食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

あったかけんちん汁 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2021-02-18 17:17:22 | 本(さ)
  あったかけんちん汁 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
居酒屋「ぜんや」の女将・お妙は、亡き夫・善助の過去について新たな疑念にとらわれ、眠れない夜が続いていた。そんななか、店の常連客である菱屋のご隠居の炉開きで、懐石料理を頼まれる。幼い頃に茶の湯を習っていたお妙は、苦い思い出を蘇らせながらも、客をおもてなししたいというご隠居の想いを汲んで料理に腕をふるう。湯葉の擂りながし、かますの昆布締め、牡蛎の松前焼き…つらい時こそ、美味しいものを食べて笑って。「ぜんや」がつなぐ優しい絆に心あたたまる、傑作人情小説第六巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第五巻の読書感想文はこちら

只次郎、相変わらずお妙の作る料理をおいしそうに食べ、人柄よくほがらか、愛想よく、さらに今回はずいぶんとたくましく、頭が切れ、私の中で人気急上昇! にくいのは近江屋‥ 感じ悪いと思ってたけど、ほんとに悪い人だった。お妙の亡き良人の死の真相にまつわる話がずいぶんと大きくなっちゃって、どうなることかと思っていたら、お妙はもちろん只次郎や菱屋のご隠居、商家の主人たちにより草間の正体、近江屋の悪行がわかってひと段落。ここで終わってもよさそうなものだけれど、気になるのは只次郎の行く末、鶯のルリオの後継者問題、おえんのダイエット(←ぷぷぷっ、ほんと気になる~)。

一話ずつのちょこっと感想。
口切り:茶の湯の炉開きの過程が興味深かった。いろいろしきたりがあるのねぇ。それからお妙の幼少のころの気性が知れておもしろかった。

歩く魚:只次郎と兄の仲がうまくいかなくなっていて悲しい。武家の長男、次男という生まれ持っての立場の差からお互い相いれない模様。しかも只次郎は兄からぜんやに出入り禁止を言い渡され、さらに父から婿養子となり家から出て行けと言われ、さらにさらにルリオの後継者の見込みもなく散々な様子。が、動いたよ! 只次郎が! やるね!

鬼打ち豆:草間との同居を決め込んだ只次郎。ぜんやの2階にはルリオたちもいて、なんだかにぎやか。只次郎が居酒屋にいるとなごやか。けんちん汁を売る只次郎も楽しげ。ワクワクしてたら、ギャーッという事件が。ちなみにこの事件でおえんはダイエットにちょっとだけ前向きになります。そしてギャーッという草間のひとことが。どうなる?

表と裏:草間の口から自身のことが語られる。気の毒と言えば気の毒な草間の人生。草間とお妙の亡き良人のかかわりは明らかになったけれど、近江屋の真実はわからず‥ その後、いじいじと寝込む草間。イラッ。只次郎が草間に喝を入れる! いいぞ、只次郎!

初午:お妙、只次郎や菱屋のご隠居、商家の主人たちにより、近江屋が真実を語る。どうやったって近江屋は口を割らないだろうと思ったら、そこは賢いお妙、機転の利く只次郎、百戦錬磨のご隠居たち、さすがでした。〆は柳井殿。かっこいーーー! お妙の近江屋に対する要求は見事なものでした。ちなみにちょっとおえんはほっそりしたみたいよ。

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イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン@小路幸也

2021-01-27 16:29:44 | 本(さ)
  イエロー・サブマリン 東京バンドワゴン@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
四世代が同居する堀田家には、今日も不思議な事件が舞い込む。伝説の作家のアトリエに潜む秘密、紺に届いた盗作を訴える手紙、古本を定期的に買っては店に置いていくミステリアスな少女、藤島とパートナーになった美登里につきまとう過去の亡霊ー。バンドワゴンの面々は「LOVE」という強い絆を持って立ち向かう。人気シリーズ待望の第15弾!




