


あらすじ(「BOOK」データベースより)
オムレツ、エビフライ、豚汁、ぶり大根、麻婆ナス、鯛茶漬け、ゴーヤチャンプルー…昼は定食屋で夜は居酒屋。姑の一子と嫁の二三が仲良く営んでおり、そこにアルバイトの万里が加わってはや二年。美味しくて財布にも優しい佃の「はじめ食堂」は常連客の笑い声が絶えない。新しいお客さんがカラオケバトルで優勝したり、常連客の後藤に騒動が持ち上がったり、一子たちがはとバスの夜の観光ツアーに出かけたりー「はじめ食堂」は、賑やかで温かくお客さんたちを迎えてくれる。文庫オリジナル。




シリーズ1作目「食堂のおばちゃん」の読書感想文はこちら。
シリーズ2作目、一子さんの若いころのお話「恋するハンバーグ 佃はじめ食堂」の読書感想文はこちら。
1作目を読んでからちょっと間が空いてしまったので、どうだっけ?と思いながら読み進みました。相変わらず一子さんも二三さんもおばちゃんって感じがしない、そのお姿、立ち居振る舞いがすてきで心地よい。万里(ばんり・男子)はレストランで新メニューを開発したり、ずいぶんと頼りになる存在になっていて見違えました。はじめ食堂のランチは小鉢2品が付いて700円! やすっ! おいしそっ! そのランチが始まる前に3人で食べる炊き立てごはんで握ったおしのぎ(昼食までのつなぎとなるおにぎり)までおいしそっ! ランチのご常連さん、夜のご常連さん、それぞれ個性的で、みんな、はじめ食堂を愛してるのが伝わってきます。夜の居酒屋メニューもいいのよねぇ。近所にあればぜひともご常連さんに名を連ねたいところです。新しいお客さんだったり、ご常連さんだったり、お客さんの変化を見逃さない一子さんと二三さん、お客さんの問題やお悩みをお話しながら解決したり癒したりするのはお見事です。特に一子さん、やさしくて温かいだけじゃなく、冷静で的を射た発言がかっこいい! 巻末にはお料理のレシピが載っています。「砂肝のゴマ酢和え」ビールのお供にもってこいだそうで、作りたいじゃなくて、食べたい! はじめ食堂がないので自分で作るしかないところが残念‥