食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや@坂井希久子

2019-09-13 16:18:06 | 本(さ)
  ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや@坂井希久子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
武家の次男坊・林只次郎は鶯が美声を放つよう飼育することを生業とし家計を大きく支えている。ある日、上客の鶯がいなくなり途方にくれていたとき、居酒屋の美人女将・お妙の笑顔と料理に一目惚れするが…。




ほかほか蕗ご飯、このタイトルを見て読みたくなりました。初・坂井希久子さん。
志も体型も、やることなすことすべて武士らしさはひとつもなく、優しくて素直で正直で人懐っこく、周りを和やかな雰囲気にし、おいしいものには目がない只次郎、なんかほほえましいのよねぇ。彼が一目惚れする居酒屋の女将・お妙は穏やかで色気がありお料理上手で、頭がいい! 日々の生活の困りごとがお妙のひとことで解決したりするものの、殺しだのなんだのといった物騒なことは一切なし、ほんわか温かい気持ちになる一冊でした。お料理の描写やそれを食べる只次郎の反応、おなかが空いてきそうです。お妙と一緒に働いているお勝、大店・菱屋のご隠居、鳥の糞買いの又三、ご近所さんのおえん、といった脇も個性豊か。最後が気になる終わり方であれ?と思ったらどうやらシリーズものらしいので、続きを読んでみたいと思います。

一話ずつのちょこっと感想。
笹鳴き:只次郎が居酒屋ぜんやへ行きお妙と出会います。只次郎のお料理を食べる様子と、お妙のお料理上手なことと頭のキレることが印象に残りました。

六花:酒問屋の主人のご新造さん、灘から嫁いできたせいか江戸の食べ物が食べられず。それを解決すべくお料理をふるまうお妙。食欲不振の他の原因も見抜いちゃいます。さすが!

冬の蝶:武家の次男の只次郎とその兄との関係が描かれています。長男と次男、生まれたときから全く人生が定められているのね。しんみり。

梅見:お妙の巾着をかっさらおうとした小熊の正体をただひとり見抜くお妙。さすが!

なずなの花:只次郎の父の上役に縁談を勧められそうになった只次郎、円満に断るためにうつけのふりをして難を逃れます。その後、林家では縁談を断ったことを父と母と兄、それぞれが納得するように話します。頭いいじゃん、只次郎。自分が生きたいように生きるためならば、他の人にどう見られようとかまわない、そんな図太さを感じました。それから、鳥の糞買いの又三が最後の最後、驚きの発言。又三のお妙に対する気持ちと、もうひとつ。後者は謎のまま。気になる‥ 只次郎のあわてっぷりもかわいかった!
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花咲小路三丁目のナイト@小路幸也

2019-07-18 17:16:15 | 本(さ)
  花咲小路三丁目のナイト@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
元「怪盗紳士」も、若手刑事も、ちょっと不思議な花屋さんもいる花咲小路商店街。たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。今回の舞台は花咲小路唯一の深夜営業のお店、「喫茶ナイト」。商店街のみなさんの、夜にしかできない相談ごとに応えていてー。。
大人気商店街シリーズ第4弾 。




第三弾「花咲小路二丁目の花乃子さん」の読書感想文はこちら
花咲小路商店街唯一の深夜営業のお店「喫茶ナイト」の店主・仁太さん、かっこいーーーおじさんです。声がよくて、女子供に好かれて、ちょっと話を聞いたらその先を読めちゃって、悩みごとまで解決してくれる。その過去は謎なんだけれど、これまでのシリーズで登場しているセイさんや花乃子さんが苦手だそうで、そういうキャラはこれまでにないちょっと特殊な感じ、それがまたよかった!相棒は甥の望くん。彼もなかなか頭がいいし、お料理上手だし、優し気で、いい子だよねぇ。このシリーズに出てくる人はみんないい人。そんないい人たちがじゃんじゃん出てきて、新しい登場人物も出てきて、仁太さんと望くんが相談されたお悩みをどんどん解決していって、つられてテンポよく本を読み進みました。で、最後、何もかも一気に解決、そんなうまくいく? って感じなんだけど、いくらしいです、仁太さんの人望とパワーをもってすれば。それにしても花咲小路商店街の面々、個性的過ぎる。他にどんな人がいるのか、まだまだ気になります。
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花咲小路二丁目の花乃子さん@小路幸也

2019-05-28 17:06:12 | 本(さ)
  花咲小路二丁目の花乃子さん@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
元「怪盗紳士」がご隠居として暮らし、非番の日にご近所の相談ごとで引っ張りだこの若手刑事も住む花咲小路商店街。ここにはたくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。今回の主人公は「花の店にらやま」を営む花乃子さんのもとに居候中の十代の女の子。人々の慶びごとにも悲しみにも寄り添う花屋の仕事を手伝うなかで、ある日ちょっと気がかりなお客さんが来店してーー。
大人気商店街シリーズ第3弾 。




