19日(水)、サントリー美術館に「醍醐寺」展を観に行った。
サントリー美術館は六本木ミッドタウン3階にある。今回は地下鉄乗り継ぎではなく、西新橋一丁目から都バス[都1]渋谷行を利用した。六本木駅前下車徒歩7分くらいか。バスだと都心の風景が眺められそれも又楽しい。
醍醐寺には膨大な数の仏像・仏画・経典が守り伝えられ来ているそうな。2度ほどこのお寺さんを訪れたことはあったものの、そんなことはつゆ知らず、“醍醐の花見”縁りの庭園を見学しただけで、後は焼栗を買って帰って来たことが悔やまれる豪華な展示だった。
桜の名所としても知られる醍醐寺は貞観16年(874年)、空海直系の弟子、聖宝(しょうほう)が「醍醐味の水がわき出る」とされた笠取山に開いた。山頂に広がる上醍醐と山裾に広がる下醍醐に分かれた広大な寺域には国宝6棟、重文10棟を始めとする堂宇が建ち、約15万点もの寺宝が伝わるそうな。今回の特別展では、福岡の会場とあわせると39の国宝、58の重文を含む122件が展示されるとのこと。
取り分け、如意輪観音坐像・金剛夜叉明王・薬師如来坐像をじっくりと拝観した。会場入り口では「如意輪観音坐像」が迎えてくれる。頭を傾け、右手の指を頬に添え、思惟するような雰囲気の観音様。私はロダンの「考える人」を連想してしまう。写真で何度か観たことはあるが、実物を拝見するのは初めてで、優美な姿は見飽きない。(写真:如意輪観音坐像)
「五大明王像のうち金剛夜叉明王」の大胆なポーズにはびっくりした。この様なアンバランスな姿の金剛夜叉明王を初めて観たからか。(写真:金剛夜叉明王)
4階を観終えて3階へと降りる階段上までやって来ると、突然薬師如来坐像が現れる。初めは階段上から坐像全体を見下ろし、階段を下るにつれて目線が合い、最後は見上げることとなる。この様な拝観の仕方が面白く、嬉しくて私は3度も階段を上下した。台座を含めると高さ3mを超す、上醍醐・薬師堂のご本尊。堂々とした姿は男性的な雰囲気。お助け下さいと何事かを願った人も多かったことだろう。
妻がここの会員。そのお供だと何度でも拝観が可能。今回は素通りした「真言密教の空間」をもう少し学びたいと思いながら帰って来た。(写真:薬師如来坐像)
今日の一葉:新御所トンネルを潜り抜けて来た中央線。朝日橋上から撮影。