6月10日(水)の早朝、3度目の「南めぐりん」散歩に出掛け、漸く34ヵ所全てのバス停を歩き終えた。㉘の台東病院で折り返すと直ぐに「𠮷原弁財天」が目に入って来て、その時初めて私は「𠮷原」に一歩足を踏み入れたことに気が付いた。ただ、時間の余裕がなく、お参りしただけで次のバス停へと急いでしまった。
帰宅して直ぐ、馬場さん夫妻から送って頂いた朝日新聞の切り抜きを取り出して再読した。4月25日(土)の“みちのものがたり”は「樋口一葉<たけくらべ>への道」と題して、一葉や廓の町に暮らすこどもたちが主役の『たけくらべ』の後に𠮷原が語られていたていた。 これは是非かの地を訪れなくてはと考えた時に、閃いたことがあった。台東病院へは循環バスが3系統も通っている。そこで、次回は「北めぐりん」を巡ろうと考えた。この地にある「一葉記念館」も訪れるには早朝散歩ではなく昼間がより良いと考えた。しかし、6月19日に「他府県移動」が自由になっても「一葉記念館」は閉館が続いていた。それでは今まで通り、早朝散歩でかの地に行って見よう、いつもより長めの時間を取ろう、と考えた。(写真:千束三丁目も3つのコースの停留所)
6月20日(土)の梅雨の晴れ間の一日は、絶好の行動日に思え、4時30分丁度に自宅をスタートし一部自転車利用で、次の様なコースを辿った。 自宅→(自転車)→谷中図書館→(徒歩)→⑬書道博物館→(北めぐりん・根岸回り)→⑦竜泉一丁目
⑦の竜泉一丁目からは「北めぐりん」のバスコースをはずれ、
「千束稲荷神社」→「一葉記念館」→「京町一丁目」→「𠮷原神社」→「台東病院」→「𠮷原弁財天」→「小野照崎神社」 と回った。
ここから谷中霊園を経由して谷中図書館へ戻り、置いておいた自転車で7時30分に帰宅した。(写真:台東病院)
①三島神社
「北めぐりん」は金杉通りを運行するが、その通りを右折する直前に三島神社がある。今年の祭礼はどうなっているかが気掛かりだった。ネットを見てもその事に触れていない。現地まで行くと、通りの掲示板には「三島神社大祭中止」のお知らせが貼られていた。
“みちのものがたり”には気になる文章が書かれていた。一葉記念館の学芸員石井広士さんによれば「・・・一葉の時代には下谷の三島神社の角を曲がれば一筋に続く、廓への通い路だったのですよ」と。私はその角を曲がった先を見渡したが、もちろんそんな雰囲気は微塵も残っていない。ただ安政地図(下図)を眺めると確かに𠮷原へと続く長い道が存在していた。(A:三島神社 Bを右折すると CからDへと続く一本道 Dは西河岸でそこから先は新吉原) (以下次回へ)