第一弾「花咲小路四丁目の聖人」の読書感想文はこちら
高校でいじめを受け退学し、いとこの花乃子さんのお店で働くことになっためいちゃんの語り口で物語は進みます。めいちゃんは明るくて頭の回転のいい素直な女の子(←いじめられる要素がないと思われる‥)、居候先のお花屋さんの主は美人で不思議な特技のある花乃子さん、めちゃくちゃかっこいい双子の柾アンド柊にいちゃん、この4人が中心なんだけど、シリーズに登場した面々も顔を出し、なんだかウキウキワクワク、めいちゃんと一緒に楽しんじゃいました。ちょっとめいちゃんの語り口には違和感があったんだけど。口語調だからかも。ま、それはおいておいて、花乃子さんの特技は花にまつわる魔法!ファンタジー感が私にはとてもおもしろかったです。元「怪盗紳士」セイさんは相変わらずのご活躍っぷりでした。お花はすてきで生活や物語に輝きをもたらすし、商店街の人たちはみんないい人過ぎるくらいいい人で、私もお仲間に入れていただきたいと思うし、アットホームさが物語の根底にずーっとあるのが小路幸也さんの作品らしいなぁ。あぁ、楽しかった!
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春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也

2019-03-25 12:39:10 | 本(さ)
  春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
“東楽観寺前交番”に赴任して三年目の巡査・宇田巡。彼のもとに幼馴染みで音楽事務所社長の市川公太がやってきて、白い化け物にでくわし荷物をとられたと言う。じつは似た訴えはこれで三件目、巡は捜査を開始する。一方、巡の彼女で、伝説の掏摸の孫にしてマンガ家デビューをしたばかりの楢島あおいは、高校の卒業式の帰りに巡を見張っている男がいることに気づく。身許を確かめようとしたところ、その男の懐にあったのは何と警察手帳だった…。




1作目マイ・ディア・ポリスマンの読書感想文はこちら

町内に白い化け物が出る訴えはあったけれど、宇田巡巡査が見張られている理由がわからないけれど、実際に表立って事件があるわけではなく、みんなほのぼの暮らしているので、すらすらすらすら読み進みました。みんなそれぞれちょっとしたことが心に引っかかり、私もその引っかかりがどうにも気になり、そんな中でだんだん人が動き、最後は宇田巡巡査の誰にも言うつもりはないと言っていた秘密が明らかに。そうか、そうだったのか。巡巡査の恋人、あおいちゃんまでそうやって絡むのか。ほぉぉぉって感じでした。
今回は町の金貸し、裏の社会にもつながりのある、でも人のいい天野さくらさん、初登場の元警察官浜本晋一朗さんがご活躍。この小説、全体に漂うほんわかのんびりムードが私のお気に入りです!
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マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也

2018-11-22 15:41:44 | 本(さ)
  マイ・ディア・ポリスマン@小路幸也 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
奈々川市坂見町は東京にほど近い古い町並みが残る町。元捜査一課の刑事だった宇田巡は、理由あって“東楽観寺前交番”勤務を命じられて戻ってきたばかり。寺の副住職で、幼なじみの大村行成と話していると、セーラー服姿のかわいい女子高生・楢島あおいがおずおずと近づいてきた。マンガ家志望の彼女は警官を主人公にした作品を描くために、巡の写真を撮らせてほしいという。快くOKした巡だったが、彼女が去ったあと、交番前のベンチにさっきまでなかったはずの財布が。誰も近づいていないのに誰が、なぜ、どうやって?疑問に包まれたまま財布の持ち主を捜し始めた巡は、やがて意外な事実を知ることに…。




ある種のカンがいい童顔お巡りさん、ある特殊な才能を持つ女子高生、記憶を再生できる兄弟、って特殊な人ばっかり登場! 強面の副住職はまぁ普通っていえば普通だけど、その職業自体が持つ特殊性があるわけで‥ 登場人物がだんだんどんどんつながっていく不思議。特に女子高生がしでかしたことが記憶を再生できる弟によってお巡りさんの知るところになるっていうのはほんとあり得ない。って思いつつ、なんだかおもしろいのよねぇ。性悪な人はいなくって、おそろしいような事件はなくて、でももやもやしたことが解決する、ある意味安心感のある読み物でした。気になるのはお巡りさんと女子高生の関係、記憶を再生できる兄の行く末。続編があるようなので読んでみたいと思います!
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