG'7諸国の共同声明に、日ロ首脳会談に否定的な影響が出るのを避け、加わらなかった。共同通信が30日、伝えた。
だそうですよ。元記事を見てないので共同がどう書いたのかよくわからないですが、あり得る話だなと思ったし、日露首脳会談に否定的な影響が出るから、という理由を使いながら、シリア問題から多少身を離そうという考えを日本の外務省(または官邸)が持っているのなら、その方がいいと私は思う。
しょせんこの問題は、NATO問題でもあるわけで、これは潜在的には自爆する可能性があるのに、わざわざ付き合うことはない。三国同盟阻止! って感じ。
■ 関連情報
トルコのエルドアン大統領は、シリア国内に何らかの自治区を作ることに反対する姿勢を改めて明らかにした。土曜日、アナドル通信が伝えた。 https://jp.sputniknews.com/middle_east/201612253177117/
シベリア出兵 - 近代日本の忘れられた七年戦争 (中公新書) | |
麻田 雅文 | |
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応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) | |
呉座 勇一 | |
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日本のNHKが熱心にトルコが大変、ISですってよ! と言っている時点で、なにかこう、番宣ですかみたいな気がしてしまう。