東京バンドワゴンシリーズ第15弾
第14弾の読書感想文はこちら
まずは登場人物相関図をじーーーーーっくり見て確認し、記憶を呼び覚まします。私の大好きな藤島さんにパートナーが‥ パートナーって何‥ ズーンとまず落ち込んだわ‥
本文はまず最初に、他界しているサチによる家族の紹介があります。前回も書いているけど、家族も登場人物も増えて、サチの家族の紹介でまず「そうだそうだ。うん、懐かしい」とまるで親戚のおばさんのような気持ちで、堀田家の輪の中へ入っていきます。それにしてもかんなちゃん鈴花ちゃんが7才って、大きくなったなぁ。(←やっぱり親戚のおばさん。)

夏秋冬春と4話からなるおなじみのパターン。そして朝食の風景も、家族の会話のみで構成されているおなじみのパターン。この会話、大好きです。ただただ会話を「」でつなげて書いているのに、だれが何をしゃべっているかわかるって、ほんとすごい。けど、これだけ大勢になると、よーく読み込まないとだれがだれだかわからなくなるときがありましたよ、今回も‥ って読み込んでも?となったところもありました‥ その後の本文を読めばほぼわかるんだけどね。

夏のお話はその件とその件が結びつく? ってありえない展開でした。ちょっとありえなさすぎね。
秋のお話、紺宛の手紙の謎解きは地味だけどなるほどって感じでした。もうひとつ、花陽の彼氏の元カノの話は花陽がすっかり落ち着いた大人の女性になっていて、いいお医者さんになるのかな、なんてまだまだ先のことを思いました。
冬のお話はミステリアスな少女の謎を解くため少女を尾行するんだけど、そこまでするか、堀田家!? とちょっと納得いかなかったな。
春のお話は研人と芽莉依、卒業と結婚おめでとーーー! それから藤島さんのパートナーの美登里のトラブルを解決する紺がかっこよかった! これぞ東京バンドワゴンって感じで春のお話が一番楽しかったです。

みーんな大人になって、家族の輪がどんどん広がって、藤島ハウスにもいろんな人が住んで、血のつながりだけが家族じゃない、そんな堀田家はやっぱりすてきでした。でも、今回はちょっとのめりこめなかったなぁ。そんなことある? とか、やりすぎじゃ? とか。でもきっとまた読んじゃうな、第16弾♪
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つるつる鮎そうめん 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2020-12-09 15:48:32 | 本(さ)
  つるつる鮎そうめん 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
山王祭に賑わう江戸。神田花房町の居酒屋「ぜんや」の常連客たちも、炎暑のなか祭りに心を躍らせていた。出門を禁じられている武家人の只次郎は、屋敷で育てている鴬の調子を見ていたが、甥の乙松が高熱にうなされ、町人に扮して急ぎ医者を呼びに走ることに。帰り道「ぜんや」に寄ると、女将のお妙に変装を笑われながらも、“食欲がないときにいいもの”を手渡され…。一方、お妙は夢の中で亡き夫・善助との思い出を蘇らせる。体に良い旬の植物・食材の知恵が詰まった、美味しい傑作人情小説第五巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第四巻の読書感想文はこちら

前巻までの流れで只次郎と兄の仲がほんのりよくなっていてほのぼの。只次郎がお妙への想いはかなわないと諦観しているようなのに、お妙の言動に一喜一憂してて、なんとも切ない。お妙はちょっと只次郎のことを頼りにしはじめていて、只次郎もぜんやに通ったかいがあったというもの。でも居酒屋の女将と客という関係は変わらないのよね。お妙の亡くなった夫と父の江戸での知り合いが、なんとぜんやの馴染み客! ものすごいつながりが出てきた! しかも亡くなったふたりの死には裏がありそう‥ ぜんやの用心棒・草間に不穏な動きあり‥ 近江屋も訳ありぽっい‥ 謎だらけで終わっちゃいました‥

一話ずつのちょこっと感想。
五月晴れ:ぜんやの馴染み客である升川屋の奥様・お志乃、あんなに子供っぽかったのに、強くなってる! まさに母は強し! お妙のお料理を通しての気遣いはさすがでした。

駆け落ち:町人の格好をした只次郎、身軽さ、気楽さを楽しんでいるのがおもしろい。駆け落ちしようという男女の不自然さを、お妙の誘導がありつつ解決しちゃうところもおもしろい。そして町人只次郎がいつまでもみんなにからかわれているのもおもしろい。

七夕流し:草間を見たという鮎売りの娘‥ 草間は悪者? 草間が嘘をついているのは見破っているお妙だけど、どうするんだろ‥

俄事:只次郎がお妙に頼まれ、草間の正体を突き止めるべく動いた! さらにお妙の夫の死因も調べだした! そしてお妙の夫と父とぜんやの馴染み客とのつながりが明らかに! いいことも悪いことも動き出しました。

