


あらすじ(「BOOK」データベースより)
奈々川市坂見町は東京にほど近い古い町並みが残る町。元捜査一課の刑事だった宇田巡は、理由あって“東楽観寺前交番”勤務を命じられて戻ってきたばかり。寺の副住職で、幼なじみの大村行成と話していると、セーラー服姿のかわいい女子高生・楢島あおいがおずおずと近づいてきた。マンガ家志望の彼女は警官を主人公にした作品を描くために、巡の写真を撮らせてほしいという。快くOKした巡だったが、彼女が去ったあと、交番前のベンチにさっきまでなかったはずの財布が。誰も近づいていないのに誰が、なぜ、どうやって?疑問に包まれたまま財布の持ち主を捜し始めた巡は、やがて意外な事実を知ることに…。



ある種のカンがいい童顔お巡りさん、ある特殊な才能を持つ女子高生、記憶を再生できる兄弟、って特殊な人ばっかり登場! 強面の副住職はまぁ普通っていえば普通だけど、その職業自体が持つ特殊性があるわけで‥ 登場人物がだんだんどんどんつながっていく不思議。特に女子高生がしでかしたことが記憶を再生できる弟によってお巡りさんの知るところになるっていうのはほんとあり得ない。って思いつつ、なんだかおもしろいのよねぇ。性悪な人はいなくって、おそろしいような事件はなくて、でももやもやしたことが解決する、ある意味安心感のある読み物でした。気になるのはお巡りさんと女子高生の関係、記憶を再生できる兄の行く末。続編があるようなので読んでみたいと思います!