マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『日月巡礼 出羽三山』(著:稲田美織 出版:小学館)を観る

2019年07月13日 | 読書

 山仲間との、今年の夏山山行は7月に奥多摩の高水三山、8月に鳥海山(標高2236m)と決まり、登山計画書も作り終えた。しかし、明日14日(日)に予定している、トレーニングを兼ねた高水三山は、梅雨がまだ明けず21日に延期となりそうだ。
 鳥海山では快晴を期待したいが天候は如何ともしがたい。(写真:ニッコウキスゲ咲く鳥海山・長坂道)
 私は20数年前に鉾立から山頂を目指し、御室に一泊し無事山頂に立つことが出来た。その後、山行記録を読んだり、『花の百名山』などを眺めるうちに残念と思えることがあった。鳥海山は高山植物豊富な”花の山”だったのだ。その頃は山頂を目指すのが中心で、花を愛でた記憶が薄い。そこで、今回の山行では、雪渓があり、お花畑が美しいと言われている湯の台口コースを選んだ。一昨年の巻機山も、昨年の会津駒ヶ岳も池塘が可憐だった。

 先週の土曜日だったか、ラジオ体操に出掛けると、ひげ爺ことYさんから、2冊の本を渡された。一冊は『きみまろ夫婦川柳3』で、もう一冊が『日月巡礼 出羽三山』だった。出羽三山とは月山(標高1984m)、湯殿山、羽黒山のこと。いずれも信仰の山として名高く、その北60Kmの処に鳥海山がある。絶妙なときに貸していただいた本だなと思いながら、写真集を眺め始めた。
 著者は稲田美織氏という女
性写真家で、私はこの本でその名を初めて知った。「出羽三山に導かれて」と題するあとがきで、本書作成までの経緯が書かれていた。(写真:本書表紙)
 ニューヨークで写真家として活躍していた彼女は2001年9月11日に、自宅からアメリカ同時多発テロの全てを目撃し、衝撃を受け、その日を境に世界中のあらゆる聖地を巡り始め、多くを写真に収めてきた。2013年に伊勢神宮の遷御の儀を撮影した写真集を観た、出羽三山の神職から撮影の依頼があり、本書撮影に至った、とのことだった。
 見事な写真集だ。出羽三山は信仰の山と改めて思い至る、数々の祭りが登場する。松例祭然り、八朔祭然り、紫燈祭また然り。特に雪上での火祭りが荘厳だ。雪を纏った山頂が神々しい。月山・御田ヶ原の池塘が懐かしい。私も40年前に職場の先輩たちに連れられて、旅の途中で月山に登り、ここの池塘を通ったことがあったが、今も強く印象に残る風景だ。(写真:御田ヶ原の池塘)
 貸して頂いた2日後にそんな感想をYさん告げると、「この本は山好きな貴方に上げますよ」とのこと。一時は辞退したが、最後には有り難くい頂くことにした。何度もこの写真集を眺めている。