食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也

2020-03-06 13:22:32 | 本(さ)
  夏服を着た恋人たち マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
謎のカギを握るのは一枚のメモと高層マンション!?奈々川駅前の高層マンション“グレースタワー”最上階の部屋が暴力団の事務所になっているー。“東楽観寺前交番”に寄せられた通報を受け、赴任三年目の夏を迎えた宇田巡は捜査に向かう。一方、巡の恋人で新人マンガ家の楢島あおいは、年配の女性が不審な男に封筒を渡す場面を目撃してしまう。オレオレ詐欺事件と判断したあおいは、伝説の掏摸の祖母から受け継いだ技を使って、男の胸元から1枚のメモを掏り取る。そんな折、あおいの父・明彦は、長年行方不明だった大学時代の同級生、脇田広巳を町で見かけて…。町の仲間たちが凄ワザで謎に挑む人気ミステリー!




1作目マイ・ディア・ポリスマンの読書感想文はこちら
2作目春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマンの読書感想文はこちら

バラバラだった出来事や人物が徐々にその距離を縮め、最後はひとつになり、みんなであらゆる問題を見事に解決! ってねぇ、ちょっとねぇ、最後の数ページはご都合よすぎじゃござらんか!? 宇田巡査は相変わらず頭が切れて優しいし、あおいちゃんは相変わらずかわいくて行動力があって特殊な技術を持ってるし、宇田巡査の親友の強面の副住職は相変わらず人の心の機微をよくつかむすてきな人だし、カツヤとケイはますます技術力キレッキレだし、みんな大好きなんだけど、なんとなく物足りない読後感でした‥ このゆるさがマイ・ディア・ポリスマンらしいとも言えますが。あおいちゃんのお父さんの普通さが、こういう特殊なメンバーの中で逆に際立っていたのが印象的でした。
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アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン@小路幸也

2019-12-19 17:58:04 | 本(さ)
  アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
一進一退を続けるボンの容態に、落ち着かない日々を過ごす堀田家。しかしトラブルが起これば、すかさず助太刀参上!進路に悩む研人に、「老人ホーム入居を決めてきた」と宣言するかずみ。そして長年独身を貫いてきた藤島がついにー。それぞれが人生の分かれ道に立った家族、でもつながっているのはやっぱり「LOVE」があるから!人気シリーズ待望の第14弾!




東京バンドワゴンシリーズ第14弾
第13弾の読書感想文はこちら
まずは登場人物相関図をじーーーーーっくり見て確認し、記憶を呼び覚まします。
本文はまず最初に、他界しているサチによる家族の紹介があります。前回も書いているけど、家族も登場人物も増えて、サチの家族の紹介でまず「そうだそうだ。うん、懐かしい」とまるで親戚のおばさんのような気持ちで、堀田家の輪の中へ入っていきます。それにしてもかんなちゃん鈴花ちゃんが6才って、大きくなったなぁ。(←やっぱり親戚のおばさん。)

秋冬春夏と4話からなるおなじみのパターン。そして朝食の風景も、家族の会話のみで構成されているおなじみのパターン。この会話、大好きです。ただただ会話を「」でつなげて書いているのに、だれが何をしゃべっているかわかるって、ほんとすごい。けど、これだけ大勢になると、よーく読み込まないとだれがだれだかわからなくなるときがありましたよ、今回も‥

秋のお話は登場人物が多くて、これ誰だっけ? なんて思いつつ、すっかり東京バンドワゴンの世界に引き込まれました。堀田家とその周りにいる面々で解決できないことは何もない!
冬のお話は、まずは池沢さん。ずっと女優として生きてきたその覚悟、かっこよかったです。そしてボンさん。悲しい‥ このシリーズで誰かが亡くなるのってほとんどない出来事で、でも人間だから避けて通れないことで、みんながそれぞれ受け止めて踏ん張って、そして生きていくさまがすばらしいな。
春のお話は研人かな。周りのことで悩んで悩んでこじらせて、それでも生きていく覚悟を決める。ファイト! それからサチが紺に言葉を伝える手段がすごくて驚いたわ。
夏のお話はすずみちゃんのことで絶句。そしてかずみちゃんのことでさらに絶句。そしてそして藤島さんのことでギャーーーッとショックを受けました。藤島さんのファンである私、秋のお話でチラッと予感したんだよね‥

