マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

第2章 初級ステップ(9)

2009年06月11日 | 数独


             図1
 図1は新しい数独の問題です。今までブログに書いてきた
 (1)数を入れる手筋 ①~④
 (2)候補数を消す手筋 ①~④
を実行し、その事だけでは先に進まない状態を図2とします。

             図2
 ⑤「隠れた2国同盟」の手筋が成立しないか、盤面を凝視します。少しお考え下さい。

 マーちゃんが気が付く事とは違う事に気が付いた方もいる事でしょう。数独の解き方は人により千差万別!です。マーちゃんは下図3で説明します。


             図3
 図3のマスi7とi9(黄色印)に注目です。i行についての考察でもⅨブロックについての考察でも同じなのですが、説明の都合上Ⅸブロックについて考えます。
 このブロックで3と7と8は候補数が2個。しかも3と7は同じマスに入っています。だから、i7=3が成立すれば、i9=7であり、i7=7が成立すれば i9=3 です。どちらの場合でも i7とi9はセットで3と7に”準確定”です。とすれば二つのマスを同時に含むi行とⅨブロックにはもはや3も7も入りません。言葉を変えて言えば、(この二つのマス以外のマスから)3と7を消去出来ます。
 「自明の2国同盟」と何処が違うのか。「自明の2国同盟」の場合、マスに入る候補数は両マスとも2つで、目に見易い状態でしたが、「隠れた2国同盟」の場合、i7は候補数4個、i9は候補数5個と共に2個ではありません。その様にして、当該数(この場合3と7)以外の数に隠されているようにして「同盟」が成立していますから「隠れた2国同盟」と呼ぶ事にします。
 外国の資料では「自明の2国同盟」のことを「naked pair」と言い、「隠れた2国同盟」の事を「hidden pair」と呼んでいます。
 さて、この「隠れた2国同盟」は、こんなに遅くではなく、問題解決の早い段階で気が付く方が多いと思います。
 それはユニット内(行・列・ブロック)の候補数が2個の場合、数に○を付けるのです。図4をご覧下さい。Ⅸブロックの拡大図です。

       図4
 このブロック内の③と⑦に注目すると「隠れた2国同盟」が簡単を簡単に発見できる、と言うわけです。(実はこの問題では初期段階は「隠れた2国同盟」は成立せず、局面が進んで「同盟」関係が成立しました)
 この方法を使うと多くの問題は簡単に解けると豪語する方もいるほど強力な方法です。(ただ、候補数2個が行内か列内かブロック内かによって、以後の判断が違ってくるので、行内の2個は○、列内の2個は□、ブロック内の2個は△と違った印を用いましたが、煩雑なので止めて、マーちゃんは○で統一し、判断時に念には念を入れて「隠れた2国同盟」成立か否かを判断しています)。
 さてこの「隠れた2国同盟」でi7とi9は3と7が、その位置(i7とi9)を占める事となりましたから、この二つのマスでは3と7を残し他の数は消去出来ます。また3と7が”準確定”となった結果を受けてi行とⅨブロックから、3または7が消去出来るマスがあるか否か読みますが、この場合更なる消去数はありません。その結果図5に至りました。


             図5
 明日から暫く、インターネット環境の無い所へ旅に出ますので、数日後から「第3章 中級ステップ」を書き始めます。




 


第2章 初級ステップ(8)

2009年06月11日 | 数独


             図1
 図1は前回のブログ最終図の再掲です。
 「自明の2国同盟」の成立の結果、幾つかの候補数を消去し図1に至りました。更に「自明の2国同盟」が成立していることが発見出来る事と思います。図2を見てください。


              図2
 図2でe1とe7(赤印)が、又e1とf2(これも赤印)が共に「自明の2国同盟」で他の数を消去出来ます。消去して図3に至りました。

             図3
 次回は⑤「隠れた2国同盟」について書きます。



第2章 初級ステップ(7)

2009年06月09日 | 数独


                               図1
 図1は前回のブログの最後の方に現れた局面です。
 ここまでに(1)マスに数を入れる手筋①~④
        (2)候補数を消す手筋①~③  を繰り返し実行しただけでは新たな進展が見られない状態に至っています。
 この様なときに考えたい手筋が「2国同盟」が成立するか否かです。
 ④「自明の2国同盟」
 