黒い腹:お妙の育った環境、幼いころの様子がわかって、興味深かった。幼いころからよく物事を考え、理解するその賢さは今も健在。草間だけでなく、近江屋もなんだかやばそう‥ どうなっちゃうんだろ‥
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花咲小路三丁目北角のすばるちゃん@小路幸也

2020-11-06 18:04:43 | 本(さ)
  花咲小路三丁目北角のすばるちゃん@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
たくさんのユニークな人々が暮らし、日々さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。にぎやかな商店街の裏には、真っ赤な車が看板代わりの駐車場“カーポート・ウィート”があるのです。若社長・すばるちゃんが営むカーポートを訪れるのはいろんな車。ときには厄介ごとも乗せてきてー。




第四弾「花咲小路三丁目のナイト」の読書感想文はこちら
これは第五弾になるのかな? ファンタジーテイストで物語は始まります。結構好き、このテイスト。主人公はすばるちゃん。高校を卒業したばかりの素直な男の子。ほんと、素直でかわいい。その彼女?許嫁?の瑠夏ちゃんもチャキチャキしてて素直でかわいい。このふたりと、すばるちゃんのお父さん、頼りになる弦さんが軸となり、いろいろな問題を解決していきます。いろいろ人生模様を垣間見るふたり。ほんと、人生いろいろ。これまでのシリーズで登場した人もちらほら出てきて、なんとまぁ、いろんな人生があることか。ちょっとユニークな一筋縄ではいかない人が集まる花咲小路商店街、これからも楽しみです。
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さくさくかるめいら 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2020-04-11 15:50:20 | 本(さ)
  さくさくかるめいら 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
林家では、只次郎の姪・お栄の桃の節句を祝うこととなった。故あってあまり会えずにいた祖父・柳井もぜひ宴にと、声をかけられる。孫娘の祝いの席に何か特別な土産をと張り切る柳井だったが、お栄の母である娘からは「贅沢なものは不要」と言われてしまった。困り果て、居酒屋「ぜんや」で女将のお妙に相談を持ちかけると…。一方、お妙の笑顔と料理にぞっこんの只次郎に恋敵が現れる。小さな悩みも大きな悲しみも、まずはお腹を満たしてから。酒と箸が止まらない!ゆったり嗜む傑作人情小説、第四巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第三巻の読書感想文はこちら

これまでの三巻でわからずじまいになっていたお妙が見張られていた経緯がわかるのかと思いきや、肝心の人が病死ってねぇ。結局この件は進展なしでイラッとするけど、その分、ほのぼの感が増していたのはよかったな。新しい登場人物の草間さん、只次郎の恋敵!? かっこよくって腕っぷしが強いけど、わけありっぽい。気になるなぁ。薬種問屋の小僧である熊吉、只次郎の姪のお栄が成長していて、感心しました。このあたりもほのぼのでした。

一話ずつのちょこっと感想。
藪入り:薬種問屋の小僧である熊吉がお妙のもとに藪入りに帰ってきました。家族でも何でもないんだけど、家族みたいなふたり。熊吉は子供らしい感情を爆発させていたけれど、最後、よく考えてお妙に話すさまはとてもしっかりしていて的を射ており、人のことを思いやって、すてきな男子になっていて感心させられました。

朧月:只次郎、大切な鶯のルリオを手放さなきゃいけないかもしれない大ピンチ。もちろん手放す気はさらさらないんだけど、どうにか穏便に事を進めたい只次郎。ルリオを欲しがる柏木と一緒にお妙のお店で食事をしたら、あらら、なんだかうまいこと行きました。ホッ。お妙の策略ではないけれど、よかったよかった。その様子を見ていたお妙とお勝(お妙の義姉)は大笑い。私もクスリと笑っちゃいました。ここに出てくるありとあらゆる豆腐料理がおいしそうだったな。

砂抜き:ここで只次郎の恋敵!?草間さんが登場します。なぜか草間が気になるお妙。お妙が草間を用心棒として雇うことになります。なんでそんなに草間が気になるかね、お妙は。

雛の宴:お栄の賢明さ、かわいらしさが満載です。あっちこっちの仲を取り持つ、心温まるお話です。四巻で一番のおすすめです!

鰹酔い:ご隠居は問屋の主人たちが大集合。ちょっと癖のある人も新登場。只次郎がお妙にチラッと見せた男らしさ、相変わらずの優しさがいいよね~。そしてお妙が草間の嘘をとっくに見抜いているするどさ、これも健在。今後の展開が楽しみです。
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