みーんな大人になって、ちょっと落ち着いてきた感がある堀田家。それでもなんやかんやあるわね、生きてると。「生と死」を意識させられた第14弾でした。それからどうでもいいことだけど、堀田家の周りにはやたら美男美女が多いのがなんとなく気になったわ。第15弾も楽しみ♪ やっぱり大好き、東京バンドワゴン!
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春の庭@柴崎友香

2019-12-15 10:49:27 | 本(さ)
  春の庭@柴崎友香 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとはー第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、作家の揺るぎない才能を示した小説集。




淡々と誰かの日常がつづられています。素直な会話や豊かな色彩をともなってつづられています。その日常は普通のようなそうでないような。ありそうでなさそうな。私の頭の中に?が浮かんだら、ちょっとページをさかのぼって読み直し、なんとなくそうかと思いつつ、でもやっぱりわからないようなわかったような。なんか不思議な感覚にとらわれる作品でした。たぶん、私は核の部分を理解できなかったように思います。
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ころころ手鞠ずし@坂井希久子

2019-10-21 18:11:33 | 本(さ)
  ころころ手鞠ずし 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
居酒屋「ぜんや」の馴染み客・升川屋喜兵衛の嫁・志乃が子を宿して、もう七月。「ぜんや」の女将・お妙は、喜兵衛から近ごろ嫁姑の関係がぎくしゃくしていると聞き、志乃を励ましにいくことになった。心配性の亭主に外出を止められ、姑には嫁いびりをされているとこぼしてしまう志乃だったが、お妙の特製手鞠ずしを食べて盛り上がり…。不安や迷いを抱えている人々も、お妙の心を込めた料理で笑顔になる。丁寧で美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに描く傑作人情小説第三巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第二巻の読書感想文はこちら

いきなりどっきりする出来事から始まって、意表を突かれました。今回の只次郎はなかなかの男気を発揮。ま、只次郎なりの男気だけど、お妙を守ろうとする精一杯の気持ちが伝わってきます。なのにお妙に冷たくされたりして、ちょっとお気の毒。お妙は只次郎に対してだけ妙に食ってかかる子供っぽいところが新しい一面で描かれており、ひょっとして愛?親しみ?友情?とか私が勝手に盛り上がっていました。実はお妙がある人に見張られていた件、見張っていた人は分かったものの、結局どうして見張られていたかはわからずじまい‥ お妙っていったい何者なんだろう? 続きが気になります。

一話ずつのちょこっと感想。
大嵐:第二巻でもやもやしていたことにいきなり動きがあってびっくり。只次郎の義姉の父親・柳井殿に担ぎ出される只次郎、あぁ、この先が心配だわ。

賽の目:旗本屋敷で開かれる賭場に出向いている只次郎、賭場を仕切っている大山にかわいがられていて、私はホッとひと安心。賭場なんて只次郎とまるで縁がないところだもん。でもお妙のため、以前お妙を襲った駄染め屋を見つけ出す手がかりを探っています。そこで出会った只次郎の幼馴染とのやり取りは、なんだか切ないものがありました。

紅葉の手:ここで登場します、ころころ手鞠ずし。升川屋喜兵衛の嫁・志乃とその義理の母との仲をさりげなく取り持つ、お妙らしい、そしてお妙の義理の姉・お勝らしい、すてきなお話でした。

