「富士鷹」に寄ってから足立の花火を観に行くことが決まって直ぐ、熊倉さん(熊ちゃん)から「酒を一杯ひっかけて、花火を見に行くなんざ、江戸っ子になった気分ですね」とのメールが入り、私は「そうだ」と思った。江戸っ子の実態は詳しくは知らないが、江戸時代に大人も子供も大川の花火を楽しみにしていたことだろう。陽が落ちれば川面には涼しい風が渡り、夜空を彩る光の輪。広重「名所江戸百選」(右図)にも描かれた。一杯ひっかけた江戸市民も多かったことだろう。江戸から東京へ、今も変わらぬ納涼風景、夏の風物詩。
大川の花火は中断の時はあっただろうが「隅田川花火大会」へと受け継がれて来た。その頃は、現在の荒川は無かったが、その荒川の土手を利用しての40回を数える「足立の花火」である。 その歴史を少し紐解くと、”千住の花火大会”が衣替えして、1979年(昭和54年)に第1回が「荒川の花火大会」との名称で開催されている。2011年は3・11大震災で多くの花火大会が中止されたが、荒川の花火は10月に延期し開催された。私が初めて足立の花火を観たのはその翌年でやはり秋に実施され、北千住側の土手からの鑑賞だった。実に大きな輪が頭上に花開いた。最近では隅田川花火大会の1週間前の、7月の第3土曜日に開催されている。東京の花火大会皮切りとしての存在でもある。今回は40回の記念大会とのことで、13600発が打ち上げられるとのことで、大きい期待を持って出掛けていった。
この花火大会、荒川土手の両側から見ることが出来る。御徒町で乗車した日比谷線を北千住で乗り換え小菅へ。開会の1時間前の6時半頃だったが、久し振りに味わう物凄いラッシュ。やや空いている西新井側から見ようと電車で荒川を越えたのだ。
花火鑑賞には千住新橋と西新井橋の間がベスト。しかし、菅原さんも熊ちゃんも凄い人に圧倒されたか、席が取れないと心配したか、千住新橋手前で「席を取りましょう」となり、土手の一番高いところに席を確保した。私は右写真の椅子を3つ用意しておいた。
19時半から20時半までの打ち上げ。夜空に大きな光の輪。ほろ酔い故かあっという間に時が過ぎていった。ただ、花火打ち上げ現場から遠く離れていたので、前回ほどの迫力は感じられなかった。遠くへと帰らなければならない2人は終了10分前には席を立った。来年は奮発して有料席を確保しましょう!
今年は3週間連続の花火鑑賞。来週がマンション屋上からの「隅田川花火鑑賞会」で、8月4日に「いたばし花火大会」を南長崎にあるマンションから見る予定。こうやって、猛暑の夏を幾らかでも凌ぎたいものだ。