夏大根の真っ盛りだ。選別作業に出掛けた。
そこのゴミ、あそこに捨ててください。パートのおばさんにそう言われてプラスチックケースの中を見ると切断された立派な大根がごろごろ入っていた。
重たいので台車に数個を積んでトラクターのバケットの中に“捨て”、洗浄機への大根投入の仕事の場所に戻る時に、選別作業をしているおばさん達をチラッと見た。
包丁でスパスパと大胆にカットしている。曲がったり、少しでも虫食いの跡がついていると3分の1くらいしか残らない。それがスーパーで「カット大根」として売られている。
その他大勢の立派な「ゴミ」はトラクターで畑の傍の林に運ばれ、春には跡形も無く水になって土に戻っているという。
あぁ何と勿体ないことか。若い経営主の父親と昼からビートの雑草取りをしながらそのことを聞いた。
「規格に納まらないと値段は半分になってしまう。分かっているけど高く売るためには仕方の無いことだ。」ブロッコリー収獲の時にも聞いた呟きだった。
食べることが出来る手塩に掛けた作物が捨てられるのは忍びないことだろう。
スーパーで1本の大根を買った「消費者」たるパートのおばさん達は家庭であんなに大胆に捨てたりしない。ヨーロッパの量り売りを採り入れるなど、そろそろこの国の農産物流通を本気に考える時代ではないか。
今日は暑そうだ。どんな作業になるのかな。
《家の葡萄の実がつき始めた。 2020.7.12》