蒸し蕎麦:とうとう駄染め屋が捕まって、お妙に反対されていたのにもかかわらず内緒で駄染め屋を探していたことがばれた只次郎、お妙に冷たくされちゃって、小さくなっちゃってお気の毒。そんな様子を見ていた菱屋のご隠居が言い出した蒸し蕎麦を食べる会。見たことも食べたこともない蒸し蕎麦という食べ物を作って食べるために集まる大のの大人の男性6人が嬉々として楽しそう。お妙も食べ物には深い興味があるから、なんとなく和やかな雰囲気になったかな。と思ったら、とうとう駄染め屋が自供した! でも肝心のお妙が見張られていた理由はわかってないのよねぇ。もやもや。 

煤払い:柳井殿から聞いた駄染め屋の自白を正直にそのままお妙に話せなかった只次郎、その事実がお妙にばれて、またまた冷たくされちゃいます。お妙の心に負担がかからないように嘘をついたのに、あぁあ、かわいそ。柳井殿やお勝からのナイスフォローが入るのに、只次郎に突っかかるお妙。でも最後は、最高においしいお鍋を只次郎に食べさせ、お妙と只次郎はほのぼのいい感じで(←あくまでもいい感じなだけだけど)、お鍋もおいしそうで、おなかが空いちゃったわ。あらやだ、私ったら、食欲万歳
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ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2019-10-01 18:05:57 | 本(さ)
  ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
寛政三年弥生。預かった鴬を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鴬たちの師匠役となる鴬・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。




居酒屋ぜんやシリーズ第一巻の読書感想文はこちら

ふんわり穴子天、どんだけおいしそうなタイトルよ‥ とまずはタイトルに食いつき、表紙のおいしそうな絵に食いつき、そして読んで食べ物の描写に食いつく、はぁ、どれもこれもおいしそう。
相変わらず志も体型も、やることなすことすべて武士らしさはひとつもなく、優しくて素直で正直で人懐っこく、周りを和やかな雰囲気にし、おいしいものには目がない只次郎、お妙との距離はちっとも縮まらず、お妙の義理の姉のお勝にはからかわれっぱなしっていうか馬鹿にされっぱなし、でもやっぱりなんかほほえましいのよねぇ。今回初登場は只次郎の義姉の父親・柳井殿。後妻もいれば妾もいるモテ男、粋でいなせでかっこいい江戸っ子、何を考えているかはわからないところがこれまたかっこいい。柳井殿にくってかかる只次郎、それを気にもせず只次郎をからかう柳井殿、ふたりのやり取りがおもしろかったです。第一巻で調べものをすると飛び出していった鳥の糞買いの又三は全然登場せず、疑問は残ったまま。ちょっと引っ張り過ぎじゃないかしらねぇ!?

一話ずつのちょこっと感想。
花の宴:柳井殿初登場。心に秘めた思いが羽織の裏から垣間見え、愛を感じました。

鮎売り:お勝夫婦、ご近所さんのおえん夫婦、いろいろな愛の形があるなぁ。

立葵:只次郎、ちゃんと母上のことを思っているんだな。姪のお栄が勉強したいという気持ちに答える只次郎、武士のしきたりとはかけ離れているけれど、やわらかい頭を持っていて感心しちゃいました。お妙がためらいなく鴨をさばく様子は圧巻!

翡翠蛸:まったく武士らしくない只次郎が武士のしきたりを守って胡瓜を食べないなんてびっくり! ま、最後はそうとは知らずに食べていたけれど。夫が遊女と関係を持ったとお妙のところに飛び込んできた酒問屋の妻のお志乃。よよと嘆き悲しみやつれ切っていたのに、ある事実を知って一瞬ですこぶる強い女に豹変してびっくり! 

送り火:柳井殿とお妙が「髪切り」という妖怪について話していて、あれ? お妙は柳井殿にヒントを与えてる? なんて思ったら、柳井殿、見事に「髪切り」の妖怪ではなく人間を捕まえた! さすがお妙! お勝が妖怪を怖がっているのが意外でちょっとかわいかったな。只次郎の父の上役・佐々木様のお屋敷で又三の名前と、以前お妙を襲った駄染め屋の影が‥ でもちっとも話は進まず。なんかもやもやして終わったわ‥
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