              図2

 図2のマスc4とc5(赤印)に注目です。c4もc5も候補数が7と9の2個のみ。しかも同一のc行にも同一のⅡブロックにも属しています。c行で考える事とすると、この行でもしc4=7ならばc5=9となり、逆にc4=9ならばc5=7となります。c4もc5も数が確定しているのではありませんが、c4とc5をセットで考えれば7と9がセットで確定いています。”準確定”です。とするとこの二つマスと同一のc行とⅡブロックの他のマス(黄色印)には、7も9も入りません。言い換えれば、それらのマスに7や9があれば消去出来ます。
 この手筋のことを「裸のペア」とか「定員確定」とか「2国同盟」とか呼んでいます。言葉は不統一ですが、マーちゃんは「自明の2国同盟」と呼びます。「自明の」と名付けたのは、問題を解きなれた人の目にはその事が直ぐに分かる(=明らである)からです。数学などでも「自明の解」という言葉が使われます。この「2国同盟」の拡張たる「3国同盟」や「4国同盟」など、より複雑な状況を考察するに際し、2や3や4が重要な意味を持ってきますので、あえて「2国」と言う言葉を用い「自明の2国同盟」と呼びます。
 さて「自明の2国同盟」は数独に慣れてきた人だと、一目に気が付く場合が多いと思いますが、念には念を入れたい方は、a行~i行、1列~9列、Ⅰブロック~Ⅸブロックと順を追って調べたら良いと思います。この問題では、更に図2のd3とf3(水色)が「自明の2国同盟」で、薄いピンク色のマスから(それらの数が存在すれば)2と4を消去する事が出来ます。


             図3
 図3に今回のブログで述べてきた事を視覚化しました。
 図の赤印と水色印が「自明の2国同盟」でそれぞれ黄色印のマスの7と9を、ピンク印のマスの2と4を消去した結果を示します。その結果c6=5とe3=6をマスに入れる事が出来ます。
 その2つをマスに入れた結果に伴い、c6=5と同一のユニットから5を消去し、e3=6と同一のユニットから6を消去して図4に至りました。

             図4



 


第2章 初級ステップ(6)

2009年06月08日 | 数独



                               図1
 図1は前回のブログの最終局面です。
 (2)候補数を消す手筋で ①行について考える ②列について考えるを実行し図1に到達しています。
続いて③ブロックについて考えます。
 まずⅠブロックです。候補数で登場する回数が2回以下の数は無いか?・・・ありません。Ⅱブロックはどうか?・・・ありました。4が該当する数で、しかも同一の行に属していますから、”消去力”を持っています。(くどいですが、再度その理由を書きます。Ⅱブロック内で4はa4またはa5にしか存在しません。どちらに存在してもa行にこれらのマス以外に4は存在し得ない)そこでこの場合消去で出来るか否か調べると、4が消せることが分かります。
 ここで一言付け加えます。”原則としてユニットに2回登場する候補数”を捜すと書きました。と言うことは例外があると言うことです。このブロックの候補数2は3回登場します(=3個存在します。)それも同一行に存在します。この2も消去力を持ちます。この3マスのいずれか一つに2が来るわけですから、この行には、3個のマス(a4、a5、a6)以外に2は存在し得ません。他の2は消去出来るわけです。ただしこの局面では消去の対象が存在しません。実は5も同じ様に考えるべき数です。
 続いてⅢブロックはどうか?・・・6が2回登場し、しかも同じ列なので”消去力”を持ちますが、同じ列に他に6はありませんから、消去される数はありません。続いてⅣブロックはどうか?。・・・3と6と7が該当数ですが、他の数を消去することはありません。
 以下Ⅸブロックまで進めていくと、Ⅷブロックの8が他の8を消す事が分かります。図2をご覧下さい。

             図2
 図2でこのブログで述べてきたことを視覚化しました。赤印の数の存在で黄色印の数を消す事が出来ます。その結果が図3です。

             図3
 問題はここで、次の思考へ移る前に、もう一度(2)①~③を考るのが有効と、マーちゃんは考えます。一つの数の消去がそれ以前の状況を変化させている可能性があるからです。そういうことを言い出すと、「その考え方を進めていくと、(1)まで戻らなければならない」と思う人もいることでしょう。戻ってもいいのですが、マーちゃんはいずれ又そこまで戻ることもあるだろうと考えて、同じ作業内の繰り返しに留めます。
 この問題では再度(2)①~③を点検しても変化はありません。そこで次へと駒を進めます。次回からやや理論的な話になります。「2国同盟」から始めたいと思います。


第2章 初級ステップ(5)

2009年06月08日 | 数独


                         図1
 図1は前回のブログの最後に登場した局面です。
 候補数を減らす事を考え、まず① 行について考えました。
続いて
② 列について考えます。
 行での”読み”と同じように、原則として列の中に2個登場する候補数は無いか1列~9列まで考えます。
 1列の3と7が2個登場し、3も7も同じⅣブロックに属しますから、消去力を持ちますが、Ⅳブロックには登場したd1とf1以外他に3も7もありませんから、結果として消去は起こらず不変です。(実はマスd1とf1の間に後述する”2国同盟”が成立します。こちらを気が付く方も多い事でしょう。マーちゃんは今はこのことに触れません。系統だった方法を求める為、もう少し後での説明に回します)
以下9列まで進めていく中で、8列でのみ消去が起こっています。
 図2にご覧下さい。

              図2
 図2で8列の1はh8とi8にのみ登場し(赤印)、しかもh8とi8は同一のⅨブロックに属するので、このブロック内の黄色印の1は消去できます。その結果図3となりました。
   
              図3