2024.10.24
JAの農作業で大根の出荷作業に出掛けたO農場さんから規格外の大根を40本ほど貰い、ベランダに干しておいた。1週間ほど経って、半月状に曲がるようになったので、35本を「沢庵漬け」にし、残りを「ニシン漬け」にした。
漬物は北海道の冬の貴重な保存食だった。小学生の頃、風が冷たくなる今頃は母親から大根の水洗いを手伝わされ、兄たちから縄で編んで吊るす仕事を手伝わされた。寒くて早く終わらないかといつも思っていた。
九州育ちの妻は北海道の漬物を作ることは苦手で全て私の仕事である。
母のやっていたことの記憶で適当にやるが、あれだけイヤだった沢庵漬けの手伝いが今では幼いころの家族の残像を思い出す楽しみとなって生きている。
用意するのは極めてシンプル。
米ぬか、塩、南蛮だけである。量は全くの目分量。母もそうしていた。
塩と南蛮を混ぜ米ぬかを大根と大根の間に隙間のないよう塗して交互につみ重ねてゆくだけ。
最後に大根のヘタを乗せ、ぬかをびっしりかぶせてガッチリ重石をかけ、気温の上がらない物置に保管する。
沢庵漬けは通常の野菜の漬物のように水は上がってこない。1ヵ月ほど経つとぬかが水分でしっとりしてきて食べ頃になる。
沢庵の無くなる3月上旬、春の兆しが見え始める。
(「ニシン漬け」につづく)