11月14日(水)の昨日、出光美術館で開催中の「琳派芸術Ⅱ」を鑑賞して来ました。実は、出光美術館では「琳派芸術Ⅰ」として、昨年1月8日~2月6日と2月11日~3月21日の二期に亘る展示を開催しましたが、3・11大震災の為、急遽、後期展示を中止しました。私は、2月3日に前期を観ていましたが、残念ながら後期は見る事叶わず。出光美術館としても思い新たな「琳派芸術Ⅱ」であった事でしょう。
琳派の絵画は色彩豊かで、華やかです。会場に一歩足を踏み入れたとたん、その華麗な色彩の世界が目に飛び込んで来ました。
構成は次の5部構成。
Ⅰ 金と銀の世界
Ⅱ 草花図の伝統
Ⅲ 江戸琳派の先駆者
Ⅳ 俳諧・機知・闇
Ⅴ 抱一門下の逸材 です。
圧巻は第1部。酒井抱一の「風神雷神図屏風」「夏秋草図屏風草稿」「紅白梅図屏風」「八ツ橋図屏風」が展示されていました。 「風神雷神」の原案は俵屋宗達にあると言われ、後に尾形光琳がこれを模写します。その光琳に私淑した抱一が光琳を強く意識して描いた「風神雷神図屏風」。抱一独自の工夫を加えた、金地屏風の意欲作とも語られ、何度観ても飽きません。
今回は宗達・光琳・抱一という琳派三大巨匠の、三図の違いが解説されていました。「(抱一の図では)神々の表情が親しみやすい通俗的なものとなり、抱一の洒脱な味付けが活きている」との説明文にあり、なるほどと思いました。(写真:別冊太陽より)
光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描いた「夏秋草図」の草稿。昨年の秋に訪れた千葉市立美術館での「酒井抱一と江戸琳派の全貌展」では、草稿図のならず「夏秋草図屏風」そのものを観て感動したことを思い出しました。 「八ツ橋図屏風」は緑青の濃淡塗り分けにより、葉の表裏を区別し、金地屏風ゆえ、光琳図と比較して明るく見えるとの解説です。この二双は座って目の前で鑑賞で出来るように長い椅子が置かれていて、私達もじっくりと金地屏風の代表作を鑑賞しました。(写真:別冊太陽より)
第2部の「草花図の伝統」には、俵屋宗達の「西行物語絵巻 第四巻」(重要文化財)が置かれています。MOA美術館の様にその全貌が鑑賞できる展示ではなく、西行が老僧を訪れる、風情ある一場面しか鑑賞出来ないのが凄く残念です。しかも第一巻は後期の展示との事。他に名品が数点後期展示に廻っいて、再度訪れようと思ったのでした。