6月19日(水)、妻に誘われて、東博で『奈良大和四寺のみほとけ』展を観て来た。展示会場は平成館ではなく本館の11室、特別展示ではなくて特別企画だった。
奈良大和四寺の四寺とは岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院のことと会場で知った。奈良より更に南に位置する、近鉄大阪線や吉野線沿線の寺々で、安部文殊院以外は何度か訪れたことがあった。こちらから出掛けるには随分遠いところからのお出ましで、「良くぞお出で下さいました」との呟きが聞こえた。有り難いことに、国宝など、寺の選りすぐりの名品を鑑賞出来た。国宝4点や重文など全部で15点の展示。そう広くはない会場をゆったりと回った。(写真:図録表紙の室生寺の十一面観音菩薩立像) 岡寺からは《開祖義淵僧正坐像》(国宝)。顔に刻み込まれた皺や浮き出したあばらなど、そのリアルな造りに驚かされる。初めて観たのが《天人文甎》で、解説文には「甎とは焼いて仕上げた煉瓦のことで、ひざまずく人物は天人と思われる」とあった。小さい《菩薩半跏像》も初めて拝観した。岡寺本像の像内から発見されたと伝えられ、31cmと小さく可愛らしく思える仏さまだ。(写真:右は《菩薩半跏像》で下は《天人文甎》)
室生寺からは国宝2点を含め全部で4点。2012/11/23のブログに書いた様に、7年前に金堂内で《薬師如来坐像》と《十一面観音菩薩立像》を拝観した。その両国宝がお出でになっているとは!しかも直ぐ目の前で拝観できるのだった。十一面観音さまはふっくらとした頬でふくよかなお顔。細い線で刻まれた衣文線が美しい。
仏像よりも本堂舞台の印象が強い長谷寺からは2つの十一面観音菩薩立像を含む6点。本尊の十一面観音菩薩立像の移動はあり得ないか?
安倍文殊院からは、快慶作《文殊菩薩像》の像内から発見された国宝の経巻、《仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等》のみ。
毎度のことではないが、今回は東博の入館料620円(70歳以上無料)のみでこの特別企画を拝観できる。会期は6月18日~9月23日とのことで、再度ここを訪れたい思っている。
今日の一葉:漸く横顔を見せたシロクロエリマキキツネザル。25日撮影。